2020年2月10日月曜日

ハーバート・ジョージ・ウェルズ(Herbert George Wells)–その1

ハーバート・ジョージ・ウェルズが発表した SF 小説の作品群
(「タイムマシーン」、「モロー博士の島」、「月世界旅行」や「透明人間」等)

英国のファンタジー作家、映画批評家で、かつ、ジャーナリストでもあるキム・ニューマン(Kim Newman:1959年ー)が執筆した「Professor Moriarty : The Hound of the D’Ubervilles(モリアーティー教授:ダーバヴィル家の犬)」(2011年)の日本語訳版である「モリアーティ秘録」(2018年に東京創元社刊)の上巻に収録されている「第3章:赤い惑星連盟(The Red Planet League)」の元ネタとなった「宇宙戦争(The War of the Worlds)」を執筆したのは、英国の作家ハーバート・ジョージ・ウェルズ(Herbert George Wells:1866年ー1946年)である。彼の場合、日本において、フルネームではなく、H・G・ウェルズと表記されることが多い。

ハーバート・ジョージ・ウェルズが学んだ科学師範学校
(現在のインペリアル・カレッジ・ロンドン)

ハーバート・ジョージ・ウェルズは、1866年にケント州(Kent)のブロムリー(Bromley→現在のブロムリー・ロンドン自治区(London Borough of Bromley))内の商人の家に生まれた。
彼は奨学金を得て、サウスケンジントン(South Kensington)の科学師範学校(National School of Science→現在のインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College of London))に入学し、生物学を学んだ。また、彼は学生誌「サイエンス スクール ジャーナル(Science School Journal)」に寄稿したりして、将来「SF(空想科学小説)の父」と呼ばれるようになる基礎を同学校に置いて築いたのである。


インペリアル・カレッジ・ロンドンの最新校舎

科学師範学校を卒業した後、彼は当初教員を目指すものの、教育界が非常に保守的な体質であること、また、当時肺を患っていたこと等が原因で、教員への道が閉ざされたため、ジャーナリストとなり、文筆活動へと進むことになった。そして、彼は1890年代から1900年代にかけて、

(1)「タイムマシーン(The Time Machine)」(1896年)
(2)「モロー博士の島(The Island of Dr. Moreau)」(1896年)
(3)「透明人間(The Invisible Man)」(1897年)
(4)「宇宙戦争」(1898年)
(5)「月世界旅行(The First Man in the Moon)」(1901年)

等、科学師範学校時代に得た科学知識に裏打ちされた SF 小説を次々と発表して、成功を納めた。これらの作品群は、現在においても、非常に有名なものばかりで、今も映像化されたりして、後世に大きな影響を与えている。

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