2022年4月10日日曜日

アンソニー・ホロヴィッツ作「モリアーティー」(Moriarty by Anthony Horowitz) - その2

英国の The Orion Publishing Group 社から2015年に出版された
アンソニー・ホロヴィッツ作「モリアーティー」の裏表紙(ペーパーバック版)
(Cover design and letterings by Mr. Patrick Knowles)

(1)英国からスイスまで、犯罪界のナポレオンと呼ばれるジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)を追跡してきたスコットランドヤードのアセルニー・ジョーンズ警部(Inspector Athelney Jones - サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「四つの署名(The Sign of the Four → 2017年8月12日付ブログで紹介済)」に登場)と(2)米国から英国まで、米国の犯罪組織の首領であるクラレンス・ドゥヴルー(Clarence Devereux)を追ってきた米国のピンカートン探偵社(Pinkerton Detective Agency)に所属するフレデリック・チェイス(Frederick Chase)の二人は、情報交換の末、英国へと戻り、ロンドン内に潜伏しているドゥヴルー一味を捕らえるべく、共同戦線を張ることとなった。

ジェイムズ・モリアーティー教授亡き今、彼と手を結ぶために、ロンドンまで出向いてきたクラレンス・ドゥヴルーは、これからロンドンで何をしようと企んでいるのだろうか?


チェイスとジョーンズ警部の二人が行動を共にする中、シャーロック・ホームズを信奉して、ホームズの推理方式を自分の捜査方法に取り入れるジョーンズ警部の活躍もあって、二人はドゥヴルー一味を明らかにし、その背後に潜むクラレンス・ドゥヴルーの正体に徐々に迫っていくが、予想もできない結末が待ち受けていたのである。


ホームズとモリアーティー教授の二人がスイスのライヘンバッハの滝壺(Reichenbach Falls)に姿を消した「最後の事件(The Final Problem)」において、その背後で、一体、何が起きたのか?ライヘンバッハの滝壺から発見された溺死体は、本当にモリアーティー教授の死体だったのか?


また、ロンドンに戻ったフレデリック・チェイスとアセルニー・ジョーンズ警部の二人の前に姿を見せて、チェイスをつけ狙おうとする少年は、一体、何者なのか?クラレンス・ドゥヴルーがチェイスに向けて放った殺し屋なのか?


そして、チェイス / ジョーンズ警部とドゥヴルー一味との攻防、その中で発生するスコットランドヤードでの爆弾騒ぎ。ドゥヴルー一味は、遂にロンドンでのテロ活動に手を染めたのか?


物語の冒頭から、ジェイムズ・モリアーティー教授自身は、彼と思われる溺死体しか出てこないが、本作品のタイトルである「モリアーティー(Moriarty)」が、物語の結末において、非常に重要な意味を持ってくるのである。


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