英国の化学者で、サイエンスライターでもあるキャサリン・ハーカップ(Kathryn Harkup)が執筆した「アガサ・クリスティーと十四の毒薬(A is for Arsenic - The Poisons of Agatha Christie)」では、「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年 旧姓:ミラー(Miller))が彼女の推理小説の中で使用した14の毒薬について、キャサリン・ハーカップが取り上げ、それらの毒薬に関する固有の特徴やエピソード等を紹介している。
「アガサ・クリスティーと14の毒薬」は、キャサリン・ハーカップにとって初めての著作であったが、2015年に Bloomsbury Publishing Plc からハードカバー版が出版されると、直ぐに国際的なベストセラーとなり、2016年には同社からペーパーバック版が刊行された。
日本では、2016年9月に、岩波書店から長野きよみ氏による翻訳版が出ている。
アガサ・クリスティーは、1890年、英国デヴォン州(Devon)のトーキー(Torquay→2015年1月10日 / 1月23日 / 2月1日 / 2月8日付ブログで紹介済)に、3人姉弟の末っ子として出生。
1901年、父親のフレデリック・アルヴァ・ミラー(Frederick Alvah Miller)が死去した頃から、彼女は、詩や短編小説を書き始める。
1909年、彼女が自身初の長編小説「砂漠の雪」を執筆した際、当時隣家に住んでいた英国の作家であるイーデン・フィルポッツ(Eden Phillpotts:1862年ー1960年)から助言や指導等を受けた。なお、イーデン・フィルポッツは、日本において、「灰色の部屋(The Grey Room)」(1921年)、「赤毛のレドメイン家(The Red Redmaynes)」(1922年)や「闇からの声(A Voice from the Dark)」等の推理小説で知られている。
アガサ・クリスティーは、1914年に当時大尉だったアーチボルド・クリスティー(Archibald Christie:1889年ー1962年)と結婚した後、第一次世界大戦(1914年ー1918年)中、薬剤師の助手として勤務して、そこで毒薬の知識を得た。
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