「緋色の研究」のグラフィックノベル版において、 シャーロック・ホームズが初めて顔を見せる場面 - 「独自の研究により、非常に精度の高い血液検出法を見つけた。」と喜んでいる。 |
サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)が1887年に発表したシャーロック・ホームズの記念すべき第一作である「緋色の研究(A Study in Scarlet → 2016年7月30日付ブログで紹介済)」のグラフィックノベル版は、コナン・ドイルの原作通り、以下のように、2部構成を採っている。
・第1部(全7章): 元陸軍医局 ジョン・H・ワトスン医学博士の回想録から復刻(Being a reprint from the reminiscences of John H. Watson, M.D., late of the Army Medical Department) → ブリクストンロード(Brixton Road → 2017年5月20日付ブログで紹介済)近くの空き家であるローリストンガーデンズ3番地(3 Lauriston Gardens → 2017年3月4日付ブログで紹介済)において、米国オハイオ州クリーブランドに住むイーノック・J・ドレッバー(Enoch J. Drebber)の死体が見つかり、シャーロック・ホームズによる事件の捜査が行われる。
・第2部(全7章): 聖者達の国(The Country of the Saints) → ローリストンガーデンズ3番地において、犯人がイーノック・J・ドレッバーを殺害するに至った歴史が、犯人によって語られる。
初めて会ったジョン・H・ワトスンに対して、 「アフガニスタンに行っていましたね?」と、 ホームズが言い放つ、「緋色の研究「において、非常に有名な場面。 |
コナン・ドイルの原作の場合、第1部のページ数と第2部のページ数の割合は、ほぼ1(50%)対1(50%)であるが、グラフィックノベル版の場合、第1部のページ数と第2部のページ数の割合は、凡そ65%対35%となっており、原作に比べると、グラフィックノベル版の方が、ホームズの活躍をより楽しめるようになっている。
ベーカーストリート221Bの下宿において、 ホームズと同居することになったワトスンが観察した結果、 明らかになったホームズの知識範囲の数々。 |
構成を担当する作家の Ian Edginton と、そして、作画を担当するイラストレーターの I. N. J. Culbard の二人にとって、ホームズシリーズをグラフィックノベル化するのは、「バスカヴィル家の犬」が一番最初であり、残念ながら、ホームズやワトスンの作画が完成化されておらず、やや安定していない。
また、ホームズとワトスンを含む全キャラクターを描く際に、顔のバランスをとるための線の名残なのか、額の中央から片側の頬にかけて、斜めに走る線が多用されており、それがほぼ全場面の全キャラクターに適用されているので、読んでいて、非常に気になった。
ホームズシリーズのグラフィックノベル版としては、2番目に該る「緋色の研究」の場合、幸いにして、ホームズやワトスンの作画は概ね完成していて、二人を含む全キャラクターが描かれる際に、バスカヴィル家の犬」において多用された額の中央から片側の頬にかけて斜めに走る線は、ほぼなくなっており、非常に読み易くなっている。
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