2017年10月14日土曜日

ロンドン ビショップスゲート地区(Bishopsgate)−その2

2012年のロンドンオリンピック / パラリンピックの際、
ロンドンの観光名所約60箇所に、
その場所をテーマにしたマスコットのウェンロック(Wenlock) /
マンデヴィル(Mandeville)が設置された。
写真は、ビショップスゲート通り沿いに設置された
ビショップスゲートウェンロック(Bishopsgate Wenlock)

サー・アーサー・コナン・ドイル作「四つの署名(The Sign of the Four)」(1890年)において、バーソロミュー・ショルトの殺害現場で、スコットランドヤードのアセルニー・ジョーンズ警部(Inspector Athelney Jones)がシャーロック・ホームズに出会った際に、話題にした宝石盗難事件があったビショップゲート(Bishopgate)と言うのは、正確には、ビショップスゲート(Bishopsgate)で、ロンドンの経済活動の中心地であるシティー・オブ・ロンドン(City of London)内の北東にある地区のことだと思われる。

リヴァプールストリート駅の東側入り口

ビショップスゲートとは、元々、ローマ時代にシティー・オブ・ロンドンを防衛するために築かれたロンドンウォール(London Wall)の門で、15世紀後半に再建された「司教の門(Bishop’s Gate)」に因んで、その門があった地区が「ビショップスゲート」と呼ばれるようになった。

リヴァプールストリート駅の構内

ビショップスゲート地区とは別に、その地区内にはビショップスゲート通り(Bishopsgate)がある。
地下鉄モニュメント駅(Monument Tube Station)から北上するグレースチャーチストリート(Gracechurch Street)がコーンヒル通り(Cornhill) / レデンホールストリート(Leadenhall Streetー2014年10月5日付ブログで紹介済)と交差したところで、ビショップスゲート通りと名前を変えて、リヴァプールストリート駅(Liverpool Street Stationー2016年2月27日付ブログで紹介済)を左手に見て、そして、以前存在したスピタルフィールズマーケット(Spitalfields Market)を右手に見て、北側はプリムローズストリート(Primrose Street) / スピタルスクエア(Spital Square)まで延びている。

以前はスピタルフィールズマーケットだったが、
ショッピングモールに再開発された

特に、ビショップスゲート通りの東側は、切り裂きジャック(Jack the Ripper)事件が発生したホワイトチャペル(Whitechapel)に近いシティー・オブ・ロンドンとの端ということもあって、再開発が遅れていたが、シティー・オブ・ロンドン内に流入する企業が非常に多いため、シティー・オブ・ロンドンの中心部だけでは需要に供給が追い付かず、近年、ビショップスゲート通り沿いを含むビショップスゲート地区におけるビルの再開発が顕著である。ビショップスゲート通り沿いには、「ヘロンタワー(Heron Towerー110 Bishopsgate)」等の高層ビルや欧州復興開発銀行(Euroepan Bank for Reconstruction and Development)が入居するビル等が建ち並んでいる。また、スピタルフィールズマーケットも再開発され、跡地にはショッピングモールが入ったビルが建設されている。

再開発されたショッピングモール前に置かれているオブジェ

1993年4月24日の夜間、当時、香港上海銀行が入居していたビショップスゲート99番地のオフィスビルの前で、IRA がトラックに仕掛けた爆弾が爆発して、オフィスビルの前面は甚大な被害を被った。その際、ジャーナリストが1名死亡し、40名以上が負傷している。当時、同ビルには、都市銀行の一つである東海銀行ロンドン支店も入居しており、同行も被害を被り、オフィス移転を余儀なくされ、前述の欧州復興開発銀行が入居するビルへと移転している。

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