2018年8月26日日曜日

ロンドン ハムステッド地区(Hampstead)

アークライトロード(Arkwroght Road)沿いの家並み

米国のペンシルヴェニア州(Pennsylvania)に出生して、英国人のクラリス・クルーヴス(Clarice Cleaves)との結婚後、1932年から1946年にかけて英国のブリストル(Bristol)に居を構えていた米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が1939年に発表した推理小説で、ギディオン・フェル博士(Dr. Gideon Fell)シリーズの長編第11作目に該る「テニスコートの殺人」(The Problem of the Wire Cage→2018年8月12日 / 8月19日付ブログで紹介済)において、フランク・ドランス(Frank Dorrance)の絞殺死体が発見されたテニスコートがあるニコラス・ヤング邸は、ロンドン北西部郊外のハムステッド地区(Hampstead)内にあるという設定になっている。ニコラス・ヤング邸の二階の窓からハムステッドヒース(Hampstead Heath→2015年4月25日付ブログで紹介済)が見えるという描写がされているが、ニコラス・ヤング邸がどこに建っているのかについて、具体的な記述はなく、明確にはされていない。

フィッツジョンズアベニュー(Fitzjohn's Avenue)と
ハムステッドハイストリートを結ぶ小道(その1)
フィッツジョンズアベニュー(Fitzjohn's Avenue)と
ハムステッドハイストリートを結ぶ小道(その2)

ハムステッド地区は、ロンドンの中心部ロンドン・カムデン区(London Borough of Camden)内にある地区で、広大な公園のハムステッドヒースとハムステッドハイストリート(Hampstead High Street)を中心とした緑が非常に多い場所である。また、古くから文化人が多く住んでいて、現在は高級住宅街の一つとして知られている。

ヒースストリート(Heath Street)沿いにある
画廊の店頭の窓には、シャガールの絵が展示されている
ヒースストリート沿いにある
画廊の入口前に設置されているオブジェ

ハムステッドの語源は、古語に該るアングロ・サクソン語の「ham-stead」で、「敷地」を意味している。
ハムステッド地区は、17世紀末から18世紀にかけて、鉱泉で有名になり、スパができ、訪問客で賑わった。

ヒースストリートから東側に入った路地沿いに
建つ住宅

1860年代に鉄道が敷設されると、1870年代から1880年代にかけて、今も残っている豪華な家屋が次々と建てられ、1907年には地下鉄ハムステッド駅(Hampstead Tube Station)がオープンした。

ヒースストリートとウェストヒースロード(West Heath Road)に
囲まれた敷地内にある池
ヒースストリートから見たハムステッドヒース

ハムステッド地区には、現在、以下のような博物館や歴史的建造物等が保存されており、今も多くの観光客を集めている。
(1)フロイト博物館(Freud Museum)
(2)キーツハウス博物館(Keats House Museum)
(3)ウィローロード2番地(2 Willow Road)
(4)バーグハウス / ハムステッド博物館(Burgh House & Hampstead Museum)
(5)フェントンハウス(Fenton House)
(6)ケンウッドハウス(Kenwood House)
(7)イソコンビルディング(Isokon building→2015年3月22日 / 9月20日付ブログで紹介済)
(8)カムデンアートセンター(Camden Arts Centre)

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