2021年9月18日土曜日

コナン・ドイル作「サセックスの吸血鬼」<日本 TV ドラマ版>(The Sussex Vampire by Conan Doyle

ストランドマガジン」の1924年1月号 に掲載された
コナン・ドイル作「サセックスの吸血鬼」の挿絵(その4)
<ハワード・ケッピー・エルコック(Howard Keppie Elcock:1886年 - 1952年)によるイラスト> -
シャーロック・ホームズがロバート・ファーガスンに依頼して、
後妻のファーガスン夫人が血を吸っていたとされる赤ん坊を連れてきてもらう場面が描かれている。
画面右手前の人物がホームズ、
画面中央左手の人物がロバート・ファーガスンで、
画面中央右手の人物がジャック・ファーガスン。
そして、画面左手奥の人物が乳母のメースン夫人。


サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「サセックスの吸血鬼(The Sussex Vampire)」は、ホームズシリーズの56ある短編小説のうち、48番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1924年1月号に、また、米国でも、「ハーツ インターナショナル(Heart’s International)」の1924年1月号に掲載された。そして、ホームズシリーズの第5短編集である「シャーロック・ホームズの事件簿(The Casebook of Sherlock Holmes)」(1927年)に収録された。


本作品は、Hulu と HBO アジアが国際共同制作した「ミス・シャーロック(Miss Sherlock)」においても、TV ドラマとして映像化された。

「ミス・シャーロック」は、「名探偵シャーロック・ホームズと彼の相棒であるジョン・H・ワトスンの二人が、現代の東京に居て、その上、二人とも日本人女性だったら」という新解釈の下に制作されたミステリードラマで、ホームズとワトスンの二人ともを女性が演じる世界初の映像作品となった。

「ミス・シャーロック」は、Hulu により、2018年4月27日から同年6月15日にかけて、毎週金曜日に全8話が配信されて、「サセックスの吸血鬼」は、エピソード4に該る「武蔵野ヶ丘のヴァンパイア」として、2018年5月18日に配信された。



主な配役は、以下の通り。


(1)シャーロック → 竹内 結子

   英国生まれの日本人で、帰国子女。

   「捜査コンサルタント」として、警察の捜査に協力している犯罪心理学の専門家。

   コナン・ドイル原作の「シャーロック・ホームズ」に相当。

 

(2)橘 和都(たちばな わと) → 貫地谷 しほり

   シリア派遣から帰国したボランティア医師団の一人で、元外科医。

   コナン・ドイル原作の「ジョン・H・ワトスン」に相当。


(3)若杉 涼太 → 髙橋 努

   シャーロックに対して、再婚した「さくら」のことを相談した人物で、橘 和都の知り合い。

   コナン・ドイル原作の「ロバート・ファーガスン(Robert Ferguson:紅茶仲買商)」に相当。

 

(4)若杉 さくら → 安達 祐実

   若杉 涼太の後妻で、「若葉」の母親。園芸店に勤務。ある日、若葉の腕に噛み付いて、血を吸っている現場を見られてしまい、蝙蝠(コウモリ)が取り憑いていると疑われている。

   コナン・ドイル原作の「ファーガスン夫人(Mrs. Ferguson:ロバート・ファーガスンの後妻)」に相当。


(5)若杉 大輝(だいき) → 伊藤 駿太

   若杉 涼太の長男で、先妻の子供。ヒーロー「オルファム」の熱烈なファン。

   コナン・ドイル原作の「ジャック・ファーガスン(Jack Ferguson:ロバート・ファーガスンの長男で、先妻の子供)」に相当。


(6)若杉 若葉(わかば) → 飯塚 秋羽 / 後藤 涼音

   若杉 涼太と若杉 さくらの子供(長女)。

     コナン・ドイル原作の「赤ん坊(baby:ロバート・ファーガスンと彼の後妻の間に生まれた子供)」に相当。


(7)若杉 静枝 → 朝加 真由美

   若杉 涼太の母親で、さくらにとっては、義理の母親。

   コナン・ドイル原作の「ドロレス(Dolores:カルロッタ・ファーガスン付きのメイド)」、あるいは、「 → メースン夫人(Mrs. Mason:ロバート・ファーガスンと彼の後妻の間に生まれた子供の乳母)」に相当するものと思われる。



日本 TV ドラマ版の人物設定やストーリーは、概ね、コナン・ドイルによる原作をベースにしているが、コナン・ドイルの原作とは異なり、原作上の犯人に該る人物は、若杉 さくらに非常な怨みを抱いているある人物によって、うまい具合に操られているというもう一捻りが加えられている。


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