2018年12月1日土曜日

ロンドン ラウンドポンドプレイス13番地(13 Round Pond Place)


米国のペンシルヴェニア州(Pennsylvania)に出生して、英国人のクラリス・クルーヴス(Clarice Cleaves)との結婚後、1932年から1946年にかけて英国のブリストル(Bristol)に居を構えていた米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が1939年に発表した推理小説で、ギディオン・フェル博士(Dr. Gideon Fell)シリーズの長編第11作目に該る「テニスコートの殺人」(The Problem of the Wire Cage→2018年8月12日 / 8月19日付ブログで紹介済)において、フランク・ドランス(Frank Dorrance)の絞殺死体が発見されたテニスコートがあるニコラス・ヤング邸は、ロンドン北西部郊外の高級住宅街ハムステッド地区(Hampstead→2018年8月26日付ブログで紹介済)内にあるという設定になっている。


同作品で探偵役を務めるギディオン・フェル博士は、校長、ジャーナリストや歴史家を経て、現在は引退している。「テニスコートの殺人」上、明記はされていないが、ギディオン・フェル博士は、ハムステッド地区内のラウンドポンドプレイス13番地(13 Round Pond Place)に住んでいる設定になっている。



ジョン・ディクスン・カーが1934年に発表した推理小説で、ギディオン・フェル博士シリーズの長編第4作目に該る「盲目の理髪師(The Blind Barber→2018年11月17日 / 11月24日付ブログで紹介済)」において、ギディオン・フェル博士は、テムズ河(River Thames)に近いアデルフィテラス1番地(1 Adelphi Terrace→2018年11月25日付ブログで紹介済)に住んでいるという設定になっていたので、「盲目の理髪師」事件以降、「テニスコートの殺人」事件までの間に、ギディオン・フェル博士は、アデルフィテラス1番地からラウンドポンドプレイス13番地へと引っ越したことになる。



ハムステッド地区は、ロンドンの中心部の一つであるロンドン・カムデン区(London Borough of Camden)内にある地区で、ロンドン郊外の北西部に位置している。広大な公園のハムステッドヒース(Hampstead Heath→2015年4月25日付ブログで紹介済)とハムステッドハイストリート(Hampstead High Street)を中心とした緑が非常に多い場所である。また、古くから文化人が多く住んでいて、現在は高級住宅街の一つとして知られている。


なお。ギディオン・フェル博士が住んでいるという設定になっているラウンドポンドプレイス13番地については、現在の住所表記上、ハムステッド地区内やロンドン・カムデン区内を問わず、ロンドン市内には存在しておらず、残念ながら、作者であるジョン・ディクスン・カーが創造した架空の住所である。

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