英国海軍の500周年を記念して、 2019年に英国のロイヤルメールが発行した8種類の記念切手のうち、 まず最初に紹介するのは、 テューダー朝の第2代イングランド王であるヘンリー8世が、 イングランド王国の王立海軍を拡張すべく、 建造を命じた艦の一つである「メアリーローズ」。 なお、1511年というのは、 1510年に着工が始まったメアリーローズが進水式を迎えた年である。 |
テューダー朝(Tudors)の第2代イングランド王であるヘンリー8世(Henry VIII:1491年ー1547年 在位期間:1509年ー1547年)の下、1511年に進水したスコットランド艦である「グレートマイケル(Great Michael)」に対抗するべく、イングランド王国の王立海軍(Royal Navy)の拡張が行われ、大砲を主要な兵器とした大型のキャラック船 / グレートシップ(carrack / great ship)として、「アンリ・グラース・ア・デュー(Henri Grace a Dieu)<別名:グレートハリー(Great Harry)>」と「メアリーローズ(Mary Rose)」が建造された。なお、「グレートハリー」は、ヘンリー8世の旗艦として使用された。
ヘンリー8世が1547年に死去するまでの間に、イングランド王国の王立海軍は、58隻まで増強された。
英国のロイヤルメール(Royal Mail)は、2019年に、王立海軍こと英国海軍の500周年を記念して、8種類の記念切手が発行されたので、順番に紹介していきたい。
まず最初に紹介するのは、「メアリーローズ」である。
ヘンリー8世の命により、1510年1月、「メアリーローズ」の着工が始まり、1511年7月に進水した。最終的に、完成を迎えたのは、1512年である。
「メアリーローズ」は、当時の帆船としてはかなり大きく、全長32m、排水量約600tで、78門の大砲を備えていた。
ヘンリー8世の妹で、後にフランス国王ルイ12世の王妃となる「メアリー・テューダー(Mary Tudor:1496年ー1533年)」とテューダー朝の紋章である「薔薇」に因んで、「メアリーローズ」と命名された。
「メアリーローズ」は、フランスとの戦い(First French War:1512年 / Second French War:1521年ー1526年 / Third French War:1542年ー1546年)に参戦して、その大砲の威力を示すこととなった。
「メアリーローズ」は、1536年の改装を経て、艦載砲の数は78門から91門へと増やされ、排水量も約700tへと増加した。
「メアリーローズ」は、1545年のソレントの海戦(Battle of Solent)において、イングランド艦隊の旗艦となり、フランス艦隊と戦ったが、戦闘の最中、炎上して、強度を失った船体は、ワイト島(Isle of Wight)北のソレント海峡(Solent Strait)に沈没し、最期を迎えた。
「メアリーローズ」の残骸は、1971年に発見された後、1982年11月に引き上げられ、現在は、ポーツマス(Portsmouth → 2016年9月17日付ブログで紹介済)にある「メアリーローズ博物館(Mary Rose Museum - メアリーローズトラスト(Mary Rose Trust)が運営する博物館)」内に保存されている。
0 件のコメント:
コメントを投稿