2025年7月4日金曜日

コナン・ドイル作「高名な依頼人」<英国 TV ドラマ版>(The Illustrious Client by Conan Doyle )- その1

英国の俳優であるジェレミー・ブレットが主人公のシャーロック・ホームズを演じた
英国のグラナダテレビジョン制作の「シャーロック・ホームズの冒険」の
「高名な依頼人」における1場面 -
シャーロック・ホームズ博物館(Sherlock Holmes Museum)において、絵葉書として販売されていた。

シャーロック・ホームズは、
アデルバート・グルーナー男爵が放った2人組の暴漢に襲われて、大怪我を負ってしまう。
仕事で外出先に居たジョン・H・ワトスンは、
「シャーロック・ホームズ氏 襲撃される」と言う新聞売りの声を聞き、
新聞を買い、その記事を読んで、非常に驚くのだった。

コナン・ドイルの原作の場合、ホームズが襲撃された場所は、
カフェロイヤル(Cafe Royal → 2014年11月30日付)の外の
リージェントストリート(Regent Street)の路上で、
襲撃された時間は朝だった。
一方、英国 TV ドラマ版の場合、ホームズが襲撃された場所は、
夕食を一緒に食べたワトスンと別れた後、
一人でベーカーストリート221B へと戻る途中の路上で、
襲撃された時間は夜だった。

「シャーロック・ホームズ氏 襲撃される」と言う新聞の見出しは、
原作の場合、「MURDEROUS  ATTACK UPON SHERLOCK HOLMES」となっているが、
英国 TV ドラマ版の場合、「MURDEROUS  ATTACK ON SHERLOCK HOLMES」となっている。

なお、英国 TV ドラマ版において、
ワトスンは、道の中央に立っていた新聞売り(画面右奥の人物)から、新聞を買っているので、
厳密に言うと、映像上、このような場面は存在していない。

サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年ー1930年)作「高名な依頼人(The Illustrious Client → 2025年6月18日 / 6月23日 / 6月27日付ブログで紹介済)」は、シャーロック・ホームズシリーズの短編小説56作のうち、50番目に発表された作品で、英国の「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1925年2月号と同年3月号に、また、米国の「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1924年11月8日号に掲載された。

同作品は、1927年に発行されたホームズシリーズの第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」に収録されている。


本作品は、英国のグラナダテレビ(Granada Television Limited)が制作した「シャーロック・ホームズの冒険(The Adventures of Sherlock Holmes)」(1984年ー1994年)において、TV ドラマとして映像化された。具体的には、第5シリーズ(The Case-book of Sherlock Holmes)の第5エピソード(通算では第31話)として、英国では1991年に放映されている。


配役は、以下の通り。


(1)シャーロック・ホームズ → ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett:1933年ー1995年)

(2)ジョン・H・ワトスン → エドワード・ハードウィック(Edward Hardwicke:1932年ー2011年)


(3)ハドスン夫人(Mrs. Hudson)→ Rosalie Williams


<事件関係者>

(4)アデルバート・グルーナー男爵(Baron Adelbert Gruner:オーストリアの貴族で、現在、英国のキングストン(Kingston)近くのヴァーノンロッジ(Vernon Lodge)に居住)→ Anthony Valentine

(5)グルーナー男爵夫人(Baroness Gruner:アデルバート・グルーナー男爵の妻)→ Carol Noakes

(6)サー・ジェイムズ・デマリー大佐(Colonel Sir James Damery:今回の事件の表向きの依頼人)→  David Langton

(7)ヴァイオレット・ド・メルヴィル(Violet de Merville:ド・メルヴィル将軍(General de Merville)の令嬢で、アデルバート・グルーナー男爵の婚約者)→ Abigail Cruttenden

(8)ジャーヴィス(Jarvis:アデルバート・グルーナー男爵の執事)→ John Pickles

(9)キティー・ウィンター(Kitty Winter:アデルバート・グルーナー男爵の元愛人で、被害者)→ Kim Thomson

(10)シンウェル・ジョンスン(Shinwell Johnson:ロンドンの裏社会に通じた情報屋で、ホームズの協力者)→ Roy Holder


(3)

ハドスン夫人は、原作には登場しないが、英国 TV ドラマ版には登場している。


(5)

グルーナー男爵夫人は、原作の場合、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)を訪れたサー・ジェイムズ・デマリー大佐とホームズ / ワトスンの間で、言及されているのみだが、英国 TV ドラマ版の場合、物語の冒頭において、映像として登場する。


(8)

アデルバート・グルーナー男爵の執事は、原作の場合、登場するものの、名前については、言及されていない。英国 TV ドラマ版の場合、「ジャーヴィス」と言う名前が与えられている。


0 件のコメント:

コメントを投稿