2019年8月24日土曜日

ダフニ・デュ・モーリエ作「ジャマイカ・イン」(Jamaica Inn by Dame Daphne du Maurier)

Virago Press 社から出版されている
ダフニ・デュ・モーリエ作「ジャマイカ・イン」

「ジャマイカ・イン(Jamaica Innー邦題:埋もれた青春)」は、英国の小説家であるディム・ダフニ・デュ・モーリエ(Dame Daphne du Maurier:1907年ー1989年)が1936年に発表した小説で、英国ではヴィクター・ゴランクズ社(Victor Gollancz Ltd.)から、そして、米国ではダブルディ・ドラン社(Doubleday Dorun)から出版された。

1930年、ダフニ・デュ・モーリエは、英国コンウォール州(Cornwall)のボドミンムーア(Bodmin Moor)内に所在する宿屋「ジャマイカ・イン(Jamaica Inn)」に滞在した際に、本作品の着想を得た、とのこと。
現在、宿屋「ジャマイカ・インは、レストランやバー等を備えたホテルであるが、18世紀中頃から19世紀にかけて、英国外からの密輸品をロンドンを初めとする英国各地へと運搬するための中継地として使用された歴史がある。

物語は、史実に合わせて、1820年のコンウォール州が舞台として設定されている。
母親を亡くして孤児となった23歳のメアリー・イェーラン(Mary Yellan)は、彼女にとって唯一の身寄りである叔母のペーシェンス・マーリン(Patience Merlyn)が経営する辺境の宿屋「ジャマイカ・イン」へと行くことにした。
しかし、メアリーがやっとの思いで辿り着いたその宿屋は荒れ果てている上に、叔母のペーシェンスはすっかりと老け込んでいて、幽霊のような状態だった。彼女の夫であるジョス・マーリン(Joss Merlyn)は、宿屋内で怪しげな仲間達と一緒に酒宴を開き、呑んだくれていた。叔母のペーシェンスは、夫や彼の仲間達に対して、何も言えないようである。
メアリーが見たところ、宿屋には宿泊客が誰も居らず、その上、今まで一度も客を泊めたことがないみたいで、何か怪しげな雰囲気だった。
メアリーは、実質的に宿屋を牛耳っている叔母の夫であるジョス・マーリンの正体を探ろうとする。そして、ジョスと彼の仲間達が、この辺一帯を荒らし回っている海賊であることが判明するのであった。

「ジャマイカ・イン」は、英国の映画監督 / 映画プロデューサーであるアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock:1899年ー1980年)によって、1939年に映画が制作され、邦題「巌窟の野獣」として公開されている。

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