2017年9月17日日曜日

ロンドン ワンズワースロード(Wandsworth Road)

画面手前の道路が、ロンドン・ワンズワース区方面へと向かうワンズワースロードで、
画面奥の道路が、ヴォクスホール橋へと向かうワンズワースロード

サー・アーサー・コナン・ドイル作「四つの署名(The Sign of the Four)」(1890年)では、若い女性メアリー・モースタン(Mary Morstan)がベーカーストリート221Bのシャーロック・ホームズの元を訪れて、風変わりな事件の調査依頼をする。


元英国陸軍インド派遣軍の大尉だった彼女の父親アーサー・モースタン(Captain Arthur Morstan)は、インドから英国に戻った10年前に、謎の失踪を遂げていた。彼はロンドンのランガムホテル(Langham Hotel→2014年7月6日付ブログで紹介済)に滞在していたが、娘のモースタン嬢が彼を訪ねると、身の回り品や荷物等を残したまま、姿を消しており、その後の消息が判らなかった。そして、6年前から年に1回、「未知の友」を名乗る正体不明の人物から彼女宛に大粒の真珠が送られてくるようになり、今回、その人物から面会を求める手紙が届いたのである。
彼女の依頼に応じて、ホームズとジョン・H・ワトスンの二人は彼女に同行して、待ち合わせ場所のライシアム劇場(Lyceum Theatreー2014年7月12日付ブログで紹介済)へ向かった。そして、ホームズ達一行は、そこで正体不明の人物によって手配された馬車に乗り込むのであった。

ヴォクスホール橋側から
ロンドン・ワンズワース区方面へと向かう(その1)

最初は、私達が乗った馬車がどの方面へ向かっているのか、私もある程度判っていたが、馬車の速度、霧やロンドンの地理に不案内であることから、直ぐに私は方向を見失ってしまい、非常に長い距離を進んでいるようだということを除くと、全く何も判らなくなった。一方、シャーロック・ホームズは決して方向を見失っておらず、私達が乗った馬車が広場を走り抜け、曲がりくねった通りを出たり入ったりする度、彼は通りの名前を呟いたのである。
「ロチェスターロウだ。」と、彼は言った。「次は、ヴィンセントスクエアだ。ちょうど今、ヴォクスホールブリッジロードに出たな。見たところ、僕達はサリー州方面へ向かっているようだ。そうだ。そうだと思ったよ。今、ヴォクスホール橋を渡っている。少しばかり、テムズ河の川面が見えるぞ。」. . .

「ワンズワースロードだ。」と、ホームズはいった。「プライオリーロード、ラークホールレーン、ストックウェルプレイス、ロバートストリート、コールドハーバーレーン。どうやら、僕達は上流階級が住む地域へ向かっている訳ではなさそうだな。」

ヴォクスホール橋側から
ロンドン・ワンズワース区方面へと向かう(その2)

At first I had some idea as to the direction in which we were driving; but soon, what with our pace, the fog, and my own limited knowledge of London, I lost my bearings, and knew nothing, save that we seemed to be going a very long way. Sherlock Holmes never at fault, however, and he muttered the names as the cab rattled through squares and in and out by tortuous by-streets.
‘Rochester Row,’ said he. ‘Now Vincent Square. Now we come out on the Vauxhall Bridge Road. We are making for the Surrey side, apparently. Yes. I thought so. Now we are on the bridge. You can catch glimpses of the river.’ . . .

‘Wandsworth Road,’ said my companion. ‘Priory Road. Larkhall Lane. Stockwell Place. Robert Street. Coldharbour Lane. Our quest does not appear to take us to very fashionable regions.’

ヴォクスホール橋側から
ロンドン・ワンズワース区方面へと向かう(その3)

ホームズ、ワトスンとモースタン嬢の三人を乗せた馬車がヴォクスホール橋(Vauxhall Bridgeー2017年9月16日付ブログで紹介済)を渡った後に通ったワンズワースロード(Wandsworth Road)は、テムズ河(River Thames)の南岸にあるロンドン・ランベス区(London Borugh of Lambeth)のヴォクスホール地区(Vauxhall)内に所在している。

ロンドン・ワンズワース区側から
ヴォクスホール橋方面へと向かう(その1)

ワンズワースロードは、ヴォクスホール駅(Vauxhall Station)、地下鉄ヴォクスホール駅(Vauxhall Tube Station)やバスターミナル等を囲む環状道路 / ロータリー(roundabout)から始まり、ロンドン・ワンズワース区(London Borough of Wandsworth)のクラッパム地区(Clapham)へ向かって、南西へ延びる長い通りである。

ロンドン・ワンズワース区側から
ヴォクスホール橋方面へと向かう(その2)

ワンズワースロードを南西へ向かって進んで行くと、進行方向左手にラークホールパーク(Larkhall Park)やワンズワースロード駅(Wandsworth Road Station)等が所在している。

ロンドン・ワンズワース区側から
ヴォクスホール橋方面へと向かう(その3)

バタシーパーク駅(Battersea Park Station)やクィーンズタウンロード(バタシー)駅(Queenstown Road (Battersea) Station)から南へ下ってくるクィーンズタウンロード(Queenstown Road)と交差した後、ワンズワースロードは、ラヴェンダーヒル通り(Lavender Hill)と名前を変える。

ロンドン・ワンズワース区側から
ヴォクスホール橋方面へと向かう(その4)

ホームズ、ワトスンとモースタン嬢の三人を乗せた馬車がワンズワースロードの次に通ったプライオリーロード(Priory Road)は、現在の住所表記上、この辺りには存在していないので、架空の通りである。

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