英国海軍の500周年を記念して、 2019年に英国のロイヤルメールが発行した8種類の記念切手のうち、 6番目に紹介するのは、「HMS ドレッドノート」で、 進水日ベースで言うと、唯一、 シャーロック・ホームズが活躍していた時代に登場した戦艦である。 |
英国のロイヤルメール(Royal Mail)が2019年に王立海軍こと英国海軍の500周年を記念して発行した8種類の切手のうち、6番目に紹介するのは、「HMS ドレッドノート(HMS Dreadnought)」である。
「HMS ドレッドノート」は、英国海軍の戦艦で、同名の鑑としては、6隻目に該るが、同型鑑はない。
「HMS ドレッドノート」の前級は「ロードネルソン級(Lord Nelson class)」で、後級は「ベレロフォン級(Bellerophon class)」となっている。
「HMS ドレッドノート」の建造は、1905年10月2日にポーツマス造船所(HMNB Portsmouth)において始まり、1906年2月10日に進水式を迎えた。そして、同年12月2日に就役した。
全長は約161m、全幅は約25m、装甲は約280mm、排水量は約22,000 t、そして、乗員は約800名となっており、兵装として、45口径連装砲5基地、45口径単装砲27基地、また、45cm水中魚雷発射管単装5門を備えていた。また、世界最初の蒸気タービン機関を搭載したことにより、就役当時、世界最速の21ノットの速力を誇った。なお、従来の戦艦の速力は、最大18ノット程度。
「ドレッドノート」は、「恐怖(Dread)」と「ゼロ(Nought)」の合成語で、「恐れを知らない」ことを意味するが、従来の戦艦に比べて、当艦が格段に強力だったこともあり、その後、「非常に強力である」ことを意味するようになる。
「HMS ドレッドノート」は、第一次世界大戦(1914年-1918年)に参戦。「HMS ドレッドノート」は、元々、対艦戦闘を主としていたものの、主な戦績としては、ドイツ軍の潜水艦「SM U-29」を撃沈した位で、第一次世界大戦中、対艦戦闘には参加していない。1916年5月、「HMS ドレッドノート」は、英仏海峡(English Channel)の海岸線防衛任務へとまわされた。
「HMS ドレッドノート」は、第一次世界大戦後の1919年2月に退役し、1923年に解体された。
今までに紹介した(1)「メアリーローズ(Mary Rose → 2021年11月21日付ブログで紹介済)」、(2)「HMS ソブリン・オブ・ザ・シーズ(HMS Sovereign of the Seas → 2021年12月19日付ブログで紹介済)」、(3)「HMS ビクトリー(HMS Victory → 2022年1月3日付ブログで紹介済)」および(4)「HMS ビーグル(HMS Beagle → 2022年1月16日付ブログで紹介済)」については、進水日ベースで言うと、識者の間では、1872年から1876年までの諸説が存在しているものの、シャーロック・ホームズ最初の事件である「グロリア・スコット号(The Gloria Scott → 2021年9月25日 / 10月3日 / 10月10日付ブログで紹介済)」以前の艦であるが、「HMS ドレッドノート」の場合、1906年2月10日に進水式を迎えているので、諮問探偵業から引退したホームズが「ライオンのたてがみ(The Lion’s Mane)」事件に遭遇した1907年7月末よりも前なので、唯一、ホームズが活躍していた時代に登場した戦艦と言える。