2014年6月14日土曜日

ロンドン セントバーソロミュー病院(St. Bartholomew's Hospital)

建物の外壁に刻まれた「セントバーソロミュー病院」の文字

ロンドンの金融街シティー・オブ・ロンドン(City of London)の一角、セントポール大聖堂(St. Paul's Cathedral)の北側に、セントバーソロミュー病院(St. Bartholomew's Hospital)がある。最寄駅は地下鉄のファリンドン駅(Farrington Tube Station)、バービカン駅(Barbican Tube Station)とセントポールズ駅(St. Paul's Tube Station)の3駅で、これらの3駅が形成する三角形のちょうど真ん中辺りに位置している。セントバーソロミュー病院は、1123年に創立されたロンドンでは最古の病院であり、サー・アーサー・コナン・ドイルの「緋色の研究」では、「バーツ(Barts)」(バーソロミューズを縮めて)という通称で呼ばれている。血液循環の原理を発見したハーヴィ等が当病院の出身である。

ヘンリー8世門 (Henry VIII Gate)

サー・アーサー・コナン・ドイルの「緋色の研究(A Study in Scarlet)」によると、第二次アフガニスタン戦争に医師として従軍し、負傷して英国に帰国したジョン・ワトスンは、ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)のクライテリオンバー(Criterion Bar)で、スタンフォード青年に再会する。彼は、ワトスンがセントバーソロミュー病院に勤務していた際、外科手術助手を務めていた。スタンフォード青年から「シャーロック・ホームズという病院の化学実験室で働いている人物が、ルームシェアの相手を探している。」という話を聞いたワトスンは、彼と一緒に病院に出向き、ホームズに会うことにする。

セントバーソロミュー病院の敷地内にある噴水

そして、病院の化学実験室には、ヘモグロビンのみに反応する試薬を発見して喜んでいるホームズが居た。スタンフォード青年からワトスンを紹介されたホームズはワトスンに対して、早速あの有名なセリフ「最近、アフガニスタンに行っていましたね。(You have been in Afghanistan, I perceive.)」を口にする。このホームズとワトスンの出会いを記念するプレートが、上記のセリフとともに病院内の壁に飾られているとのこと。この出会いを通じて、ホームズとワトスンはベーカー街221Bで共同生活を始め、数々の難事件を解決していくのである。ホームズとワトスンの第一歩は、ここセントバーソロミュー病院で始まったと言える。

セントバーソロミュー病院側からスミスフィールドマーケットを望む

セントバーソロミュー病院の正面には円形の広場があり、その反対側には広大なスミスフィールドマーケット(Smithfield Market)が建っていて、早朝は肉屋業者で賑わっている。一般オフィスへの通勤者等が行き交う午前8時頃には、既に取引は終わり、肉屋業者が後片付けに忙しくしている。このミートマーケットは140年以上の歴史があるそうだが、ドイルのホームズ作品中では、このマーケットについての描写は出てこない。

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