2020年9月27日日曜日

アガサ・クリスティー作「死者のあやまち」<グラフィックノベル版>(Dead Man’s Folly by Agatha Christie

HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「死者のあやまち」の
グラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
物語のメイン舞台となるナス屋敷が描かれている。

3番目に紹介するアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)によるグラフィックノベル版は、「死者のあやまち(Dead Man’s Folly)」(1956年)である。

本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第48作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズに属する長編のうち、第27作目に該っている。

本作品のグラフィックノベル版は、元々、イラストレーターであるマレック(Marek)が作画を担当して、2011年にフランスの Heupe SARL から「Poirot joue le jeu」というタイトルで出版された後、2012年に英国の HarperCollinsPublishers から英訳版が発行されている。


HarperCollinsPublishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「死者のあやまち」の
グラフィックノベル版の裏表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
2番目の被害者となるマーデル老人が乗っていたボートが描かれている。


1954年11月、アガサ・クリスティーは、自分の生まれ故郷デヴォン州のチャーストン フェラーズ(Churston Ferrers)にあるセントメアリー聖母教会(St. Mary the Virgin Church)に寄付するため、ある中編を執筆して、その印税収入を充てようとした。そこで、彼女は自分の住まいがあるグリーンウェイ(Greenway)を小説の舞台にした。それが、「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮(Hercule Poirot and the Greenshore Folly)」である。殺人事件が発生する小説の舞台に実在の場所である「グリーンウェイ」をそのまま使用できないので、「グリーンショア」と変更したものと思われる。なお、この中編は、雑誌掲載には難しい長さであったため、残念ながら、未発表のままに終わっている。

上記の中編の代わりに、アガサ・クリスティーは、ミス・ジェイン・マープルを主人公とした短編「グリーンショウ氏の阿房宮(Greenshaw's Folly)」を教会に寄付している。


クリスティーは、この中編を長編にして、2年後に出版している。それが「死者のあやまち」である。中編と長編を比較すると、物語のメイン舞台となるのが、グリーンショア屋敷とナス屋敷(Nasse House)で名前が異なることや登場人物の名前の一部が変更されていること等を除くと、基本的なプロットは同じだ。


グラフィックノベル版の場合、舞台となる屋敷名は、「死者のあやまち」の「ナス屋敷」を採用している。一方、登場人物は、基本的に、「死者のあやまち」のキャラクターとなっているものの、一部、「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮」のキャラクターが混在している。


ある日、ロンドン市内にあるエルキュール・ポワロのオフィスで電話が鳴る。相手は、人気推理作家で、昔なじみのアリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver)であった。電話はデヴォン州(Devon)からで、オリヴァー夫人はポワロにすぐこちらに来てほしいと頼み込む。そこで、ポワロは早速ロンドン発の列車でデヴォン州へ向かう。


駅からオリヴァー夫人が滞在しているナス屋敷へ迎えの車で向かう途中、ポワロは外国人旅行者の女性二人(オランダ人とイタリア人)を車に乗せて、近くのユースホステルまで送ってあげる。この辺り一帯は外国人ハイカー達に人気の場所で、後でも、彼女達はナス屋敷の地所を勝手に横切ろうとして、屋敷の主であるサー・ジョージ・スタッブス(Sir George Stubbs)から厳重な注意を受けている。


ナス屋敷に到着したポワロに対して、オリヴァー夫人は、次のように説明する。屋敷で催される慈善パーティーのために、(殺人)犯人探しゲーム(Murder Hunt)の段取りをしているところだが、このゲーム自体に何かおかしな点があるものの、それが何なのか、よく判らない。オリヴァー夫人は、そんな不安を口にする。彼女としては、それをポワロに明らかにしてほしいと頼む。


エルキュール・ポワロが、ナス屋敷に集まったメンバーに紹介される場面 -
画面左から、マスタートン夫人、ペギー・レッグ、
アリアドニ・オリヴァー夫人、ポワロ、フォリアット夫人、
ウォーバートン大尉、執事のヘンデン、サー・ジョージ・スタッブス、
アレック・レッグ、そして、アマンダ・ブレウィス。


ナス屋敷では、次の人達が慈善パーティーの準備をしていた。

(1)屋敷の主サー・ジョージ・スタッブス

(2)彼の年若い妻レデイー・スタッブス ハティー(Lady Stubbs, Hattie Stubbs)

(3)サー・ジョージ・スタッブスの秘書アマンダ・ブレウィス(Amanda Brewis)

(4)サー・ジョージ・スタッブスに雇われて、ナス屋敷の改装を行っている建築家マイケル・ウェイマン(Michael Weyman)

(5)近所のコテージに住むアレックとペギーのレッグ若夫婦(Alec Legge + Peggy Legge)→「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮」に登場。「死者のあやまち」では、原子科学者のアレック・レッグ(Alec Legge)と彼の妻であるサリー・レッグ(Sally Legge)に変更されている。

(6)慈善パーティー全体のとりまとめ役マスタートン夫人(Mrs. Masterton)

(7)彼女の手助けをしているジム・ウォーバートン大尉(Captain Warburton)→「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮」では、ウォーボロー大尉(Captain Warborough)。

(8)ハティーの庇護者フォリアット夫人(Mrs. Folliat)- ナス屋敷の前の持ち主でもある。フォリアット家は1598年から何代にもわたってこの地所を所有していたが、第二次世界大戦前に、彼女の夫が亡くなってしまった。また、彼女の長男であるヘンリー・フォリアット(Henry Folliat)は海軍で出征した後、乗っていた艦が沈められ、彼女の次男であるジェイムズ・フォリアット(James Folliat)は陸軍に入隊したが、イタリアで戦死したようである。財政上の窮地に陥ったフォリアット夫人はサー・ジョージ・スタッブスに屋敷を売却し、その代わりに、園丁が住んでいたコテージを貸し与えられて住んでいる。


オリヴァー夫人によると、犯人探しゲームのアイデアを出したのはマスタートン夫人だが、何か腑に落ちないところがあるという言う。ある誰かが何らかの意図をもって、他の人達の背後で彼らを操りながら、何かを計画しているような気がしてならない、と...


ポワロとオリヴァー夫人が、1番目の被害者となるマーリン・タッカーと話をしている場面


犯人探しゲームの被害者は、原子科学者の先妻のユーゴスラビア人女性で、ボート小屋で殺される筋書きになっていた。当初、ペギー・レッグが被害者役を務める筈だったが、慈善パーティーで占い師の役を担当することになり、この村に住む少女マーリン・タッカー(Marlene Tucker)が被害者役を代わった。パーティー当日、ポワロとオリヴァー夫人がボート小屋へ様子を見に行くと、マーリンはスカーフで本当に絞殺されていたのであった!


一方、慈善パーティー会場に、(9)ハティーの従兄弟と称するエティエンヌ・ド・スーザ(Etienne da Sousa→「エルキュール・ポワロとグリーンショア屋敷の阿房宮」では、ポール・ロペス(Paul Lopez))が姿を現す。西インド諸島から到着したばかりで、ダートマス(Dartmouth)にヨットを係留し、ダート河(River Dart)をボートで上がって、屋敷にやって来たのである。ハティー・スタッブスに久しぶりに会いたいと言う。ところが、従兄弟を忌み嫌うハティー・スタッブスは、エティエンヌ・ド・スーザの到着前に姿を消してしまい、その後、その行方が杳として知れない。


ナス屋敷において、慈善パーティーが行われている場面 -
画面中央で、少年に熊のぬいぐるみを渡しているのが、ポワロ。


その後、また一人犠牲者が出る。この村に住むマーデル老人(Old Merdel)で、ある晩、乗っていた船(ボート)から舟着き場に飛び移ろうとして、ダート河に落ちて溺死したのである。彼は、絞殺された少女の祖父だったことが判明する。警察当局は老人の死を事故死として処理しようとするが、ポワロは、以前マーデル老人に会った際、彼が発した思わせ振りな言葉が非常に気になった。「フォリアット家が、ナス屋敷からは離れることはない。('Always be Folliats at Nasse.')」と...


果たして、マーデル老人の溺死は事故死なのか?彼女の孫であるマーリン・タッカーを殺害したのは誰なのか?そして、その理由は?更に、ハティー・スタッブスは何処に行ってしまったのか?


アガサ・クリスティーの原作を読んだ方であれば、お判りいただけると思うが、犯人側が仕掛ける「あるトリック」の関係上、彼女の文章だけであれば、大丈夫であるものの、TV ドラマ、映画やグラフィックノベル等による視覚化は、非常に難しいと言える。

本グラフィックノベル版の場合、犯人側のトリックを作画の中に割合とうまい具合に溶け込ませているのではないかと思う。


2020年9月26日土曜日

シャーロック放送10周年記念切手5「ベルグレーヴィアの醜聞 / アイリーン・アドラー」(Sherlock - A Scandal in Belgravia / Irene Adler)

シャーロック記念切手の5番目は、
シーズン2のエピソード1に該る「ベルグレーヴィアの醜聞」と
王族や上流階級の男女への BDSM サービス提供を生業にしているアイリーン・アドラー

前回に引き続き、「シャーロック(Sherlock)」<サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)原作のシャーロック・ホームズシリーズを翻案して、舞台をヴィクトリア朝時代のロンドンから21世紀のロンドンに置き換え、自称「コンサルタント探偵」のシャーロック・ホームズが、同居人かつ相棒であるジョン・ヘイミッシュ・ワトスンと一緒に、スマートフォンやインターネット等の最新機器を駆使して、事件を解決する様を描くTVドラマで、英国 BBC が制作の上、2010年7月から BBC1 で放映>の放映10周年を記念して、2020年8月18日に英国ロイヤルメール(Royal Mail)から発行された記念切手について、紹介していきたい

「ベルグレーヴィアの醜聞(A Scandal in Belgravia)」は、「シャーロック」では、シーズン2のエビソード1(通算では、エピソード4)に該り、2012年1月1日に英国 BBC1 で放映されている。なお、日本放送日は、2012年7月22日。

この記念切手では、王族や上流階級の男女への BDSM サービス提供を生業としているアイリーン・アドラー(Irene Adler)がメインとなっている。

英国の女優であるララ・パルヴァー(Lara Pulver:1980年ー)が、アイリーン・アドラーを演じている。

記念切手の背景には、ジョン・ヘイミッシュ・ワトスン(John Hemish Watson→2020年9月5日付ブログで紹介済)と一緒に、バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)へと呼び出されて、兄であるマイクロフト・ホームズ(Mycroft Holmes)と英国王室侍従から、「英国王室関係者が若い女性から BDSM サービスを受けている写真が、アイリーン・アドラーの手元にあり、その写真を取り戻す」ことを依頼されたシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes→2020年8月29日付ブログで紹介済)が、ベルグレーヴィア地区(Belgravia)内にあるアイリーン・アドラーの邸宅へと赴き、そこで彼女と対峙する場面が描かれている。

「ベルグレーヴィアの醜聞」は、コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズシリーズのうち、「ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)」(1891年)を原案にしている。なお、「ボヘミアの醜聞」は、第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1892年)に収録されている。

ちなみに、「ボヘミアの醜聞」は、第1長編である「緋色の研究(A Studay in Scarlet)」(1887年)と第2長編である「四つの署名(The Sign of the Four)」(1890年)に続くシャーロック・ホームズシリーズの第3作目で、56ある短編のうち、最初に発表された作品である。それに加えて、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」に、初めて掲載された作品でもある。


2020年9月20日日曜日

アガサ・クリスティー作「ひらいたトランプ」<グラフィックノベル版>(Cards on the Table by Agatha Christie

HarperCollinsPublishers から出ている
アガサ・クリスティー作「ひらいたトランプ」の
グラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
ナイフが突き刺さったハートのトランプが描かれている。
ハートの絵柄から血が流れているので、
シャイタナ氏の心臓も指しているのではないかと思う。


2番目に紹介するアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)によるグラフィックノベル版は、「ひらいたトランプ(Cards on the Table)」(1936年)である。

本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第20作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズに属する長編のうち、第13作目に該っている。

HarperCollinsPublishers から出ている
アガサ・クリスティー作「ひらいたトランプ」の
グラフィックノベル版の裏表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
トランプの絵柄(ハート / スペード / クラブ / ダイヤ)が
画面一杯に散りばめられている。


本作品のグラフィックノベル版は、元々、ベルギー出身のイラストレーターであるフランク・ルクレルク(Frank Leclercq:1967年ー)が作画を担当して、2009年にフランスの Heupe SARL から「Cartes sur table」というタイトルで出版された後、2010年に英国の HarperCollinsPublishers から英訳版が発行されている。

エルキュール・ポワロが、シャイタナ氏から夕食に招かれる物語冒頭のシーン


作画を担当しているフランク・ルクレルクは、アガサ・クリスティーのグラフィックノベル版では、「ひらいたトランプ」が4作目に該る。彼が他に担当したのは、「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」、「終わりなき夜に生れつく(Endless Night)」、そして、「秘密機関(The Secret Adversary)」の3作で、エルキュール・ポワロが登場する作品を担当するのは、本作が最初である。今までの3作において、彼の作画は劇画風で、登場人物もリアルであったが、本作では、前の3作とは異なり、作画がより漫画風へと大きく転換しており、同じイラストレーターによる作品とは思えない位である。また、淡いパステル調の色彩(ピンク色、黄色、オレンジ色、黄緑色、水色や紫色等)が多用されていて、フランス人好みのグラフィックノベルに仕上がっている。

招かれた夕食の席において、エルキュール・ポワロは、
シャイタナ氏から他の招待客を紹介される。

アガサ・クリスティーの原作通り、主要な登場人物は、以下の10名。

(1)被害者

*シャイタナ氏(Mr. Shitana)ー謎めいた裕福な蒐集家

(2)探偵組

*エルキュール・ポワロ

*アリアドニ・オリヴァー夫人(Mrs. Ariadne Oliver)ー女性推理作家

*バトル警視(Superintendent Battle)ースコットランドヤードの警察官

*レイス大佐(Colonel Race)ー英国秘密情報局の情報部員

(3)容疑者組

*ロバーツ医師(Dr. Roberts)ー成功をおさめた中年の医師

*ロリマー夫人(Mrs. Lorrimer)ーブリッジ好きな初老の女性

*デスパード少佐(Major Despard)ー未開地を探索する探検家

*アン・メレディス(Miss Anne Meredith)ー内気で若く麗しい女性

(4)その他

*ローダ・ドーズ(Rhoda Dawes)ーアン・メレディスの友人


ブリッジを続けるロリマー夫人、ロバート医師、アン・メレディスとデスパード少佐、
そして、それを見つめるシャイタナ氏


個人的には、容疑者組の4人は、イメージに近いが、探偵組について、アリアドニ・オリヴァー夫人は、アガサ・クリスティーの原作に比べると、歯に衣を着せず、思ったことをズバズバと言うキャラクターではあるものの、やや落ち着いた感じになっているように思える。バトル警視の場合、もう10歳程度、年齢が上である必要を感じる。逆に、レイス大佐の場合、アガサ・クリスティーの原作では、50歳位になっているが、グラフィックノベルでは、10歳程度、年齢が下のように設定されている。


ストーリー自体は、シャイタナ氏が彼の自宅において刺し殺された後、ポワロとバトル警視が主体となって、容疑者組の4人に対して、交互に、かつ、個別に会って、事件の捜査を進めるという体裁を採っている。アリアドニ・オリヴァー夫人が活躍するのは、ストーリーの半分程までで、レイス大佐の場合は、残念ながら、出番がかなり限定されている。


グラフィックノベルの性質上、ブリッジ自体の詳細なルール説明には立ち入らず、ポワロによる容疑者組の4人に対する捜査方法は、ブリッジの経過内容やブリッジが行われたシャイタナ氏の客間内の調度品をどの程度詳細に記憶しているかに着目して進められており、50ページ弱(46ページ)という制約があるにもかかわらず、個人的には、かなり手堅くまとめられていると思う。


2020年9月19日土曜日

シャーロック放送10周年記念切手4「空の霊柩車 / メアリー・モースタン」(Sherlock - The Empty Hearse / Mary Morstan)

シャーロック記念切手の4番目は、
シーズン3のエピソード1に該る「空の霊柩車」と
後にジョン・ヘイミッシュ・ワトスンの妻となるメアリー・モースタン

前回に引き続き、「シャーロック(Sherlock)」<サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)原作のシャーロック・ホームズシリーズを翻案して、舞台をヴィクトリア朝時代のロンドンから21世紀のロンドンに置き換え、自称「コンサルタント探偵」のシャーロック・ホームズが、同居人かつ相棒であるジョン・ヘイミッシュ・ワトスンと一緒に、スマートフォンやインターネット等の最新機器を駆使して、事件を解決する様を描くTVドラマで、英国 BBC が制作の上、2010年7月から BBC1 で放映>の放映10周年を記念して、2020年8月18日に英国ロイヤルメール(Royal Mail)から発行された記念切手について、紹介していきたい。

「空の霊柩車(The Emputy Hearse)」は、「シャーロック」では、シーズン3のエビソード1(通算では、エピソード7)に該り、2014年1月1日に英国 BBC1 で放映されている。なお、日本放送日は、2014年5月24日。

この記念切手では、ジョン・ヘイミッシュ・ワトスン(John Hemish Watson→2020年9月5日付ブログで紹介済)の交際相手として、シーズン3より登場し、同シーズンのエピソード2(通算では、エピソード8)に該る「三の兆候(The Sign of Three)」において、彼の妻となるメアリー・モースタン(Mary Morstan)がメインとなっている。
英国の女優であるアマンダ・アビントン(Amanda Abbington:1974年ー)が、メアリー・モースタンを演じている。

シーズン2のエビソード3(通算では、エピソード6)に該る「ライヘンバッハ・ヒーロー(The Reichenbach Fall→2020年8月29日付ブログで紹介済)」において、ジョン・ワトスンは、セントバーソロミュー病院(St. Bartholomew’s Hospital→2014年6月14日付ブログで紹介済)の屋上から飛び降りたシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes→2020年8月29日付ブログで紹介済)の死にショックを受けたが、なんとか立ち直り、それまで彼に寄り添ってくれたメアリー・モースタンとの交際を始める。そんな最中、シャーロック・ホームズがロンドンへと無事に帰還したものの、ジョン・ワトスンは、シャーロック・ホームズが自分に対して、2年前の偽装計画のことを事前に話してくれなかったことに激怒し、シャーロック・ホームズと一時的に仲違いする場面が、記念切手の背景に描かれている。

「空の霊柩車」は、コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズシリーズのうち、「空き家の冒険(The emputy House)」(1903年)を原案としている。なお、「空き家の冒険」は、第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」(1905年)に収録されている。
その他に、シャーロック・ホームズと思われる素人推理家が登場するため、シャーロック・ホームズの外典とされているコナン・ドイル原作の「消えた臨時列車(The Lost Special)」(1898年)も、原案となっている。

2020年9月13日日曜日

アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」<グラフィックノベル版>(And Then There Were None by Agatha Christie

HarperCollinsPublishers から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版の表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)-
表紙と裏表紙の両方で、兵隊島に集まった招待客8人と召使夫婦の計10人が、
一人また一人と、正体不明の何者かによって殺害されていくことが暗示されている。

アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の長編作品が、グラフィックノベル版として出版されているので、順番に紹介していきたい。

1番目に紹介する長編作品は、「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」(1939年)である。
本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第26作目に該る。アガサ・クリスティーの作品の中でも、代表作に挙げられているのが、本作品である。

本作品のグラフィックノベル版は、元々、フランス人の作家であるフランソワ・リヴィエール(Francois Riviere:1949年ー)が構成を、そして、ベルギー出身のイラストレーターであるフランク・ルクレルク(Frank Leclercq:1967年ー)が作画を担当して、2002年にフランスの Heupe SARL から「Dix Petits Negres」というタイトルで出版された後、2009年に英国の HarperCollinsPublishers から英訳版が発行されている。

HarperCollinsPublishers から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」の
グラフィックノベル版の裏表紙
(Cover Design and Illustration by Ms. Nina Tara)

1930年代後半の8月のこと、英国デヴォン州(Devon)の沖合いに浮かぶ兵隊島(Soldier Island)に、年齢も職業も異なる8人の男女が招かれる。彼らを島で迎えた召使と料理人の夫婦は、エリック・ノーマン・オーウェン氏(Mr. Ulick Norman Owen)とユナ・ナンシー・オーウェン夫人(Mrs. Una Nancy Owen)に自分達は雇われていると招待客に告げる。しかし、彼らの招待客で、この島の所有者であるオーウェン夫妻は、いつまで待っても、姿を現さないままだった。

招待客が自分達の招待主や招待状の話をし始めると、皆の説明が全く噛み合なかった。その結果、招待状が虚偽のものであることが、彼らには判ってきた。招待客の不安がつのる中、晩餐会が始まるが、その最中、招待客8人と召使夫婦が過去に犯した罪を告発する謎の声が室内に響き渡る。謎の声による告発を聞いた以下の10人は戦慄する。

招待客が兵隊島に到着した日の晩餐会において、
謎の声(オーウェン氏)による告発により、
招待客8人と召使夫婦が戦慄する場面

<グラフィックノベル版における登場順>
(1)ローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ(Lawrence John Wargrave)
高名な元判事で、陪審員を誘導して、無実の被告を有罪として、死刑に処したと告発された。
(2)ヴェラ・エリザベス・クレイソーン(Vera Elizabeth Claythorne)
秘書や家庭教師を職業とする若い女性で、家庭教師をしていた子供に無理な距離を泳がせることを許可し、その結果、その子供を溺死させたと告発された。
(3)フィリップ・ロンバード(Philip Lombard)
元陸軍中尉で、東アフリカにおいて先住民族から食料を奪った後、彼ら21人を見捨てて死なせたと告発された。
(4)エミリー・キャロライン・ブレント(Emily Caroline Brent)
信仰心の厚い老婦人で、使用人の娘に厳しく接して、その結果、彼女を自殺させたと告発された。
(5)ジョン・ゴードン・マッカーサー(John Gordon MacArthur)
退役した老将軍で、妻の愛人だった部下を故意に死地へ追いやったと告発された。
(6)エドワード・ジョージ・アームストロング(Edward George Armstrong)
医師で、酔って酩酊したまま手術を行い、患者を死なせたと告発された。
(7)アンソニー・ジェイムズ・マーストン(Anthony James Marston)
遊び好きの上、生意気な青年で、自動車事故により二人の子供を死なせたと告発された。
(8)ウィリアム・ヘンリー・ブロア(William Henry Blore)
元警部で、偽証により無実の人間に銀行強盗の罪を負わせて、死に追いやったと告発された。
(9)トマス・ロジャーズ(Thomas Rogers)
(10)エセル・ロジャーズ(Ethel Rogers)
仕えていた老女が発作を起こした際、彼らは必要な薬を投与しないで、老女を死なせたと告発された。

彼らを告発する謎の声は蓄音機からのもので、トマス・ロジャーズによると、オーウェン夫妻から、最初の日、晩餐会の際に録音したメッセージを流すよう、手紙で指示を受けていたと言う。謎の声による告発を聞いて彼の妻エセル・ロジャーズが気を失ってしまうという混乱の直後、毒物が入った飲み物を飲んだアンソニー・ジェイムズ・マーストンが急死するのであった。

その翌朝、エセル・ロジャーズがいつまで経っても起きて来ず、死亡しているのが発見される。残された8人は、アンソニー・ジェイムズ・マーストンとエセル・ロジャーズの死に方が屋敷内に飾ってある童謡「10人の子供の兵隊」の内容に酷似していること、また、食堂のテーブルの上に置いてあった兵隊人形が10個から8個へと減っていることに気付く。それに加えて、迎えの船が兵隊島へやって来ないことが判り、残された8人は兵隊島に閉じ込められた状態になってしまう。

アンソニー・マーストンが毒物が入った飲み物を飲んで急死した翌朝、
食堂のテーブルの上に置いてあった兵隊人形が10個から9個へと減っていることを
召使のトマス・ロジャーズが気付いた場面

童謡「10人の子供の兵隊」の調べにのって、一人また一人と、残された8人が正体不明の何者かに殺害されていく。それに伴って、食堂のテーブルの上にある兵隊人形の数も減っていくのである。彼らを兵隊島へ招待したオーウェン夫妻とは一体何者なのか?オーウェン夫妻の名前を略すと、どちらも「U. N. Owen」、つまり、「UNKOWN(招正体不明の者)」となる。オーウェン夫妻が正体不明の殺人犯で、残された人の中に居るのか?それとも、屋敷内のどこか、あるいは、兵隊島のどこかに隠れ潜んでいるのだろうか?恐怖が満ちる中、また一人、残された人と兵隊人形が減っていくのであった。

アガサ・クリスティーが1939年に「そして誰もいなくなった」を発表した時点での英語の原題は「Ten Little Niggers(10人の小さな黒んぼ)」で、作品中、これは非常に重要なファクターを占める童謡を暗示している。
ただし、「Nigger」という単語がアフリカ系アメリカ人に対する差別用語だったため、米国版のタイトルは「Ten Little Indians(10人の子供のインディアン)」に改題された。それに伴い、
*島の名前: 黒人島(Nigger Island)→インディアン島(Indian Island)
*童謡名: 10人の小さな黒んぼ(Ten Little Niggers)→10人の子供のインディアン(Ten Little Indians)
*人形名: 黒人人形→インディアン人形
へと変更された。
近年、「インディアン」も差別用語と考えられているため、英米で発行されている「そして誰もいなくなった」のタイトルには、「And Then There Were None」が使用されている。「And Then There Were None」は、童謡の歌詞の最後の一文から採られている。その結果、
*島の名前: インディアン島(Indian Island)→兵隊島(Soldier Island)
*童謡名: 10人の子供のインディアン→10人の子供の兵隊(Ten Little Soldiers)
*人形名: インディアン人形→兵隊人形
へという変遷を辿っているのである。

イラストレーターであるフランク・ルクレルクによる作画は劇画風で、登場人物は皆リアルな絵柄である。また、全体として、赤色、黄色、緑色、水色や青色等を主体とした非常に濃く、かつ、鮮明なカラーリングとなっている。
当グラフィックノベル版は、全部で46ページであるが、アガサ・クリスティーの原作の内容について、50ページ弱の中に、非常にまとめられていると思う。

2020年9月12日土曜日

シャーロック放映10周年記念切手3「大いなるゲーム / ジム・モリアーティー」(Sherlock - The Great Game / Jim Moriarty)

シャーロック記念切手の3番目は、
シーズン1のエピソード3に該る「大いなるゲーム」と
自らを「世界で唯一のコンサルタント犯罪者」と呼ぶジム・モリアーティー

前回に引き続き、「シャーロック(Sherlock)」<サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)原作のシャーロック・ホームズシリーズを翻案して、舞台をヴィクトリア朝時代のロンドンから21世紀のロンドンに置き換え、自称「コンサルタント探偵」のシャーロック・ホームズが、同居人かつ相棒であるジョン・ヘイミッシュ・ワトスンと一緒に、スマートフォンやインターネット等の最新機器を駆使して、事件を解決する様を描くTVドラマで、英国 BBC が制作の上、2010年7月から BBC1 で放映>の放映10周年を記念して、2020年8月18日に英国ロイヤルメール(Royal Mail)から発行された記念切手について、紹介していきたい。

「大いなるゲーム(The Great Game)」は、「シャーロック」では、シーズン1のエビソード3(通算でも、エピソード3)に該り、2010年8月8日に英国 BBC1 で放映されている。なお、日本放送日は、2011年8月24日。

この記念切手では、自らを「世界で唯一のコンサルタント犯罪者」と呼ぶジム・モリアーティー(Jim Moriarty)がメインとなっている。
アイルランド出身の俳優であるアンドリュー・スコット(Andrew Scott:1976年ー)が、ジム・モリアーティーを演じている。

記念切手の背景には、物語の終盤、プールサイドにおいて、シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes→2020年8月29日付ブログで紹介済)とジョン・ヘイミッシュ・ワトスン(John Hemish Watson→2020年9月5日付ブログで紹介済)の二人が、事件の黒幕であるジム・モリアーティーと対峙する場面が描かれている。

「大いなるゲーム」は、コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズシリーズのうち、「ブルース・パーティントン型設計図(The Bruce-Partington Plans)」(1908年)を原案としている。なお、「ブルース・パーティントン型設計図」は、第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶(His Last Bow)」(1917年)に収録されている。

2020年9月6日日曜日

サイモン・クラーク編「 シャーロック・ホームズの探偵学校」(Sherlock Holmes’s School for Detection edited by Simon Clark)ーその2

ロンドンの土産物店で販売されている
「切り裂きジャック」をテーマにしたパブの看板(その1)

サイモン・クラーク(Simon Clark)編「 シャーロック・ホームズの探偵学校(Sherlock Holmes’s School for Detection)」に収録されている11短編の中で、一番最後の作品「The Monster of the Age(著者:Paul Finch)」は、「切り裂きジャック(Jack the Ripper)」をテーマにしたものである。本作品は、短編とは言っても、約70ページあるので、実際には、中編の範疇に属する。

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「切り裂きジャック」をテーマにしたパブの看板(その2)

1922年3月、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンは、London Metropolitan Police の元警察官で、探偵学校の生徒である Miss Leticia (Letty) Feltencraft が書いた同年3月1日付の手紙を受け取った。
彼女の手紙によると、「自分が悪名高きホワイトチャペル地区(Whitechapel)の殺人鬼の正体を明らかにする。」とのこと。「切り裂きジャック」事件が起きたのは、1888年で、34年も経った今になって、一体、何が判ったのだろうか?

ホームズとワトスンが次に受け取った手紙は、3月3日付で、彼女は、現在、ランカシャー州(Lancashire)の Beardshaw 村に居るらしい。彼女は、ある手掛かりを追って、イングランド北部まで来ているようだ。
彼女は、警察官になる前、第一次世界大戦(1914年ー1918年)中、看護師として、負傷兵の看病にあたっていた。1917年、フォークストン(Folkstone)の St. Michael’s Cottage Hospital に勤務していた際、そこに地雷で全身を、特に左腕を負傷した50歳近くのアーサー・ビショップボーン大尉(Captain Arthur Bishopbourne)が運ばれてきた。その後、負傷は癒えたものの、左腕には麻痺が残った上に、精神疾患もあり、治療が続いていた。彼は、通常、非常に温和であるが、何かの拍子にとても狂暴になり、特に女性の看護師に対して攻撃的になることが多々あった。彼女は、彼の精神治療の記録から、彼が「切り裂きジャック」なのではないか、と考えていた。
村の郵便局にある掲示板で見つけた求人広告に応募して、彼女は、Trawden House のメイドの仕事に就くことになった。金や銅等の取引で富を築き、Trawden House を所有していたランドルフ・ビショップボーン卿(Sir Randolph Bishopbourne)は1916年に、そして、妻のクララ・ビショップボーン(Lady Clara Bishopbourne)は1919年に亡くなり、現在、残された息子のアーサー・ビショップボーン大尉が、召使達と一緒に、暮らしているのだった。ただ、彼女が Trawden House で働くことに関して、郵便局の女主人や彼女が部屋を借りているパブのバーメイド達は、あまり良い顔をしなかった。
彼女によると、昨年のクリスマスイヴの晩、Trawden House から10キロ弱離れた町で、Valerie Blye という娼婦が、身体中を39箇所も刺されて殺害されるという事件も発生していたのである。

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「切り裂きジャック」をテーマにしたパブの看板(その3)

その後も、毎日のように届く彼女の報告書の束と、それらに基づくホームズとワトスンによる推理が繰り返されて行く。
ランドルフ・ビショップボーン卿が経営していた Bishopbourne Cooper & Gold 会社は、ロンドンのホワイトチャペル地区内にあるコマーシャルストリート(Commercial Street)にオフィスを有しており、「切り裂きジャック」事件が発生した当時(1888年)、18歳のアーサー・ビショップボーンは、修行も兼ねて、召使達付きで、当該オフィスの責任者として、故郷のランカシャー州から派遣されていたことが判った。更に、最後と言われている「切り裂きジャック」事件が発生した後、1ヶ月もしないうちに、何故か、当該オフィスは閉鎖されていたことも判明する。

そして、1888年以降、闇に包まれたままだった「切り裂きジャック」の正体が、ホームズ達によって、明らかにされる。

 本作品は、あくまでも完全なフィクションではあるが、こういったストーリー展開もあるのかと、なかなかサスペンス的なドキドキもあって、非常に面白かった。 

2020年9月5日土曜日

シャーロック放映10周年記念切手2「ピンク色の研究 / ジョン・ヘイミッシュ・ワトスン」(Sherlock - A Study in Pink / John Hemish Watson)

シャーロック記念切手の2番目は、
シーズン1のエピソード1に該る「ピンク色の研究」と
シャーロック・ホームズの同居人かつ相棒であるジョン・ヘイミッシュ・ワトスン

前回に引き続き、「シャーロック(Sherlock)」<サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)原作のシャーロック・ホームズシリーズを翻案して、舞台をヴィクトリア朝時代のロンドンから21世紀のロンドンに置き換え、自称「コンサルタント探偵」のシャーロック・ホームズが、同居人かつ相棒であるジョン・ヘイミッシュ・ワトスンと一緒に、スマートフォンやインターネット等の最新機器を駆使して、事件を解決する様を描くTVドラマで、英国 BBC が制作の上、2010年7月から BBC1 で放映>の放映10周年を記念して、2020年8月18日に英国ロイヤルメール(Royal Mail)から発行された記念切手について、紹介していきたい。

「ピンク色の研究(A Study in Pink)」は、「シャーロック」では、シーズン1のエビソード1(通算でも、エピソード1)に該り、2010年7月25日に英国 BBC1 で放映されている。なお、日本放送日は、2011年8月22日。

この記念切手では、シャーロック・ホームズの同居人かつ相棒であるジョン・ヘイミッシュ・ワトスン(John Hemish Watson)がメインとなっている。
英国の俳優であるマーティン・フリーマン(Martin Freeman:1971年ー)が、ジョン・ワトスンを演じている。

記念切手の背景には、アフガニスタン紛争に軍医として従軍したものの、負傷し帰国した後、PTSD に悩まされていたジョン・ワトスンが、セントバーソロミュー病院(St. Bartholomew’s Hospital→2014年6月14日付ブログで紹介済)の元同僚で、久し振りに会ったマイク・スタンフォードからルームシェアの相手を探しているシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes→2020年8月29日付ブログで紹介済)を紹介され、ベーカーストリート221B(221B Baker Street)において、彼と同居を始めた場面が描かれている。

「ピンク色の研究」は、コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズシリーズのうち、記念すべき第1作に該る「緋色の研究(A Study in Scarlet→2016年7月30日付ブログで紹介済)」(1887年)を原案としている。