英国の Titan Publishing Group Ltd. の Titan Books 部門から 2013年に出版された ジェイムズ・ラブグローヴ作 「シャーロック・ホームズ / 悪夢の塊」の裏表紙 (Images : Dreamstime / Shutterstock / funnylittlefish) |
スコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Lestrade)から、英国に密入国した中国人女性達を斡旋していると思われる悪名高き売春宿を経営するアダムアベス(Madame Abbess)のことを聞き付けたシャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンは、マダムアベスに会うために、モーゲート(Moorgate)へと出かける。
ホームズは、マダムアベスに対して、常連客のリストを見せてほしいと依頼する。その条件は、
(1)外国人であること
(2)爵位を有する者であること
(3)フランス人であること
という内容だった。「常連客のリストを見せてもらえれば、中国人女性達の人身売買等を含む売春宿の経営に関しては、一切関知しない。」という取引を、ホームズはマダムアベスに持ちかけるのであった。
マダムアベスから渡された常連客のリスト内に自分の予想通りの名前を見つけたホームズは、売春宿を辞去する。外に出たホームズは、ワトスンに対して、「自分の予想通りに見つけた名前は、ドゥ・ヴィルグラン子爵(Vicomte de Villegrand)だ。」と告げる。ホームズは、彼が英国政府の転覆を狙っている張本人だと考えていた。更に、「コシュマー男爵(Baron Cauchemar)」の「コシュマー」とは、フランス語で「悪夢」を意味する、と教える。果たして、「コシュマー男爵」と「ドゥ・ヴィルグラン子爵」の二人は、どのように関連しているのだろうか?
ホームズとワトスンは、モーゲートからドゥ・ヴィルグラン子爵が住むハムステッド地区(Hampstead → 2018年8月26日付ブログで紹介済)へと、辻馬車を走らせる。ドゥ・ヴィルグラン子爵の屋敷は、ハムステッドヒース(Hampstead Heath → 2015年4月25日付ブログで紹介済)から目と鼻のところにあった。
運良く、ドゥ・ヴィルグラン子爵は在宅していた。彼は30代半ば位で、髪をカールし、生やした口髭をポマードで固めており、非常に尊大で気取った男であった。
ドゥ・ヴィルグラン子爵と面会したホームズは、時間を全く無駄にせず、いきなり単刀直入に、彼に対して、最近頻発している爆弾事件との関わりを問い質すのであった。この直球質問に激怒したドゥ・ヴィルグラン子爵は、ホームズの態度を無礼と見做して、彼に決闘を申し込む。ホームズは、これを受けて立った。
ドゥ・ヴィルグラン子爵は、フランス式のキックボクシング(Savate)を体得しており、ホームズに対して攻撃を仕掛けるが、対するホームズは、バリツ(Baritsu)で立ち向かう。
一方で、ロンドンを4つ目の爆弾が襲う。今回は、セントジェイムズパーク(st. James’s Park)のボート小屋に、爆弾が仕掛けられていて、これが爆発する。
ホームズが推測する通り、ドゥ・ヴィルグラン子爵が爆弾事件の黒幕なのか?そして、彼の目的は何か?
また、テムズ河(River Thames)の係留地において、ホームズとワトスンの二人を救ったコシュマー男爵とは、一体、何者なのか?そして、彼は何をしようとしているのだろうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿