2017年3月に Titan Books から出版された マーク・A・ラサム作「シャーロック・ホームズ / 血の背信」の ペーバーバック版の表紙 (Cover Image by Dreamstime / funnylittlefish) - 背景は、ドラキュラ伯爵が英国で最初に上陸した ウィットビーにある僧院(Whitby Abbey)を イメージしているものと思われる。 |
1891年4月、「最後の事件(The Final Problem)」において、犯罪界のナポレオンと呼ばれるジェイムズ・モリアーティー(Professor James Moriarty)と一緒に、スイスにあるライヘンバッハの滝壺に消えたシャーロック・ホームズは死んでいると思われたが、3年の時を経て、1894年4月、「空き家の冒険(The Empty House)」でロンドンに無事生還した。
ちょうどその頃、ロンドンでは、ドラキュラ伯爵事件に関する記事が、世間を騒がせていた。それは、トランシルヴァニア(Transylvania)の吸血鬼ドラキュラ伯爵(Count Dracula)と吸血鬼ハンター達の戦いの記録であった。新聞によると、ドラキュラ伯爵事件は、1893年5月から11月にかけてで、場所は、英国北東部の港町ウィットビー(Whitby)、ロンドン、そして、トランシルヴァニアへとまたがっていた。
そして、事件の関係者は、以下の通りであった。
<ドラキュラ伯爵と戦った人物>
(1)エイブラハム・ヴァン・ヘルシング教授(Professor Abraham Van Helsing) → 精神医学を専門とするアムステルダム大学の名誉教授で、ジャック・セワード医師(後述)の恩師。ジャック・セワード医師の依頼に基づき診断したルーシー・ウェステンラ(後述)の衰弱が吸血鬼であるドラキュラ伯爵の仕業だと気付き、本件に関与。
(2)ジョナサン・ハーカー(Jonathan Harker) → エクセター(Exeter)に事務所を構えるピーター・ホーキンズ(Peter Hawkins)の代理として、ロンドンのカーファックス屋敷(Carfax)を購入しようとするドラキュラ伯爵のために、トランシルヴァニアのドラキュラ城(Castle Dracula)へ派遣された新人事務弁護士。ドラキュラ城に囚われるも、命からがら脱出する。
(3)アーサー・ホルムウッド(Arthur Holmwood) → ルーシー・ウェステンラの求婚者の一人で、後に彼女の婚約者となる。彼の父親の死去に伴い、ゴダルミング卿(Lord Godalming)の爵位(男爵)を受け継ぐ。
(4)ジャック・セワード医師(Dr. Jack Seward) → カーファックス屋敷の近くにある精神病院の院長で、ルーシー・ウェステンラの求婚者の一人。ルーシー・ウェステンラの衰弱に疑問を感じて、恩師であるヴァン・ヘルシング教授に助けを請う。
(5)クウィンシー・モリス(Quincey Morris) → 米国テキサス州の大地主で、ルーシー・ウェステンラの求婚者の一人。ロンドンからトランシルヴァニアへと逃げ帰るドラキュラ伯爵を追撃する途中、ドラキュラ伯爵の配下との戦いの中で、命を落とす。
<ドラキュラ伯爵による被害者 / 犠牲者>
(1)ルーシー・ウェステンラ(Lucy Westenra) → 心臓の弱い母親と一緒に、ウィットビーに滞在していた女性で、ウィルへルミナ・マレー(後述)の友人。アーサー・ホルムウッド、ジャック・セワード医師とクウィンシー・モリスの三人から求婚を受けていたが、最終的には、アーサー・ホルムウッドの婚約者隣。夢遊病であり、それが元でドラキュラ伯爵に襲われ、吸血鬼にされてしまったため、ヴァン・ヘルシング教授達によって、二度と吸血鬼にとして復活できないよう、滅ぼされる。
(2)レンフィールド(Renfield) → ジャック・セワード医師が院長と務める精神病院の患者で、蝿、蜘蛛や鳥等を食べて、その命を奪うという独自の観念を有する。最終的には、ドラキュラ伯爵によって惨殺される。
(3)ウィルへルミナ・マレー(Wilhelmina Murray) → ルーシー・ウェステンラの友人で、ジョナサン・ハーカーの婚約者。事件の後半、ドラキュラ伯爵に襲われるが、ヴァン・ヘルシング教授達が、それを逆手に取って、ドラキュラ伯爵を追い詰め、ロンドンから撃退する。
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