オックスフォード・ブルックス大学(Oxford Brookes University)正面入口 |
サー・アーサー・コナン・ドイル作「三人の学生(The Three Students)」は、次のようにして始まる。
オックスフォード・ブルックス大学内にある キャンティーンの天井装飾 |
1895年、私がここでは言及する必要がないいくつかの事件の関係で、シャーロック・ホームズと私は有名な大学の街の一つで数週間を過ごすことになった。私がこれから述べようとしている小さいが、考えさせられる事件が起きたのは、正にそんな時だった。読者が大学寮や犯人を性格に特定できるような詳細をここに述べることは思慮に欠ける上に、礼に失することは明白である。私としては、この事件をここに述べるのは非常に心苦しいので、この事件は記録されないまま、消え去ってしまう方が良いのかもしれない。しかしながら、この事件は私の友人が持つ非凡な特性を例証するのに役立つため、しかるべき配慮をすれば、この事件自体をここに書き記すことができるかもしれない。事件が起きた場所が特定できたり、あるいは、事件の関係者へと辿り着けるような手掛かりとなる言葉を避けて、私はこの事件をここに述べるべく、努力してみるつもりだ。
オックスフォード・ブルックス大学内のキャンパス(その1) |
オックスフォード・ブルックス大学内のキャンパス(その2) |
It was in the year 1895 that a combination of events, into which I need not enter, caused Mr Sherlock Holmes and myself to spend some weeks in one of our great university towns, and it was during this time that the small but instructive adventure which I am about to relate befell us. It will be obvious that any details which would help the reader to exactly identify the college or the criminal would be injudicious and offensive. So painful a scandal may well be allowed to die out. with due discretion the incident itself may, however, be described, since it serves to illustrate some of those qualities for which my friend was remarkable. I will endeavour in my statement to avoid such terms as would serve to limit the events to any particular place, or give a clue as to the people concerned.
オックスフォード・ブルックス大学から オックスフォード市内へ向かう道路 |
コナン・ドイルの原作上、シャーロック・ホームズとジョン・ワトスンが数週間滞在した大学の街がどこなのかについては、明確になっていない。この大学がオックスフォード大学なのか、それとも、ケンブリッジ大学なのか、説が別れているが、個人的な意見で言うと、雰囲気的には、オックスフォード大学ではないかと推測される。
トリニティーカレッジ(Trinity College)の構内(その1) |
トリニティーカレッジの構内(その2) |
トリニティーカレッジの構内(その3) |
オックスフォード大学(University of Oxford)は、英国のオックスフォード市(Oxford)に所在する総合大学である。
1167年、イングランド王国の国王ヘンリー2世(Henry II:1133年ー1189年 在位期間:1154年ー1189年)により、英国の学生がパリ大学で学ぶことが禁じられたことを契機として、学生がオックスフォードに集まり、パリから移住してきた学生と一緒に、大学の礎が築かれたと言われており、現存する大学の中では世界で3番目に古く、英語圏では最古の大学となっている。
パークスロード(Parks Road)から見た ベリオールカレッジ(Balliol College) |
ブロードストリート(Broad Street)沿いに建つ シェルドリアン劇場(Sheldonian Theatre) |
オックスフォード大学は英国伝統のカレッジ(=大学寮)制を特徴とする大学で、中央機関として、学部、図書館や科学施設に加えて、クライストチャーチ(Christ Church)、モードリンカレッジ(Magdalen College)やマンスフィールドカレッジ(Mansfield College)等をはじめとする39のカレッジと7つのホール(=寮)で構成されている。
ホームズとワトスンが滞在していた雰囲気がある街並み |
オックスフォード大学は、世界中の、特に、英国の政治指導者を多数輩出しており、デイヴィッド・ウィリアム・ドナルド・キャメロン現首相<第75代/保守党>(David William Donald Cameron 1966年ー 首相在任:2010年ー)、アンソニー(トニー)・チャールズ・リントン・ブレア元首相<第73代/労働党>(Anthony Charles Lynton Blair:1953年ー 首相在任:1997年ー2007年)やマーガレット・ヒルダ・サッチャー元首相<第71代/保守党>(Margaret Hilda Thatcher:1925年ー2013年 首相在任:1979年ー1990年)等、26人の英国首相がオックスフォード大学の出身である。
ニューカレッジレーン(New College Lane)にある 「ため息の橋(The Bridge of Sighs)」 |
また、皇太子徳仁親王、皇太子妃雅子様や秋篠宮文仁親王等、日本の皇族の留学先としても、オックスフォード大学は知られている。そのため、オックスフォード大学は日本の多くの大学と連携して、留学生の受け入れを行っている。
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