本作品は、サー・アーサー・コナン・ドイルによるシャーロック・ホームズ作品の第57作目で、56ある短編小説のうちでは、53番目に発表された。探偵業から引退したホームズの一人称で書かれている二作のうちの一つで、もう一つは「白面の兵士」(The Blanched Soldier)である。
この物語で、ホームズは、マクファースン青年が残した「ライオンのたてがみ」というダイイングメッセージを頼りに事件を追って行くのだが、これは実は「サイアネアクラゲ」と呼ばれるクラゲの通称(Lion's Mane Jellyfish)で、学名は「サイアネア・カピラータ」(Cyanea cpillata)、英国の西岸から南西部や南部の海岸で見ることができるそうである。ホームズが引退後に暮らしていたのは英国南部のサセックスなので、このクラゲの生息地である。
プラットフォームの絵は、場面描写として物語の雰囲気をとてもよく伝えている。しかしながら、個人的には、他に有名な事件が多過ぎて、この物語は正直あまり印象に残っていない。という訳で、なぜ7つの壁画の絵の一つに選ばれたのかが少々疑問である。