2026年11月2日月曜日

エルキュール・ポワロの世界 <ジグソーパズル>(The World of Hercule Poirot )- その45A

英国の HarperCollinsPublishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作「象は忘れない」のペーパーバック版の表紙 -
女性推理作家として有名なアリアドニ・オリヴァー夫人が名付け親となった
シーリア・レイヴンズクロフト(Celia Ravenscroft)の両親である
アリステア・レイヴンズクロフト将軍と妻のマーガレットの2人は、
英国南西部のコンウォール州にある海辺の家へと移って、静かな引退生活を送っていた。
ある日、いつも通り、レイヴンズクロフト夫妻は飼い犬を連れて散歩に出かけたが、
その後、将軍が保有する銃で二人とも撃たれて死亡しているのが発見される。
ペーパーバック版の表紙には、
レイヴンズクロフト夫妻の遺体が発見された断崖絶壁が描かれている。

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。

前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。


ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形
<筆者撮影>


(106)4つの鬘(ウィッグ)(four wigs)


4つの鬘が、ジグソーパズル内の各所に散りばめられている。


1つ目の鬘は、ジグソーパズルの左上の角に見える回廊の床の上に(左手にモップを持ったメイドの右足元に)落ちている。



2つ目と3つ目の鬘は、ジグソーパズルの左下の角に立つジョン・レイス大佐(Colonel John Race → 2025年10月25日付ブログで紹介済)の左足元に落ちている。



4つ目の鬘は、ジグソーパズルの右側にある柱の側に立っている執事のジョージ(George → 2025年10月23日付ブログで紹介済)の左斜め下に居る「オリエント急行の殺人(Murder on the Orient Express → 2023年8月25日 / 8月29日付ブログで紹介済)」(1934年)に登場するイスタンブール(Istanbul)発カレー(Calais)行きオリエント急行(Orient Express)の寝台車を担当する車掌であるフランス人のピエール・ポール・ミシェル(Pierre Paul Michel → 2026年1月2日 / 1月4日付ブログで紹介済)と「鳩のなかの猫(Cat Among the Pigeons → 2025年8月3日 / 8月4日付ブログで紹介済)」に登場するロンドンにある有名な私立女子校であるメドウバンク校(Meadowbank School)の女学生(ジェニファー・サットクリフ - ヘンリー・サットクリフ(Henry Sutcliffe)か、または、ジュリア・アップジョン(Julia Upjohn)→ 2026年8月10日 / 8月16日付ブログで紹介済)の後方の床の上に落ちている。



(107)象(elephant)



ジグソーパズルの下段中央の右手にあるテーブルの上段の左端に、象の置き物が置かれている。


これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1972年に発表した「象は忘れない(Elephants Can Remember)」である。

「ハロウィーンパーティー」は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第63作目に該り、そして、エルキュール・ポワロシリーズの長編としては、第32作目に該っている。


ポワロシリーズの作品としては、発表順では、「カーテン(Curtain)」(1975年)がエルキュール・ポワロ最後の作品ではあるが、「カーテン」は第二次世界大戦中に執筆されているので、執筆順で言うと、本作品が、実質的には、ポワロ最後の作品となる。


女性推理作家として有名なアリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver → 2025年10月26日付ブログで紹介済)は、文学者昼食会において、バートン=コックス夫人(Mrs. Burton-Cox)と名乗る婦人から奇妙なことを尋ねられる。それは、オリヴァー夫人が名付け親となったシーリア・レイヴンズクロフト(Celia Ravenscroft)という娘の両親が十数年前に起こした心中事件のことだった。バートン=コックス夫人がオリヴァー夫人に発した問いは、「あの娘の母親が父親を殺したんでしょうか?それとも、父親が母親を殺したんでしょうか?」だった。自分の名付け子すら満足に思い出せないオリヴァー夫人にとって、謎めいた心中事件のことなど、何も覚えていなかったのである。


バートン=コックス夫人から尋ねられたことが非常に気になったアリアドニ・オリヴァー夫人は、名付け子であるシーリア・レイヴンズクロフトに連絡をとり、ひさしぶりに再会する。シーリアによると、彼女はバートン=コックス夫人の息子デズモンド(Desmond)と婚約中で、バートン=コックス夫人としては、シーリアの両親のどちらが相手を殺したのかが、シーリアとデズモンドが結婚した場合、遺伝的に好ましいのかどうかという問題に関わってくるらしい。


シーリア・レイヴンズクロフトの説明によると、亡くなる数年前にインドで退役したアリステア・レイヴンズクロフト将軍(General Alistair Ravenscroft)は、妻のマーガレット(Margaret Ravenscroft)と一緒に、英国南西部のコンウォール州(Cornwall)にある海辺の家へと移って、静かな生活を送っていた。ある日、いつも通り、レイヴンズクロフト夫妻は飼い犬を連れて散歩に出かけたが、その後、レイヴンズクロフト将軍が保有する銃で二人とも撃たれて死亡しているのが発見された。

警察はレイヴンズクロフト夫妻の死を心中と見做したが、心中に至る動機は遂に見つからなかった。夫妻が経済的に困っていた様子はない上に、夫婦仲もよく、彼らを殺害しようと考える敵等は居なかったからである。

当時、シーリアは12歳で、スイスの学校へ行っていて、コンウォール州にある海辺の家には住んでいなかった。その頃、海辺の家に居たのは、家政婦、シーリアの元家庭教師、それにシーリアの伯母だけであった。彼らにも、夫妻を殺すような動機は見当たらなかったである。


                                         

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