科学の進歩が人間に与える影響について考察した「予想(Anticipation of the Reactions of Mechanical and Scientific Progress upon Human Life and Thoughts)」(1901年)等の発表が転機となって、英国の作家であるハーバート・ジョージ・ウェルズ(Herbert George Wells:1866年ー1946年)の作品は、空想科学小説から文明批評色が強い小説や風俗小説へと次第にシフトしていく。
また、アイルランド出身で、文学者、脚本家、劇作家、評論家、政治家、教育家やジャーナリストと非常に多彩な顔を持つジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw:1856年ー1950年)の紹介で、1902年にH・G・ウェルズはフェビアン協会(Fabian Societyー1884年にロンドンで創設された社会主義知識人による運動)に参加して、社会主義へと傾倒していく。
第一次世界大戦(1914年ー1918年)前に、H・G・ウェルズは、原子力兵器(原子爆弾)と核戦争の到来を予見した「解放された世界(The World Set Free)」(1914年)を発表。
第一次世界大戦後、彼は「国際連盟の思想(The idea of a League of Nations)」(1919年)や「国際連盟への道(The Way to the League of Nations)」(1919年)を共著し、国際連盟の樹立を提唱して、戦争を根絶しようと努めた。更に、「新世界秩序(The New World Order)」(1939年)において、彼は全ての国家に対して、人権の遵守と軍備の非合法化による戦争根絶等を訴えた。
ホワイトホールプレイス(Whitehall Place)と ホワイトホールコートが交わる角に建つ Old War Office Building |
Old War Office Building の足下に置かれている戦没者慰霊碑 |
また、彼は、宇宙の誕生から人類の誕生までを記した歴史書「世界史大系(The Outline of History)」(1920年)を発表し、小説家や社会活動家に加えて、歴史家としても名を成している。
一方で、既婚者でありながら、彼は数多くの女性(著名人)遍歴でも知られており、非難を受けたりしている。
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