英国の Titan Books 社から2009年に出版されている デイヴィッド・ステュアート・デイヴィーズ作 「シャーロック・ホームズの更なる冒険 / 欺かれた探偵」の表紙 - なお、本作品自体が執筆されたのは、2004年。 |
物語は、1880年6月27日、満月が空を照らす暖かい夜、アフガニスタンで始まる。
第二次アフガニスタン戦争に軍医として従軍していたジョン・ウォーカー(John Walker)は、自分の無力感に苛まれ、戦線において泥酔していた。それを見咎めた上官(Captain Alistair Thornton)に、彼は除隊を言い渡された。
一方、同年10月4日、ロンドンにおいて、若きシャーロック・ホームズは、諮問探偵として、スコットランドヤードのジャイルズ・レストレード警部(Inspector Giles Lestrade)に協力し、犯罪界のナポレオンと呼ばれるジェイムズ・モリアーティー教授(Professor James Moriarty)による事件を未然に防いだ。右腕であるセバスチャン・モラン大佐(Colonel Sebastian Moran)から報告を受けたモリアーティー教授は、ホームズの類いまれな素質に注目し、自分の味方に引き入れるべく、ある一計を巡らすのであった。
除隊を言い渡されたジョン・ウォーカーは、1881年1月、兵員輸送船オロンティーズ号(Orontes)に乗り、インドから英国へと出航。英国到着前に、彼は、モリアーティー教授の手下であるアレキサンダー・リード元大尉(Retired Captain Alexander Reed)から接触を受け、モリアーティー教授に引き会わされる。
一方、当時、大英博物館(British Museum → 2014年5月26日付ブログで紹介済)近くのモンタギューストリート(Montague Street → 2014年5月25日付ブログで紹介済)に一室を借りていたホームズは、モリアーティー教授の差し金により、家主(Ambrose Jones)から追い出しをくらい、新たな下宿先を探し始めていた。
3月のある日、カード博打でお金を擦ってしまったセントバーソロミュー病院(St.
Bartholomew’s Hospital → 2014年6月14日付ブログで紹介済)の外科医ヘンリー・スタンフォード(Henry Stamford)は、次の給料日までの金策に困っていた。モリアーティー教授の手下に付け込まれたスタンフォードは、ホームズに対して、新たな下宿先として、ベーカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)を紹介する。ベーカーストリート221Bを下見した帰りに、ホームズとスタンフォードの二人がピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)にあるクライテリオンバー(Criterion Bar → 2014年6月8日付ブログで紹介済)に立ち寄ると、モリアーティー教授の指示を受けて、スタンフォードの旧友でもあるジョン・ウォーカーが、ホームズの前に、姿を見せる。ー ただし、ジョン・ウォーカーではなく、ジョン・ワトスン(John Watson)として。
こうして、ホームズとジョン・ワトスンと名前を変えたジョン・ウォーカーは、ベーカーストリート221Bにおいて、一緒に下宿生活を始め、かの有名な「緋色の研究(A Study in Scarlet → 2016年7月30日付ブログで紹介済)」事件に関わるようになる。
ワトスンは、モリアーティー教授の命を受けて、ホームズをスパイするが、一方で、そんな行為に対する良心の呵責に苛まれるのであった。
果たして、ワトスンは、最終的に、どういう判断を下すのか?
このように、ホームズファンにとって、衝撃の話が展開する。
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