シャーロック・ホームズ生還100周年記念切手「最後の事件」が添付された絵葉書 |
3番目に紹介するシャーロック・ホームズ生還100周年記念切手は、「最後の事件(The Final Problem)」である。「最後の事件」は、56あるホームズシリーズの短編のうち、サー・アーサー・コナン・ドイルが24番目に発表した作品で、英国では「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1893年12月号に、また、米国では「マクルーアマガジン」の1893年12月号に掲載された。その後、同作品は、同年に出版された第2短編集となる「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」に収録されている。
「最後の事件(The Final Problem)」の冒頭、ベーカーストリート221Bを突然訪れた犯罪界のナポレオンと呼ばれるジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)に、自分から手を引くように告げられたシャーロック・ホームズは、これをキッパリと断る。そのため、ホームズはモリアーティー教授配下の者に命を狙われることになった。
1891年4月24日の昼間、オックスフォードストリート(Oxford Street)へ出かけたホームズであったが、最初は、ベンティンクストリート(Bentinck Street→2015年5月16日付ブログで紹介済)とウェルベックストリート(Welbeck Street→2015年5月16日付ブログで紹介済)の角で、突然暴走して来た二頭立て馬車に危うく轢き殺されそうになった。二度目は、ヴェアストリート(Vere Street→2015年5月23日付ブログで紹介済)を歩いていると、ある家の屋根からレンガが落ちてきて、ホームズの足下で粉々に砕け散ったのであった。
スコットランドヤードがモリアーティー教授を含めた一味を一網打尽するまでの間、ホームズはジョン・ワトスンと一緒に欧州大陸へと身を隠すことにした。彼らはヴィクトリア駅(Victoria Station→2015年6月13日付ブログで紹介済)から欧州大陸へ向かう計画をたてた。翌朝、ワトスンはホームズの指示に従って、行動を開始する。
シャーロック・ホームズ生還100周年記念切手 「最後の事件」のアップ写真 |
記念切手には、ホームズが、モリアーティー教授と一緒に、スイスのマイリンゲン(Meiringen)にあるライヘンバッハの滝壺(Reichenbach Falls)へと転落する直前のシーンが描かれている。
1927年6月、「ストランドマガジン」に発表した自選12編の中で、コナン・ドイルは「最後の事件」を第4位にランク付けしている。
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