2014年11月11日火曜日

ロンドン クレーヴンパッセージ(Craven Passage)


サー・アーサー・コナン・ドイル作「高名な依頼人(The Illustrious Client)」は、シャーロック・ホームズとジョン・ワトスンがトルコ式風呂(Turkish Bath)に居るところから始まる。


「ホームズも私(ワトスン)もトルコ式風呂には目がなかった。乾燥室内に漂う心地良い脱力感の下、一服すると、ホームズの無口さは影を潜め、いつになく人間らしい彼を垣間見ることができた。ノーサンバーランド アヴェニューにある施設の上階には、2つの寝椅子が隣り合って並ぶ隔離した一角がある。1902年9月3日、私達はそれらの寝椅子の上に身を横たえていた。まさにその日、これから述べる物語が始まるのである。(Both Holmes and I had a weakness for the Turkish Bath. It was over a smoke in the pleasant lassitude of the drying-room that I found him less reticent and more human than anywhere else. On the upper floor of the Northumberland Avenue establishment there is an isolated corner where two couches lie side by side, and it was on these that we lay upon September 3, 1902, the day when my narrative begins.)」

クレーヴンストリート側から見たクレーヴン パッセージ
右手に見えるのが、シャーロック・ホームズ パブ

トラファルガースクエア(Trafalgar Square)からテムズ河(River Thames)方面にノーサンバーランド アヴェニュー(Northumberland Avenue)を下ると、途中で左手からのびてくるノーサンバーランド ストリート(Northumberland Street)と合流した角に、シャーロック・ホームズ パブ(Sherlock Holmes Pub)が建っている。このパブは、以前はノーサンバーランド ホテル(Northumberland Hotel)で、「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」において、ウォータールー駅(Waterloo Station)に到着したヘンリー・バスカヴィル卿(Sir Henry Baskervilles)はこのホテルに滞在している。このパブを正面に見た右手に、クレーヴンパッセージ(Craven Passage)と呼ばれる路地がある。

右手奥に見えるのが、「ネヴィルのトルコ式風呂」の女性用入口であった場所

このクレーヴンパッセージを通り抜けると、クレーヴンストリート(Craven Street)に至るが、この路地の右手にあるドアが、「ネヴィルのトルコ式風呂(Neville's Turkish Bath)」の入口であった。おそらく、ホームズとワトスンは、「高名な依頼人」事件が始まる前、ここでゆっくりしていたものと思われる。正確に言うと、このドアは女性用の入口で、ホームズとワトスンが通った男性用の入口は、かなり前に取り壊されてしまったそうである。

0 件のコメント:

コメントを投稿