英国の小説家で、推理 / サスペンスドラマの脚本家でもあるアンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz:1955年ー)が、コナン・ドイル財団(Conan Doyle Estate Ltd.)による公認(公式認定)の下、シャーロック・ホームズシリーズの正統な続編として執筆の上、2011年に発表した「絹の家(The House of Silk)」では、以下のようにして、話が始まる。
ウィンブルドン(Wimbledon)に住む美術商で、共同経営者であるトバイアス・フィンチ(Tobias Finch)と一緒に、ロンドンの高級地区メイフェア(Mayfair)内にあるアルベマールストリート(Albemarle Street → 2021年2月19日付ブログで紹介済み)沿いでカーステアーズ・アンド・フィンチ画廊(Gallery Carstairs and Finch)を営んでいるエドムンド・カーステアーズ(Edmund Carstairs)が、ベーカーストリート221B(221B Baker Street)のシャーロック・ホームズのところへ事件の相談にやって来た翌朝、エドムンドからホームズの元に電報が届いた。それは、昨夜、エンムンドと妻のキャサリン(Catherine Carstairs)が住むリッジウェイホール(Ridgeway Hall)に賊が侵入して、屋敷内の金庫が破られたことを知らせるものだった。
現金と宝石の盗難について、エドムンドから先に知らせを受けていたスコットランドヤードのレストレード警部(Inspector Letrade)は、今朝、ウィンブルドン発ロンドンブリッジ(London Bridge → 2016年3月19日付ブログで紹介済)行きの午前5時始発列車に、米国訛りの男が乗車していたことを既に突き止めていた。
ベーカーストリート221Bに戻ったホームズは、翌朝、ベーカーストリート不正規隊(Baker Street Irregulars)のウィギンズ(Wiggins)達を呼び集め、盗まれたサファイアのネックレスは近くの質屋で処分された可能性が高いので、ロンドンブリッジ駅界隈の質屋を一軒一軒尋ね回るよう、指示を与えた。
カーステアーズ・アンド・フィンチ画廊において、ホームズがエドムンドとトバイアスの二人と話をしているところに、ウィギンズが飛び込んで来て、ブリッジレーン(Bridge Lane)の質屋で、該当の人物を見つけたと報告した。そして、ウィギンズに連れられて、ホームズ、ワトスンおよびエドムンドは、四輪辻馬車で現地へと向かう。
その後、ロスは、サザーク橋(Southwark Bridge)を渡ったテムズ河(River Thames)の南岸において、惨殺死体となって発見される。更に、彼の手首には、白い絹のリボンが巻き付けられていた。
当初、サザーク橋を渡るには、通行料が必要であったが、Bridge House Estates が管理を引き継いだ後、1864年から通行料は無料となった。
現在のサザーク橋は、建築家のサー・アーネスト・ジョージ(Sir Ernest George:1839年ー1922年)と技師のサー・バジル・モット(Sir Basil Mott:1859年ー1938年)によって設計された後、1913年に Sir William Arrol & Co. が着工して、1921年6月6日に開通した。全長は約244mで、幅は約17mである。
現在のサザーク橋は、1995年に、「Grade II isted structure(英国指定建造物の第2級)」に指定されている。
アンソニー・ホロヴィッツ作「絹の家」において言及されているサザーク橋は、年代的には、現在の橋ではなく、以前の橋ということになる。
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