2024年3月17日日曜日

ハリー・ポッター(Harry Potter)記念切手 - その3

 2023年10月19日に、英国のロイヤルメール(Royal Mail)から、英国の作家 / 慈善家 / 映画プロデューサー / 脚本家である J・K・ローリング(J. K. Rowling)こと、ジョアン・ローリング(Joanne Rowling:1965年ー)作ハリー・ポッター(Harry Potter)シリーズに関する16種類の記念切手が発行されたので、前々回と前回に続き、御紹介したい。

2回目は、ハリー・ポッターシリーズに出てくる妖精や生物である。


< Hedwig >

< Aragog >

< Dobby >

< Crookshanks >

< Buckbeak >

< Fawkes >

< Creatres & Beings Miniature Sheet >

2024年3月16日土曜日

横溝正史作「本陣殺人事件」(The Honjin Murders by Seishi Yokomizo)- その1

英国のプーシキン出版(Pushkin Press)から
2019年に刊行されている
 Pushkin Vertigo シリーズの一つである

横溝正史作「本陣殺人事件」の表紙
(Cover design by Anna Morrison)


「本陣殺人事件(The Honjin Murders)」は、日本の推理作家である横溝正史(Seishi Yokomizo:1902年ー1981年)による長編推理小説で、金田一耕助(Kosuke Kindaichi)シリーズの第1作目に該る。


「本陣殺人事件」は、1946年(昭和21年)4月から同年12月にかけて、雑誌「宝石」に連載された。

その後、金田一耕助シリーズの第2作目に該る「獄門島(Death on Gokumon Island → 2024年3月4日 / 3月6日 / 3月8日 / 3月10日付ブログで紹介済)」が、1947年(昭和22年)1月から1948年(昭和23年)10月にかけて、雑誌「宝石」に連載されている。


「本陣殺人事件」は、作者である横溝正史にとって、第二次世界大戦(1939年ー1945年)/ 太平洋戦争(1941年ー1945年)後最初の長編推理小説で、雑誌「宝石」の編集長から連載の依頼を受けた横溝正史は、本格中の本格に該る(1)「密室殺人」、(2)「一人二役」、あるいは、(3)「顔のない死体」の3大トリックのうちのいずれかに取り組むことを考えていた。3大トリックのうち、「顔のない死体」について、横溝正史は、「神楽太夫」で既に使用していたので、米国の推理作家で、「不可能犯罪の巨匠」とも呼ばれているジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr:1906年ー1977年)が得意とする「密室殺人」をテーマにすることにした。


密室トリックに関しては、本作品中において、探偵役である金田一耕助が、推理の根拠として、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)によるシャーロック・ホームズシリーズの「ソア橋の謎(The Problem of Thor Bridge → 2021年6月5日 / 6月13日 / 6月27日付ブログで紹介済)」を引き合いに出しているが、作者の横溝正史自身は、「本陣殺人事件」を執筆する上で、米国の推理作家であるロジャー・スカーレット(Roger Scarlett)作「エンジェル家の殺人(Murder Among the Angells)」(1932年)に着想を得たと語っている。


また、探偵役である金田一耕助については、ロンドンのキルバーン(Kilburn)生まれのスコットランド人で、児童文学作家、劇作家、そして、詩人として有名なアラン・アレクサンダー・ミルン(Alan Alexander Milne:1882年ー1956年)作「赤い館の秘密(The Red House Mystery → 2024年2月25日 / 2月29日 / 3月2日付ブログで紹介済)」(1921年に発表+1922年に単行本化)に登場する素人探偵(private sleuthhound)のアントニー・ギリンガム(Antony Gillingham)を、作者の横溝正史がモデルにしたことで知られている。

実際、本作品中において、金田一耕助が、アントニー・ギリンガムに似ていると言う描写が出てくる。


作者の横溝正史によると、アントニー・ギリンガムが探偵役を務めるのは、「赤い館の秘密」の1作のみのため、金田一耕助の登場を、「本陣殺人事件」だけにする予定であった。

ところが、「本陣殺人事件」の執筆中に、雑誌「宝石」の編集長から「次の作品を書いてほしい。」と言う依頼があり、全く別の探偵を考えるのが面倒だったため、「本陣殺人事件」限りの予定だった金田一耕助をそのまま「獄門島」の探偵として使い続けた、とのこと。


2024年3月15日金曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その35

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(83)ゴルフクラブ(golf clubs)



本ジグソーパズル内において、アガサ・クリスティーが腰掛けている椅子の左側にある本棚の右側に、かつ、サーフボードの前に、ゴルフクラブが置かれている。


これから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1923年に発表したエルキュール・ポワロシリーズ作品「ゴルフ場殺人事件(The Murder on the Links)」である。本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第3作目に該り、エルキュール・ポワロシリーズの長編のうち、第2作目に該っている。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「ゴルフ場殺人事件」のペーパーバック版の表紙

1923年のある日、エルキュール・ポワロは、朝食の席で郵便物に目を通していたが、名探偵としての彼の興味を引くものは皆無で、残念ながら、取るに足らない陳腐な依頼ばかりであった。その結果、次から次へと、届いた手紙は、彼によって放り投げられることとなった。

その時、ある手紙に、ポワロは手をとめた。それは、フランス、南ランスのメルランヴィル(Merlinville-sur-Mer)にあるジュネヴィエーヴ荘(Villa Genevieve)に住むポール・ルノー(Paul Renauld)からで、「急ぎのお越しを請う!」という内容だった。手紙によると、彼には、命の危険が迫っているようだったが、絶対に明らかにはできない重大な秘密があるため、フランスの地元警察へは行けず、「ベルギー警察に、その人あり。」と言われたポワロに対して、助けを求めてきたのである。


ポール・ルノーからの手紙に興味を覚えたポワロは、急いで出発の準備を整えると、友人で、かつ、相棒でもあるアーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings)を伴い、英仏海峡を渡り、英国(ドーヴァー(Dover))からフランス(カレー(Calais))へと向かった。


翌日、ポワロとヘイスティングス大尉の二人は、メルランヴィルのジュヌヴィエーヴ荘に到着するが、別荘の門のところで、地元警察の巡査によって、行く手を遮られる。

驚いたことに、ジュヌヴィエーヴ荘の主人で、南米で富を築いた富豪であるポール・ルノーは、今朝、既に殺害されていたのである。残念なことに、ポワロは間に合わなかったのだ。


ポール・ルノーの妻であるエロイーズ・ルノー(Eloise Renauld)によると、前の晩、二人組の暴漢が夫妻の寝室に侵入して来て、ルノー夫人は、縛り上げられた上に、猿轡(さるぐつわ)をかまされた。そして、彼女の夫(ポール・ルノー)は、下着の上にコートを羽織っただけという格好で、犯人達によって、無理やり戸外へと連れ出された、とのこと。

翌日の早朝、彼女の夫は、短剣で背中を刺されて、ジュネヴィエーヴ荘のすぐ隣りにあるゴルフ場予定地に掘られた墓穴に倒れているのを、ルノー家の使用人達が発見したのである。二人組の暴漢は、わざわざ、墓穴を掘りながらも、ポール・ルノーの死体を埋めずに、そのまま放置するという非常に不可解な行動をとっていた。


間に合わなかったものの、英国からフランスまで遥々やって来たポワロは、自らの手で犯人達を見つけ出すことを誓った。幸いなことに、地元警察のリュシアン・ベー署長(Lucien Bex / Commissionary of Police for Merlinville-sur-Mer)は、彼の到着を歓迎してくれたので、早速、ポワロは捜査を開始する。

まもなく、オート予審判事(Monsieur Hautet / Examining Magistrate)による要請に基づき、パリ警察から名刑事としての呼び声が高いジロー刑事(Monsieur Giraud / Detective of the Paris Surete)が現場に派遣されることになり、ポワロとジロー刑事による推理合戦の火蓋が切って落とされることとなった。


2024年3月14日木曜日

ハリー・ポッター(Harry Potter)記念切手 - その2

2023年10月19日に、英国のロイヤルメール(Royal Mail)から、英国の作家 / 慈善家 / 映画プロデューサー / 脚本家である J・K・ローリング(J. K. Rowling)こと、ジョアン・ローリング(Joanne Rowling:1965年ー)作ハリー・ポッター(Harry Potter)シリーズに関する16種類の記念切手が発行されたので、前回に続き、御紹介したい。

2回目は、主人公であるハリー・ポッターの最大最強の敵で、闇の魔法使いであるヴォルデモート卿(Lord Voldemort)側の登場人物である。


< Bellatrix Lestrange & Narcissa Malfoy >


< Fenrir Greyback & Scabior >

< Lord Voldemort & a Death Eater >

< Severus Snape & Alecto Carrow >

< Draco Malfoy & Gregory Goyle >


2024年3月13日水曜日

横溝正史作「獄門島(Death on Gokumon Island)」の作中で用いられた俳句

英国のプーシキン出版(Pushkin Press)から
2022年に刊行されている
 Pushkin Vertigo シリーズの一つである

横溝正史作「獄門島」の内扉
(Cover design by Anna Morrison)


日本の推理作家である横溝正史(Seishi Yokomizo:1902年ー1981年)による長編推理小説で、金田一耕助(Kosuke Kindaichi)シリーズの一つである「獄門島(Death on Gokumon Island → 2024年3月4日 / 3月6 / 3月8日 / 3月10日付ブログで紹介済)」の作中において、「見立て殺人」のために用いられた俳句とその英訳版について、今回は紹介したい。


なお、英訳版に関しては、英国のプーシキン出版(Pushkin Press)から2022年に刊行されている Pushkin Vertigo シリーズの一つである横溝正史作「獄門島」から抜粋する。

「獄門島」は、Louise Heal Kawai によって英訳されている。彼女は、英国のマンチェスター(Manchester)出身で、1990年より日本在住である。


*第1の殺人<被害者:鬼頭 花子(Hanako Kito)>


「鶯の身を 逆さまに 初音かな」


英訳版: Bush warbler upended in its tree - first song of spring.


*第2の殺人<被害者:鬼頭 雪枝(Yukie Kito)>


「むざんやな 冑の下の きりぎりす」


英訳版: How tragic - beneath the helmet, a hidden cricket.


*第3の殺人<被害者:鬼頭 月代(Tsukiyo Kito)>


「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」


英訳版: In the same lodge sleep courtesans - moon and bush clover.


第1の殺人に用いられた俳句の作者は、江戸時代前期の俳諧師で、江戸(現在の東京都)出身の「宝井 其角(たからい そかく:寛文元年(1661年)ー宝永4年(1707年))」である。


第2と第3の殺人に用いられた俳句の作者は、江戸時代前期の俳諧師で、伊賀国(現在の三重県)出身の「松尾 芭蕉(まつお ばしょう:寛永21年(1644年)ー元禄7年(1694年))」で、両方とも、紀行文「おくのほそ道(The Narrow Road to the Deep North)」(元禄15年(1702年))に収録されている。


2024年3月12日火曜日

アガサ・クリスティーの世界<ジグソーパズル>(The World of Agatha Christie )- その34

英国の Orion Publishing Group Ltd. から出ている「アガサ・クリスティーの世界(The World of Agatha Christie)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)の生涯や彼女が執筆した作品等に関連した90個の手掛かりについて、前回に続き、紹介していきたい。


今回も、アガサ・クリスティーが執筆した作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(82)誹謗中傷の手紙(poison pen letters)



本ジグソーパズル内において、アガサ・クリスティーが腰掛けている椅子の右下に、一人掛けのソファーが置かれているが、その上に座る彼女の飼い犬の前足が、誹謗中傷の手紙を押さえている。


これから連想されるのは、アガサ・クリスティーが1942年に発表したミス・ジェイン・マープルシリーズ作品「動く指(The Moving Finger)」である。本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第33作目に該り、ミス・ジェイン・マープルシリーズの長編のうち、第3作目に該っている。


英国の Harper Collins Publishers 社から出版されている
アガサ・クリスティー作ミス・ジェイン・マープルシリーズ
「動く指」のペーパーバック版の表紙
<イラスト:ビル・ブラッグ氏(Mr. Bill Bragg)>

戦時中の飛行機事故によって重傷を負ったジェリー・バートン(Jerry Burton)は、医者の勧めを受けて、妹のジョアナ(Joanna Burton)の介護の下、ロンドンからリムストック(Lymstock)へ静養にやって来て、丘の上の家を借りた。

それは、丘の上の家の静かな佇まいが二人の気に入ったこともあるが、二人とも、リムストックに来たのが初めてで、近所に知り合いが居ないことも、プラス要因だった。


ジェリーとジョアナの二人が丘の上の家に落ち着いて、まもなく、


*大家である老齢のエミリー・バートン(Miss Emily Barton)

*弁護士であるリチャード・シミントン(Mr. Richard Symmington)の妻のモナ・シミントン(Mrs. Mona Symmington)

*医師であるオーウェン・グリフィス(Dr. Owen Griffith)の妹のエメ・グリフィス(Aimee Griffith)

*牧師であるケイレブ・デイン・カルスロップ(Reverend Caleb Dane Calthrop)の妻のモード・デイン・カルスロップ(Mrs. Maud Dane Calthrop)

*修道院長の末裔であるパイ氏(Mr. Pye)


といった面々が、ジェリーとジョアナの二人の元を次々と訪れる。


彼らの訪問から1週間程が経った頃、ジェリーとジョアナの二人は、差出人不明の手紙を受け取った。その手紙には、「ジェリーとジョアナは、本当の兄弟ではない。」と言う内容が、下品な表現で書かれていた。所謂、誹謗中傷の手紙だった。

手紙の内容を読んだジョアナは、一旦は憤慨するものの、結局は面白がった。一方、ジェリーは、馬鹿馬鹿しいと思い、手紙を暖炉にくべた。ジェリーは、表面上は、平然とした風を装っていたが、内心は穏やかではなかった。

そこで、ジェリーは、オーウェン・グリフィス医師が往診に来た際、彼に匿名の手紙のことを打ち明ける。ジェリーから話を聞いたグリフィス医師によると、リムストック内では、以前から住民を誹謗中傷する怪文書が出回っている、とのことだった。グリフィス医師も、その怪文書の被害者だったし、シミントン弁護士も、その中に含まれていた。


そして、匿名の怪文書は、新たな悲劇を引き起こす。リムストックの住民達が恐れていたことが、遂に、手紙の受取人の自殺と言う形で、現実のものとなったのである。シミントン弁護士の妻であるモナが、服毒死を遂げたのだ。


2024年3月11日月曜日

ハリー・ポッター(Harry Potter)記念切手 - その1

2023年10月19日に、英国のロイヤルメール(Royal Mail)から、英国の作家 / 慈善家 / 映画プロデューサー / 脚本家である J・K・ローリング(J. K. Rowling)こと、ジョアン・ローリング(Joanne Rowling:1965年ー)作ハリー・ポッター(Harry Potter)シリーズに関する16種類の記念切手が発行されたので、3回に分けて御紹介したい。

1回目は、主人公であるハリー・ポッター側の登場人物である。


< Ron Weasley & The Weasley Twins >


< Minerva McGonagall & Kingsley Shacklebolt >


< Harry Potter & Ginny Weasley>

< Neville Longbottom & Luna Lovegood>

< Hermione Granger & Molly Weasley >