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| ジグソーパズルの中段の一番左端に、 愛する妻レスリーに思いを馳せるジョン・ゴードン・マッカーサーが、 赤枠で囲まれている。 <筆者撮影> | 
英国の Orion Publishing Group Ltd. から2025年に発行されている「「そして誰もいなくなった」の世界(The World of ‘And Then There Were None’)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」(1939年)の登場人物や同作品に関連した47個にわたる手掛かりについて、引き続き、紹介したい。
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| 英国の Orion Publishing Group Ltd. から2025年に出ている ジグソーパズル「「そして誰もいなくなった」の世界」(1000ピース) | 
(6)(16)ジョン・ゴードン・マッカーサー(John Gordon MacArthur)
退役した老将軍(General)のジョン・ゴードン・マッカーサーは、高名な元判事のローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ(Lawrence John Wargrave → 2025年10月20日付ブログで紹介済)、体育教師(games mistress)のヴェラ・エリザベス・クレイソーン(Vera Elizabeth Claythorne → 2025年10月21日付ブログで紹介済)、元陸軍中尉(Lieutenant)のフィリップ・ロンバード(Philip Lombard → 2025年10月28日付ブログで紹介済)や信仰心の厚い老婦人のエミリー・キャロライン・ブレント(Emily Caroline Brent → 2025年10月29日付ブログで紹介済)とは異なるルートで、オークブリッジ駅(Oakbridge Station)へと向かっていた。
ジョン・ゴードン・マッカーサーが乗った列車は、丁度、デヴォン州(Devon)の州都であるエクセター(Exeter)の駅に入るところで、当該駅で乗り換える必要があった。
ジョン・ゴードン・マッカーサーは、オーウェン(Owen)なる人物に、デヴォン州海岸の沖合いの島である兵隊島(Solidier Island → 2025年10月19日付ブログで紹介済)へと招待されていた。
オーウェンなる人物によると、ジョン・ゴードン・マッカーサーの古い友人も招待されている、とのことだった。
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| 兵隊島は、 ジグソーパズル「「そして誰もいなくなった」の世界」の左下の角に置かれている。 <筆者撮影> | 
将軍には、このオーエンなる人物がいったい何者なのか、どうもはっきりしなかった。スプーフ・レガードの友達のようだし - それにジョニー・ダイアの友達でもあるらしい。
”- 閣下の古いご友人も、一人二人お見えになります - 昔話に花を咲かせられるのも、よろしいかと”
うむ、昔話をしたら、さぞかし楽しかろう。将軍はこの頃、周囲の人間が自分を避けているような気がしてならなかった。あの噂のせいにきまっておる! やれやれ、なんてしつこいんだ - もう三十年近く前のことではないか! アーミテッジのやつがしゃべったにちがいない。あの青二才め! いったいなにをつかんだのだろう。いや、よそう、こんなことをくよくよ気にしても始まらない。誰でも、ふとそんな気がすることがある - 変な目で見られているような、そんな気が -
それじゃともかくとして、この兵隊島は、将軍も自分の目で見たいと思っていた。噂が噂を呼んでいる島だ。海軍省か陸軍省、あるいは空軍が手に入れたという話は、噂ばかりとは言えないようだし…
エルマー・ロブソンという若いアメリカ人の富豪が、そこに邸宅を建てたのは事実だ。大金をかけたと聞いている。とほうもなく贅沢なものらしい…。
(青木 久惠訳)
ジグソーパズルの中段の一番左端に、愛する妻レスリー(Lesley)に思いを馳せるジョン・ゴードン・マッカーサーが、赤枠で囲まれている。また、直ぐ下には、兵隊島の先端に一人ポツンと座り、水平線をジッと見つめている彼の姿が見られる。
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| 兵隊島に建つ邸宅の一番左端には、 兵隊島の先端に一人ポツンと座り、水平線をジッと見つめている ゴードン・マッカーサーの姿が見られる。 <筆者撮影> | 
1930年代後半の8月のこと、英国デヴォン州の沖合いに浮かぶ兵隊島に、ヴェラ・エリザベス・クレイソーンを含め、年齢も職業も異なる8人の男女が招かれる。彼らを島で迎えた召使と料理人の夫婦は、エリック・ノーマン・オーウェン氏(Mr. Ulick Norman Owen)とユナ・ナンシー・オーウェン夫人に自分達は雇われていると招待客に告げる。しかし、彼らの招待主で、この島の所有者であるオーウェン夫妻は、いつまで待っても、姿を現さないままだった。
招待客が自分達の招待主や招待状の話をし始めると、皆の説明が全く噛み合なかった。その結果、招待状が虚偽のものであることが、彼らには判ってきた。招待客の不安がつのる中、晩餐会が始まるが、その最中、招待客8人と召使夫婦が過去に犯した罪を告発する謎の声が室内に響き渡る。
ジョン・ゴードン・マッカーサーは、戦地において、自分の部下で、妻レスリーの愛人だったアーサー・リッチモンド(Arthur Richmond)を故意に死地へ赴かせたと告発された。
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| 招待客が兵隊島に到着した日の晩餐会において、 謎の声(オーウェン氏)による告発により、招待客8人と召使夫婦が戦慄する場面 - HarperCollins Publishers 社から出ているアガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」の グラフィックノベル版(→ 2020年9月13日付ブログで紹介済)から抜粋。 | 
そして、物語が進み、童謡「10人の子供の兵隊(Ten Little Soldiers → 2025年6月26日付ブログで紹介済)」に準えて、エミリー・キャロライン・ブレントは、3番目の被害者となる。
Eight little soldier boys travelling in Devon; One said he’d stay and then there were Seven.
(8人の子供の兵隊さんが、デヴォン州を旅した。一人がそこに住むと言って、残りは7人になった。)
*被害者:ジョン・ゴードン・マッカーサー
*告発された罪状:戦地において、自分の部下で、妻レスリーの愛人だったアーサー・リッチモンドを故意に死地へ赴かせた。
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| ジョン・ゴードン・マッカーサーの死亡に伴い、 テーブルの上に置かれた兵隊の人形の数が8個から7個へと減っていた。- HarperCollins Publishers 社から出ている アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋。 | 
*被害者:ジョン・ゴードン・マッカーサー
*告発された罪状:戦地において、自分の部下で、妻レスリーの愛人だったアーサー・リッチモンドを故意に死地へ赴かせた。
*犯罪発生時期:1917年1月14日
*死因:鉛入りの護身用ステッキか何かによる後頭部殴打に基づく頭蓋骨折


 





















