2019年8月25日日曜日

アニメーション「名探偵ホームズ(Sherlock Hound)」–その1

英国で発売されている「名探偵ホームズ」の DVD パッケージ写真–
左側がシャーロック・ホームズで、右側がジョン・ワトスン

アニメーション「名探偵ホームズ(Sherlock Hound)」は、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)原作のシャーロック・ホームズシリーズをベースにしたテレビアニメである。

イタリアの国営放送局であるイタリア放送協会(RAI)が、イタリアの民間制作会社である REVER 社に「名探偵ホームズ」の制作を発注し、それを受けた REVER 社が日本の東京ムービー新社に共同政策を持ちかけて、日伊合作作品んが実現した。
当初は、日伊で同時に放送する予定で、1981年4月に制作が開始され、東京ムービー新社傘下のテレコム・アニメーションフィルムにおいて、実際の政策が行われた。スタジオジブリのアニメーション映画の監督として非常に有名な宮崎駿氏(1941年ー)は、当初、制作の主体となったテレコム・アニメーションフィルムの若手をバックアップする予定で参加したが、最終的には、6話について、監督 / 演出等を担当している。

「名探偵ホームズ」の制作にあたって、コナン・ドイルの原作から登場人物と舞台等を借りているものの、一部を除き、ほぼオリジナルのストーリーとなっている。登場人物については、全て擬人化した犬というキャラクター設定になっている。また、主要な登場人物に関しては、少数のメンバーに固定され、毎回、モリアーティー教授と彼の2人の部下が悪事(盗難事件が多く、殺人事件は発生しない)を企み、シャーロック・ホームズが、ジョン・ワトスン、ハドスン夫人やスコットランドヤードのレストレード警部等の助けを借りて、モリアーティー教授達の悪巧みを阻止するという判りやすいストーリーが、主に展開している。

1982年に6話分の作業を進めたところで、「名探偵ホームズ」の制作は、一時中断する。制作中断の理由としては、

(1)イタリア側において、コナン・ドイルの遺族との間で、著作権獲得の交渉が難航したこと
(2)「名探偵ホームズ」制作の過程で、制作の主体となったテレコム・アニメーションフィルムが、別のアニメーション映画(米国との共同制作となる「ニモ(NEMO)」→最終的には、1989年に公開)に作業を注力する必要があったこと
(3)制作の依頼主であるイタリア側からの送金が途絶えたこと

等と言われている。

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