「シャーロック・ウェンロック」を正面から見たところ |
いよいよ、リオ・オリンピックが今日(正確には、時差の関係で明日)閉会式を迎えるので、昔の話ではあるが、オリンピックとシャーロック・ホームズのことをここに御紹介したい。
「デッキ椅子・ウェンロック(Deckchair Wenlock)」― 屋根付き野外ステージの周りに置かれているデッキ椅子を テーマにしている |
2012年7月~8月に開催されたロンドン・オリンピック&パラリンピックに先立って、「ウェンロック(Wenlock)」と「マンデヴィル(Mandeville)」という2体がマスコットに選ばれた。ロンドン・オリンピック&パラリンピックを盛り上げるため、ロンドン市内から6つの地域が抽出され、ロンドンの名所・旧跡に有名人等によるペイント(例:セントポール大聖堂、ビッグベン、ウェストミンスター寺院、ウィリアム・シェイクスピア、バッキンガム宮殿衛兵、2階建てバスやアフターヌーンティー等)が施された80体を超えるウェンロック像とマンデヴィル像がそれらの地域に設置された。
「アニマル・ウェンロック(Animal Wenlock)」― ロンドン動物園(London Zoo)をテーマにしている |
「鳥類・ウェンロック(Birdy Wenlock)」― リージェンツパークに集う鳥類をテーマにしている |
当然のことながら、英国が世界に誇るシャーロック・ホームズも選ばれ、「シャーロック・ウェンロック(Sherlock Holmes)」としてリージェンツパーク(Regent's Park)内に配置された。これは、ホームズがジョン・ワトスンと一緒に共同生活を送っていたベーカーストリート221Bがリージェンツパークに近いからだと思われる。
「リージェンシー・マンデヴィル(Regency Mandeville)」― リージェンツパークを造園した摂政(Regent)で、 後のジョージ4世(George IV)をテーマにしている |
ウェンロックとマンデヴィルという2体のマスコットは可愛らしくないと、当初、ロンドン市民には不評で、私も正直あまり興味がなかった。ところが、日系の週刊コニュ二ティー紙上で、シャーロック・ウェンロックの写真を見た瞬間、俄然興味がわいてきて、わざわざリージェンツパークまでシャーロック・ウェンロックを探しに行った。生憎と、日系の週刊コニュ二ティー紙には、シャーロック・ウェンロックが設置されている正確な場所は示されていなかったため、とりあえず、地下鉄ベーカーストリート駅(Baker Street Tube Station)近くのシャーロック・ホームズ博物館(Sherlock Holmes Museum)の前を通過して、リージェンツパーク内へ入った。リージェンツパークはロンドンでも最大の公園で、果たして、シャーロック・ウェンロックを見つけられるかどうか、若干不安であったが、偶然入った場所がよく、Boating Lake(リージェンツパークの南西にある大きな池)の対岸にシャーロック・ウェンロックを発見。
「シャーロック・ウェンロック」を左側から見たところ |
シャーロック・ウェンロックは、写真の通り、「シャーロック・ホームズであれば、これ!」という定番の鹿撃ち帽子(Deer Stalker)にインヴァネスコートという出で立ちで、コートの右ポケットにはパイプや鍵が、また、左ポケットにはルーペ等が入っている。そして、シャーロック・ウェンロックが立つ台座には、「What could this be ? Elementary my dear Watson. I can solve this case in no time. (あまりにも初歩的なことさ、ワトスン。直ぐにこの事件は解決できるよ。)」というおなじみのホームズのセリフが刻まれている。ウェンロックとシャーロック・ホームズの合体ではあるものの、この像を見た時、非常に良いものを見たという気持ちになった。
「シャーロック・ウェンロック」が立つ台座のアップ |
リージェンツパーク内には、他にも、(1)屋根付き野外ステージの周りを囲むデッキ椅子、(2)夏場にオープンエアシアター(Open Air Theare)で上演されるシェイクスピアの「真夏の夜の夢」や(3)中央にある薔薇園(Rose Garden)等のペイントが施されたウェンロック像やマンデヴィル像が全部で10体以上設置されていた。
「真夏の夜の夢・ウェンロック(Midsummer Night's Dream Wenlock)」― ウィリアム・シェイクスピア作「真夏の夜の夢」をテーマにしている |
「ローズガーデン・マンデヴィル(Rose Garden Mandeville)」― リージェンツパーク中央にある薔薇園をテーマにしている |
私がシャーロック・ウェンロックを見に行ったのは、ロンドン・オリンピックが始まる2週間程前だったので、ウェンロックやマンデヴィルに興味を持つ人はあまり居なかったが、実際にロンドン・オリンピックが始まると、6つの地域内で、ロンドンに因むペイントが施されたウェンロック像やマンデヴィル像を探して、徒歩や自転車で廻っているロンドン市民や観光客をよく見かけたので、最終的には、ウェンロックやマンデヴィルはかなりの人気を得たものと言える。
「ヴィクトリア朝公園・マンデヴィル(Victorian Park Mandeville)」― ヴィクトリア朝時代の人々をテーマにしている |
ウェンロック像やマンデヴィル像は2012年8月末まで設置され、ロンドン・オリンピック&パラリンピックを盛り上げた後、オークションが実施され、確か、競売金はチャリティー団体へ寄付されたと記憶している。
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