米国のペンシルヴェニア州(Pennsylvania)に出生して、英国人のクラリス・クルーヴス(Clarice Cleaves)との結婚後、1932年から1946年にかけて英国のブリストル(Bristol)に居を構えていた米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が1935年に発表した長編で、ギディオン・フェル博士(Dr. Gideon Fell)が登場するシリーズ第6作目に該る「三つの棺(The Three Coffins 英題: The Hollow Man→2020年5月3日 / 5月16日 / 5月23日 / 6月13日 / 6月20日付ブログで紹介済)」では、2月9日(土)の午後10時10分頃、シャルル・ヴェルネ・グリモー教授(Professor Charles Vernet Grimaud)邸の最上階(3階)にある書斎内において、教授が拳銃で胸を撃たれて、瀕死の状態で倒れているのが発見される。書斎は密室状態で、教授と一緒に書斎内に居た仮面を付けた謎の男の姿は、完全に消え失せていた。また、グリモー邸の周囲には、午後9時半頃に降り止んだ雪が積もっていたが、雪の上には、謎の男が逃げた足跡は、全くなかったのである。
最上階の書斎内でシャルル・グリモー教授が瀕死の状態で見つかったグリモー邸は、一体、どこに所在しているのか?
ジョン・ディクスン・カーの原作によると、「He (=シャルル・グリモー教授) lived, in fact, just round the corner at a solid old house on the west side of Russell Square.」という記述があるので、グリモー邸は、大英博物館(British Museum→2014年5月26日付ブログで紹介済)が所在するロンドンのブルームズベリー地区(Bloomsbury)内にあるラッセルスクエア(Russell Square)の西側に建っていることが、まず判る。
ストランド通り沿いに所在する ローストビーフが有名なシンプソンズ(Simpson's) (→サー・アーサー・コナン・ドイル作 シャーロック・ホームズシリーズの 「瀕死の探偵(The Dying Detectice)」(1913年)や 「高名な依頼人(The Illustrious Cilent)」(1924年)に登場) |
テッド・ランポール(Ted Rampole)経由、彼の友人で、新聞記者のボイド・マンガン(Boyd Mangan)の話を聞いて、何か事件が起きるのではないかと予感したギディオン・フェル博士は、その場に居合わせたテッド・ランポールとスコットランドヤード犯罪捜査課(CID)のハドリー警視(Superintendent Hardley)を伴って、ハドリー警視の車で、グリモー邸へと向かった。
ストランド通り近くに建つライシアム劇場(Lyceum Theartre) (→サー・アーサー・コナン・ドイル作 シャーロック・ホームズシリーズの 「四つの署名(The Sign of the Four)」(1890年)に登場) |
ジョン・ディクスン・カーの原作によると、ギディオン・フェル博士達が乗ったハドリー警視の車は、ギディオン・フェル博士邸があるアデルフィテラス1番地(1 Adelphi Terrace→2018年11月25日付ブログで紹介済)を出発し、
ストランド通りの中州に建つ セントメアリー・ル・ストランド教会(St. Mary le Strand) |
(1)ストランド通り(Strand→2015年3月29日付ブログで紹介済)
(2)オルドウィッチ通り(Aldwych)
(3)キングスウェイ(Kingsway)
(4)サザンプトンロウ(Southampton Row)
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