東京創元社から出版されている創元推理文庫「夜歩く」の表紙 カバーイラスト: 森 美夏氏 カバーデザイン: 折原 若緒氏 カバーフォーマット: 本山 木犀氏 |
「魔女の隠れ家」の前に、ジョン・ディクスン・カーは、以下の作品を発表している。
<アンリ・バンコラン(Henri Bencolin)シリーズ>
(1)「夜歩く(It Walks by Night)」(1930年)
(2)「絞首台の謎(The Lost Gallows)」(1931年)
(3)「髑髏城(The Castle Skull)」(1931年)
(4)「蠟人形館の殺人(The Corpse in the Waxworks)」(1932年)
<ノン・シリーズ>
(5)「毒のたわむれ(Poison in Jest)」(1932年)
最初の4長編では、パリの予審判事であるアンリ・バンコランが探偵役として活躍するが、彼の冷笑的な性格が災いして、世間の人気をあまり得られなかったこと、作者であるジョン・ディクスン・カー自身も、パリを舞台にしたアンリ・バンコランシリーズに対して、次第にリアリティーを感じられなくなってきたこと、また、1932年に英国人のクラリス・クリーヴス(Clarice Cleaves)と結婚して、英国のブリストル(Bristol)に居を構えたこと等から、6作目に該る「魔女の隠れ家」より、英国を舞台にして、肥満した英国人であるギディオン・フェル博士を探偵役としてデビューさせたのではないかと思われる。
なお、ギディオン・フェル博士は、英国の作家、批評家、詩で随筆家でもあるギルバート・キース・チェスタトン(Gilbert Keith Chesterton:1874年ー1936年 → 日本では、一般的に、G・K・チェスタトンと呼ばれている)がモデルと言われている。
G・K・チェスタトンは、推理作家としても有名で、カトリック教会に属するブラウン神父(Father Brown)が活躍する短編53作品がある。
<ブラウン神父シリーズの短編集>
(1)「ブラウン神父の童心(The Innocence of Father Brown)」(1911年)
(2)「ブラウン神父の知恵(The Wisdom of Father Brown)」(1914年)
(3)「ブラウン神父の不信(The Incredulity of Father Brown)」(1926年)
(4)「ブラウン神父の秘密(The Secret of Father Brown)」(1927年)
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