2017年2月12日日曜日

ロンドン カンバーランドガーデンズ(Cumberland Gardens)

ポワロシリーズ「二十四羽の黒つぐみ」において、カンバーランドガーデンズ奥の両側の建物が、
画家ヘンリー・ガスコインの自宅、そして、ポワロとヘイスティングス大尉が訪ねる近所の家として
撮影に使用されている

アガサ・クリスティー作「二十四羽の黒つぐみ(Four and Twenty Blackbirds)」は、1960年に刊行された短編集「クリスマスプディングの冒険(The Adventure of Christmas Pudding)」に収録されている作品である。


ある夜、エルキュール・ポワロが、友人のヘンリー・ボニントン(Henry Bonnington)と一緒に、友人行きつけのレストランで食事をしていた時のことだった。ヘンリー・ボニントンがある席に座る髭の老人を指差すと、「あの老人は同じ曜日(火曜日と木曜日)に現れ、同じ席で同じ食事をとるんだ。」と、ポワロに語る。ポワロ達が座るテーブルへ食事を運んで来たウェイトレスが、ポワロ達が髭の老人を見ていることに気付くと、彼らに対して、「あの老人は、先週、いつもとは違う曜日(月曜日)にもやって来て、今までに注文したことがない食事を注文したんです。」と話すのを聞いて、ポワロは非常に興味を惹かれる。

グレートパーシーストリートから
カンバーランドガーデンズを望む

3週間後、地下鉄でヘンリー・ボニントンに再会したポワロは、あの老人が1週間近くレストランに姿を見せていないと知らされる。髭の老人の行動に興味を覚えたポワロであったが、その老人が死亡していたことを新聞で知ることになる。ポワロが老人のかかりつけの医師に会ったところ、老人は独り暮らしで、自宅の階段から誤って転落したことによる事故死だと告げられる。その直前、老人は例の行きつけのレストランで食事をしたようである。そうだとすると、デザートにブラックベリーのタルトを食べた筈だが、老人の歯は年齢の割には白くきれいであったと言う。
果たして、老人の死は、本当に事故死だろうか?ポワロの灰色の脳細胞が動き出す。

カンバーランドガーデンズ入口右側に建つ住居
カンバーランドガーデンズ入口左側に建つ住居

英国の TV 会社 ITV1 で放映されたポワロシリーズ「Agatha Christie's Poirot」の「二十四羽の黒つぐみ」(1989年)の回において、物語の冒頭、友人の歯科医ボニントンと一緒に、ポワロがボニントン行きつけのレストランで夕食を注文しようとしていると、レストランのウェイトレスであるモリー(Molly)が彼ら二人に話しかける。モリーによると、今も店内に居る常連客の老人は、いつも同じ曜日(水曜日の晩と土曜日の晩)にやって来て、同じ席に座り、同じ注文をするのだが、何故か、先週は違う曜日(月曜日の晩)にも現れて、いつもと違う注文をしたと言う。モリーの話を聞いたポワロは、その常連客である老人がとったいつもと違う行動に興味を惹かれるのであった。

カンバーランドガーデンズ中間辺りの右側に建つ住居
カンバーランドガーデンズ中間辺りの左側に建つ住居

数日後、その老人(画家のヘンリー・ガスコイン(Henry Gascoigne))が自宅において遺体で発見される。夜、階段から転落し、首の骨を折ったようで、スコットランドヤードのジャップ主任警部は事故死と考えたのであるが、それに疑問を感じたポワロは、アーサー・ヘイスティングス大尉を伴って、ヘンリー・ガスコインの自宅を訪ねる。そして、ヘンリー・ガスコインの自宅として、カンバーランドガーデンズ(Cumberland Gardens)が撮影に使用されている。

カンバーランドガーデンズ奥から
グレートパーシーストリートを見たところ(その1)
カンバーランドガーデンズ奥から
グレートパーシーストリートを見たところ(その2)

カンバーランドガーデンズは、ロンドン・イズリントン区(London  Borough of Islington)のフィンズベリー地区(Finsbury)内にある。セントパンクラス駅(St. Pancras Station)/キングスクロス駅(King's Cross Station)からシティー(City)の北部方面へ向かって、ペントンヴィルロード(Pentonville Road)を東に進み、右手前方に見えるクレアモントスクエア(Claremont Square)の手前で右折して、アムウェルストリート(Amwell Street)を直進する。そして、右手に見える2番目の角を右折すると、そこがグレートパーシーストリート(Great Percy Street)で、このグレートパーシーストリートの左手中間辺りに、カンバーランドガーデンズがある。

カンバーランドガーデンズの奥は、
道路としては、行き止まりになっているが、
歩道としては通り抜け可能である。
カンバーランドガーデンズ奥の右手に建つ住居

アムウェルストリートはこの辺のハイストリートに該り、パブ、カフェ、雑貨屋、小売店、美容室(日本人が経営する美容室を含め、数軒がこの通りで営業している)や不動産エージェント等が軒を連ねているが、グレートパーシーストリートやカンバーランドガーデンズの両側は住宅街で、車の往来は少なく、日中でも閑静なところである。
カンバーランドガーデンズの両側も住宅街で、道路としては、奥で行き止まりである(歩道としては、通り抜けが可能)。

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