米国の Insight Editions 社から出版されている 「ベーカーストリート不正規隊4人組 - Volume 2」の表紙– 画面左側から、トム、ノラ猫のワトスン、ビリー。そして、チャーリーが並んでいる。 ちなみに、ビリーが手にしている新聞には、 シャーロック・ホームズがスイスのライヘンバッハの滝で亡くなったことが告げられている。 |
「ベーカーストリート不正規隊4人組(The Baker Street Four)」は、シャーロック・ホームズの手足となって、捜査に協力する「ベーカーストリート不正規隊(Baker Street Irregulars)」と呼ばれるストリートチルドレンを主人公にしたグラフィックノベルである。
ベーカーストリート不正規隊は、ホームズから日当をもらい、スコットランドヤードの警官やホームズが入り込めない場所へ潜入し、警官やホームズでは聞き出すことが難しい有益な情報を得ることによって、彼らの真価を発揮する。
サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)による原作において、ホームズは、ベーカーストリート不正規隊につき、「スコットランドヤードの警官1ダースよりも、彼ら一人の方が有用だ。」と高く評価している。
「ベーカーストリート不正規隊4人組」と名付けてはいるものの、実際には、3人のストリートチルドレンと1匹のノラ猫で、メンバーが構成されている。
(1)ビリー(Billy 本名:ウィリアム・フレッチャー(William Fletcher))→幼くして母親を亡くし、ストリートチルドレンになった。心の底では、ホームズを父のように慕っている。
(2)チャーリー(Charlie 本名:シャーロット(Charlotte))→彼女の母親は、現在、ベドラム(Bedlam)にある精神病院に入院している。
(3)トム(Tom)→ロンドンのキルバーン地区(Kilburn)出身。アイルランド系で、髪の毛が黒いことから、「Black Tom」と呼ばれている。彼の叔父、叔母や従兄弟達は、コソ泥をしている。
(4)ワトスン(Watson the cat)→ノラ猫で、チャーリーがいつも可愛がっている。ホームズの相棒であるジョン・H・ワトスンに因んで、ワトスンと名付けられているが、物語の途中まで、ワトスンは、そのことを知らない。
「ベーカーストリート不正規隊4人組」の原題は、「Les Quatre de Baker Street」で、
・ストーリー: J. B. Djian + Olivier Legrand
・作画: David Etien
のメンバーにより、グラフィックノベルは出来上がり、フランスの Editions Glenat 社から出版され、米国の Insight Editions 社により英訳されている。
フランスにおいて、「ベーカーストリート不正規隊4人組」は、
(1)「Les Quatre de Baker Street - Tome 01 : L’Affaire du rideau bleu」(2009年)
(2)「Les Quatre de Baker Street - Tome 02 : Le Dossier Raboukine」(2010年)
(3)「Les Quatre de Baker Street - Tome 03 : Le Rossignol de Stepney」(2011年)
(4)「Les Quatre de Baker Street - Tome 04 : Les Orphelins de Londres」(2012年)
の4冊が出版された後、米国において、
(1)「The Baker Street Four - Vol. 1」(2017年)
(2)「The Baker Street Four - Vol. 2」(2017年)
の2冊にまとめられている。
その後、フランスでは、2013年に、エピソード0(ゼロ)に該る「Le Monde des Quatre de Baker Street」が刊行された後、
(5)「Les Quatre de Baker Street - Tome 05 : La Succession Moriarty」
(6)「Les Quatre de Baker Street - Tome 06 : L’homme du yard」
(7)「Les Quatre de Baker Street - Tome 07 : L’Affaire Moran」
と、シリーズが続いている。
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