2024年9月20日金曜日

ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その18A

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2024年に発行されている「ミス・マープルの世界(The World of Miss Marple)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズの登場人物や各作品に関連した68個の手掛かりについて、前回に引き続き、順番に紹介していきたい。


今回も、ミス・マープルが登場する作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(50)ヴァイオレットクリーム(violet creams)



ヴァイオレットクリームが載った皿が、ジズソーパズルの左下に立つドリー・バントリー(Mrs. Dolly Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)と夫のアーサー・バントリー大佐(Colonel Arthur Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)の右手前にあるテーブルの上、真ん中に置かれている。


(51)ホテルのドア係(doorman)



ホテルのドア係が、ジズソーパズルの右上に建つ家の扉口のところに立っている。


(52)マフィンとシードケーキ(muffins and seed cake)



マフィンとシードケーキが載った皿が、ジズソーパズルの左下に立つドリー・バントリーと夫のアーサー・バントリー大佐の右手前にあるテーブルの上、やや右寄りに置かれている。


これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1965年に発表したミス・マープルシリーズ作品の「バートラムホテルにて(At Bertram’s Hotel)」である。本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第56作目に該り、ミス・マープルシリーズの長編のうち、第10作目に該っている。


ビル・ブラッグ氏Mr. Bill Braggが描く
ミス・マープルシリーズの長編第10作目である
「バートラムホテルにて」の一場面


ビル・ブラッグ氏によるイラストには、

若き遺産相続人であるエルヴィラ・ブレイクが、旅行鞄を持って、

バートラムホテルのレセプションの前に佇んでいるシーンが描かれている。

Harper Collins Publishers 社から出版されている

「バートラムホテルにて」のペーパーバック版の表紙には、

ビル・ブラッグ氏によるイラストが、

ルームキーの形に切り取られているものが使用されている。


                                  

2024年9月19日木曜日

ロンドン ベスナルグリーン地区(Bethnal Green)


アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)によるミス・マープルシリーズの長編第6作目「ポケットにライ麦を(A Pocket Full of Rye)」(1953年)の場合、ロンドンにある投資信託会社の社長であるレックス・フォーテスキュー(Rex Fortescue)が、オフィスにおいて、朝の紅茶を飲んだ後、急逝したため、スコットランドヤードのニール警部(Inspector Neele)が、捜査に入るところから、物語が始まる。



検死解剖の結果、レックス・フォーテスキューの体内から、イチイの木(yew tree)から抽出される毒性のアルカロイド(toxic alkaloid)であるタキシン(taxine)が見つかり、死因は、タキシンによる中毒であることが判明した。レックス・フォーテスキューは、朝食でとったマーマレードと一緒に、タキシンを摂取したものと思われた。

更に、レックス・フォーテスキューの着衣を調べたところ、不思議なことに、上着のポケットから、大量のライ麦(rye)が出てきたのである。



レックス・フォーテスキュー社長が急死した際、タイピスト室の主任であるミス・グリフィス(Miss Griffith - 16年勤務)が給仕を呼んで、「誰でもいいから、近所の医者を連れて欲しい。」と言い付けた。

一方、レックス・フォーテスキュー社長の個人用アドレス帳には、かかりつけの医者として、ハーリーストリート(Harley Street → 2015年4月11日付ブログで紹介済)のサー・エドウィン・サンドマンの名前が出ていた。


ベスナルグリーンガーデンズ内で見かけた栗鼠(その1)

「すこし経って、自動車が二台、ビルディングの前にとまって、ベスナル・グリーンのアイザック博士とエドウィン・サンドマン卿がエレベーターのなかでばったり出逢った。一人は電話で呼ばれ、一人は給仕が探しだしてきたのだった。」(宇野利泰訳)


ベスナルグリーンガーデンズ内で見かけた栗鼠(その2)


このことから、レックス・フォーテスキューが社長を務める投資信託会社は、ベスナルグリーン地区(Bethnal Green)内、もしくは、当地区の近辺に所在していると推定される。


V&A 子供博物館の正面玄関(その1)

ベスナルグリーン地区は、ロンドンの特別区であるタワーハムレッツ区(London Borough of Tower Hamlets)内にあり、ロンドン東部のイーストエンド(East End)の一部である。地理的に言うと、ベスナルグリーン地区は、シティー・オブ・ロンドン(City of London → 2018年8月4日 / 8月11日付ブログで紹介済)の北東方向に位置している。


V&A 子供博物館の正面玄関(その2)

ベスナルグリーン地区は、小さな集落から次第に発展して、その場所の大部分は、現在、同地区を南北に縦断するケンブリッジヒースロード(Cambridge Heath Road)と東西に延びるローマンロード(Roman Road)が交差する南東部分に所在するベスナルグリーンガーデンズ(Bethnal Green Gardens)として残っている。

その後、田園地帯として発展したベスナルグリーン地区は、教区(Parish)、メトロポリタン自治区(Metropolitan Borough)となり、最終的には、近隣地域と合併して、ロンドンの特別区であるタワーハムレッツ区の北西部となった。


V&A 子供博物館の正面玄関(その3)

ケンブリッジヒースロードとローマンロードが交差する北東部分には、ヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert Museum)の文官である V&A 子供博物館(V&A Museum of Childhood)が建っている。

同博物館は、2023年に Young V&A へ名前を改称して、建物の改修後、リニューアル開館している。


V&A 子供博物館の正面と左側面

筆者の個人的な所見で言うと、ベスナルグリーン地区は、シティー・オブ・ロンドンのの北東方向に位置しているものの、現在、オフィス街や高級住宅街ではなく、また、治安が非常に良い地区とも決して言えない。

従って、レックス・フォーテスキューが社長を務める投資信託会社が、ベスナルグリーン地区内、もしくは、当地区の近辺に所在していると言うことには、個人的には、やや違和感がある。


2024年9月18日水曜日

ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その17B

ビル・ブラッグ氏Mr. Bill Braggが描く
ミス・マープルシリーズの長編第9作目である
「カリブ海の秘密」の一場面


ビル・ブラッグ氏によるイラストには、

ある女性(モリー・ケンダル?)が、部屋のベランダに佇み、

椰子(ヤシ)棕櫚(シュロ)の樹越しに、

カリブ海を眺めているシーンが描かれている。

Harper Collins Publishers 社から出版されている

「カリブ海の秘密」のペーパーバック版の表紙には、

ビル・ブラッグ氏によるイラストが、

棕櫚の葉の形に切り取られているものが使用されている。


今回、物語の舞台となるのは、いつも通りのロンドン郊外にあるセントメアリーミード村(St. Mary Mead)ではなく、カリブ海のサントノーレ島(St. Honore)にあるリゾートホテル「ゴールデンパーム(Golden Palm)」である。セントメアリーミード村に住むミス・マープルは、現在、このリゾートホテルに滞在していた。

実は、ミス・マープルは、前の冬に罹患した肺炎のため、ここのところ、体調を崩しており、そのため、甥のレイモンド・ウェスト(Raymond West → 2024年8月12日付ブログで紹介済)が、彼女のために、カリブ海での転地療養を手配してくれたのである。


ミス・マープルは、滞在客の一人であるパルグレイヴ少佐(Major Palgrave)から、あまり面白くない懐古話をよく聞かされて、少しばかり閉口していた。ミス・マープルとしては、パルグレイヴ少佐が披露する新聞が騒ぎ立てるような事件よりも、セントメアリーミード村で起きるような、平凡な人々の殺人事件の方に、より興味があった。


ある日、パルグレイヴ少佐は、ミス・マープルに対して、見たところ普通の男が新婚の若妻を殺したという話をしており、ミス・マープルも、彼の話を熱心に聞き入っていた。パルグレイヴ少佐は、ミス・マープルに、「その殺人犯の写真を見たいか?」と尋ねると、財布の中からその写真を取り出そうとした。

ところが、有閑階級の人々の取り留めのないのないおしゃべりが聞こえてくると、パルグレイヴ少佐は、彼が話題にした殺人犯の写真を彼女に見せてくれることはなく、突然、話題を変えてしまった。不思議に感じたミス・マープルが顔をあげると、二人の近くに、数人の人達が居るのが、目に入った。


翌朝、パルグレイヴ少佐が自室で無くなっているのを、ホテルのメイドであるヴィクトリア・ジョンスン(Victoria Johnson)が発見した。リゾートホテルに居る人達は、口を揃えて、パルグレイヴ少佐は高齢な上、高血圧だったことを死因だと指摘したが、ミス・マープルとしては、彼が殺されたことを確信した。

ミス・マープルは、パルグレイヴ少佐の検死を行った地元のグラハム医師(Dr. Graham)に依頼し、前の日にパルグレイヴ少佐が一旦は見せようとしていた写真を探してもらったが、残念ながら、見つからなかった。果して、その写真は、何処へ行ったのか?


ミス・マープルは、早速、リゾートホテルの人達への聞き込みを始めるのであった。


*ティム・ケンダル(Tim Kendal):リゾートホテルのオーナー

*モリー・ケンダル(Molly Kendal):リゾートホテルのオーナー / ティムの妻

*ジェレミー・プレスコット(Jeremy Prescott):牧師

*ジョーン・プレスコット(Joan Prescott):牧師の妹

*グレゴリー・ダイスン(Gregory Dyson):米国人

*ラッキー・ダイスン(Lucky Dyson):グレッグが再婚した妻

*エドワード・ヒリンドン(Edward Hillingdon):植物学者 / ラッキーと不倫中。

*エヴリン・ヒリンドン(Evelyn Hillingdon):植物学者 / エドワードの妻

*ジェイスン・ラフィール(Jason Rafiel → 2024年8月14日付ブログで紹介済):車椅子に乗った実業家(イングランド北部でスーパーマーケットの大チェーン店を経営)

*エスター・ウォルターズ(Esther Walters):ラフィール氏の秘書

*アーサー・ジャクスン(Arthur Jackson):ラフィール氏の看護師兼付き人

*セニョーラ・デ・カスペアロ(Senora de Caspearo):ミス・マープルが海岸で出会った休暇中の女性


パルグレイヴ少佐を殺害した犯人は、一体、誰なのか?

被害者は、パルグレイヴ少佐だけにとどまらず、更に続くのであった。


(47)義眼(glass eye)



最初の被害者となるパルグレイヴ少佐の左目には、義眼が入っている。


(48)プランターパンチ(Planter’s Punch)



自分を保身しようとする犯人に危険視されたパルグレイヴ少佐は、プランターパンチ(カクテル)が入ったグラスに毒を混入されて、殺害された。


(49)フェイスクリームの瓶(jar of face cream)



物語の後半、アーサー・ジャクスンは、あることを調べるために、リゾートホテルのオーナーであるティム・ケンダルとモリー・ケンダルが住むバンガローに侵入する。そして、彼が洗面台の上の棚を物色して、フェイスクリームの瓶を手に持って立っている現場を、ミス・マープルにおさえられる。

ミス・マープルがフェイスクリームの瓶を調べさせたところ、ベラドンナがフェイスクリームに入れられており、これを顔に塗ったモリー・ケンダルは、犯人の計画通り、一時的な記憶喪失に見舞われたのである。


2024年9月17日火曜日

ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その17A

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2024年に発行されている「ミス・マープルの世界(The World of Miss Marple)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズの登場人物や各作品に関連した68個の手掛かりについて、前回に引き続き、順番に紹介していきたい。


今回も、ミス・マープルが登場する作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(47)義眼(glass eye)



義眼が、ジズソーパズルの右下に立つスラック警部(Inspector Slack → 2024年8月20日付ブログで紹介済)の背後の地面の上に落ちている。


(48)プランターパンチ(Planter’s Punch)



プランターパンチが入ったグラスが、ジズソーパズルの右下に立つルーシー・アイルズバロウ(Lucy Eyelesbarrow → 2024年8月10日付ブログで紹介済)の右手の中にある。


(49)フェイスクリームの瓶(jar of face cream)



フェイスクリームの瓶が、ジズソーパズルの右上に建つ家の扉口の左側に置かれている5つの鉢植えの更に左側の地面の上に落ちている。


これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1964年に発表したミス・マープルシリーズ作品の「カリブ海の秘密(A Caribbean Mystery)」である。本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第55作目に該り、ミス・マープルシリーズの長編のうち、第9作目に該っている。


ビル・ブラッグ氏Mr. Bill Braggが描く
ミス・マープルシリーズの長編第9作目である
「カリブ海の秘密」の一場面


ビル・ブラッグ氏によるイラストには、

ある女性(モリー・ケンダル?)が、部屋のベランダに佇み、

椰子(ヤシ)/ 棕櫚(シュロ)の樹越しに、

カリブ海を眺めているシーンが描かれている。

Harper Collins Publishers 社から出版されている

「カリブ海の秘密」のペーパーバック版の表紙には、

ビル・ブラッグ氏によるイラストが、

棕櫚の葉の形に切り取られているものが使用されている。


                                  

2024年9月16日月曜日

ケンブリッジ大学創立800周年記念 / ヘンリー・ド・ウィントン + ジョン・チャールズ・シリング(800th Anniversary of the University of Cambridge / Henry de Winton + John Charles Thring)

ケンブリッジ大学創立800周年を記念して、
英国の児童文学作家 / イラストレーターであるクェンティン・ブレイクが描いた
ヘンリー・ド・ウィントン / ジョン・チャールズ・シリングの絵葉書
<筆者がケンブリッジのフィッツウィリアム博物館(Fitzwilliam Museum
→ 2024年7月20日 / 7月24日付ブログで紹介済)で購入>


2009年にケンブリッジ大学(University of Cambridge)が創立800周年を迎えたことを記念して、英国の児童文学作家 / イラストレーターであるクェンティン・ブレイク(Quentin Blake:1932年ー)が、ケンブリッジ大学に関係する人物を描いて、寄贈した。


ケンブリッジ大学の創立800周年を記念して、クェンティン・ブレイクが描いた人物達について、(1)アイザック・ニュートン(Issac Newton:1642年―1727年 → 2024年5月26日 / 5月30日付ブログで紹介済)、(2)チャールズ・ロバート・ダーウィン(Charles Robert Darwin:1809年ー1882年 → 2024年6月9日 / 6月13日付ブログで紹介済)、(3)ヘンリー8世(Henry VIII:1491年ー1547年 在位期間:1509年ー1547年 → 2024年7月26日付ブログで紹介済)、(4)ジョン・ディー(John Dee:1527年ー1608年、または、1609年 → 2024年7月30日付ブログで紹介済)、(5)オリヴァー・クロムウェル(Oliver Cromwell:1599年ー1658年 → 2024年8月4日付ブログで紹介済)、(6)ジョン・ミルトン(John Milton:1608年ー1674年 → 2024年8月17日付ブログで紹介済)、(7)ウィリアム・ウィルバーフォース(William Wilberforce:1759年ー1833年 → 2024年8月21日付ブログで紹介済)や(8)第6代バイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロン(George Gordon Byron, 6th Baron Byron:1788年ー1824年 → 2021年5月9日+2024年8月24日 / 8月30日付ブログで紹介済)に続き、順番に紹介していきたい。


9番目に紹介するのは、ヘンリー・ド・ウィントン(Henry de Winton)とジョン・チャールズ・シリング(John Charles Thring)の2人である。


(9)ヘンリー・ド・ウィントン(1823年ー1895年)/ ジョン・チャールズ・シリング(1824年ー1909年)


ヘンリー・ド・ウィントンは牧師、ジョン・チャールズ・シリングは牧師 / 教師で、ケンブリッジ大学在籍中に、「ケンブリッジルール(Cambridge Rules)」と呼ばれるフットボール(サッカー)のルールを作成した人物である。


ヘンリー・ド・ウィントンは、1823年11月7日、ウォルター・ウィルキンス牧師(Reverend Walter Wilkins)の四男として、ウェールズ(Wales)のポーイス(Powys)にあるヘイ-オン-ワイ(Hay-on-Wye)に出生。彼は、当初、「ヘンリー・ウィルキンス」と言う名前だったが、両親が先祖の姓である「ド・ウィントン」へと改名した結果、「ヘンリー・ド・ウィントン」となる。

ヘンリー・ド・ウィントンは、シュロップシャー州(Shropshire)の州都シュルーズベリー(Shrewsbury)のセヴァーン川(Rivr Severn)のほとりに建つ私立学校であるシュルーズベリー学校(Shrewsbury School)で学んだ後、ケンブリッジ大学のトリニティーカレッジ(Trinity College)に入学。


ジョン・チャールズ・シリングは、1824年6月11日、ジョン・ゲイル・ダルトン・シリング牧師(Reverend John Gale Dalton Thring)の五男として、サマセット州(Somerset)のアルフォード(Alford)に出生。

ヘンリー・ド・ウィントンは、ウィンチェスターカレッジ(Winchester College)、ヘンリー・ド・ウィントンと同じシュルーズベリー学校で学んだ後、ケンブリッジ大学のセントジョンズカレッジ(St. John’s College)に入学。


ケンブリッジ大学在籍中の1846年、ヘンリー・ド・ウィントンとジョン・チャールズ・シリングの2人は、フットボールクラブを創出したが、当時、フットボールは一般的ではなかったため、試合はあまり開催されず、その結果、フットボールクラブ自体は長く存続しなかった。

ただし、彼らが当時作成した「ケンブリッジルール」(出典:Wikipedia)と呼ばれるフットボールのルールが、今日のルールと基礎となっている。


(1) A goal is scored whenever the ball is forced through the goal and under the bar, except it be thrown by hand.

(2) Hands may be used only to stop a ball and place it on the ground before the feet.

(3) Kicks must be aimed only at the ball.

(4) A player may not kick the ball whilst in the air.

(5) No tripping up or heel kicking allowed.

(6) Whenever a ball is kicked beyond the side flags, it must be returned by the player who kicked it, from the spot it passed the flag line in a straight line towards the middle of the ground.

(7) When a ball is kicked behind the line of goal, it shall be kicked off from that line by one of the side whose goal it is.

(8) No player may stand within six paces of the kicker when he is kicking off.

(9) A player is 'out of play' immediately he is in front of the ball, and must return behind the ball as soon as possible. If the ball is kicked by his own side past a player, he may not touch or kick it, or advance, until one of the other side has first kicked it, or one of his own side, having followed it up, has been able, when in front of him, to kick it.

(10) No charging allowed when a player is out of play; that is, immediately the ball is behind him.


その後、ケンブリッジ大学を卒業したヘンリー・ド・ウィントンは、1875年にブレコン(Brecon)の大執事(archdeacon - 司教(bishop)の次位)となり、1895年まで務めた。

インフルエンザに罹患した彼は、1895年4月7日に亡くなった。


同じく、ケンブリッジ大学を卒業したジョン・チャールズ・シリングは、1849年に執事(deacon - 司祭(priest)の次位)、1855年に副司祭(curate)となる。

1858年にリディア・メレディス(Lydia Meredith)と結婚した彼は、1859年に兄であるエドワード・シリング(Edward Thring:1821年ー1887年)が校長を務めるアッピンガム学校(Uppingham School)に教師助手として入り、1868年、または、1869年まで教師を務めた。

1870年に生まれ故郷であるアルフォードの副司祭に戻ると、1875年から1891年まで、ブラッドフォード(Bradford)の救貧院において、教戒師(chaplain)を務めたりした。

妻リディア・メレディスとの間に8人の子供(息子5人+娘3人)を設けたジョン・チャールズ・シリングは、1909年10月3日に死去している。


                                     

2024年9月15日日曜日

ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その16B

ビル・ブラッグ氏Mr. Bill Braggが描く
ミス・マープルシリーズの長編第8作目である
「鏡は横にひび割れて」の一場面


ビル・ブラッグ氏によるイラストには、

野戦病院協会支援のパーティーの席上、

米国の映画女優であるマリーナ・グレッグと

同協会の幹事であるヘザー・バドコックが会話をしているシーンが描かれている。

Harper Collins Publishers 社から出版されている

「鏡は横にひび割れて」のペーパーバック版の表紙には、

ビル・ブラッグ氏によるイラストが、

バドコック夫人が飲んで死亡する原因となった

推奨量の6倍もの精神安定剤が混入されたダイキリのグラスの形に

切り取られているものが使用されている。


気管支炎に罹患して、身体がひどく衰弱したミス・マープルのことを心配したヘイドック医師(Dr. Haydock → 2024年8月18日付ブログで紹介済)の進言もあり、甥のレイモンド・ウェスト(Raymond West → 2024年8月12日付ブログで紹介済)が手配したミス・ナイト(Miss Knight)が、ミス・マープルに対して、付き添いの介護をしている。

ミス・ナイトに加えて、セントメアリーミード村(St. Mary Mead)の新住宅地へ、夫のジム・ベイカー(Jim Baker)と一緒に引っ越して来たのが、チェリー・ベイカー(Cherry Baker → 2024年8月10日付ブログで紹介済)が、通いのメイドとして働いている。チェリー・ベイカーが、ミス・マープルのコテージ内の清掃を、また、彼女の夫のジム・ベイカーが、その他諸々の雑事を担当する。


そんな彼らの監視下をなんとか逃れたミス・マープルは、セントメアリーミード村内を散歩中に転んでしまうが、新住宅地の住民で、セントジョン野戦病院協会(St. John Ambulance)の幹事を務めるヘザー・バドコック(Mrs. Heather Badcock)に助けてもらった。

二人で紅茶を飲んでいる最中、ミス・マープルは、バドコック夫人から、「ゴシントンホール(Gossington Hall - ミス・マープルの親友であるドリー・バントリー(Dolly Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)が所有していた邸宅)」を購入して、最近、セントメアリーミード村に引っ越して来た米国の映画女優であるマリーナ・グレッグ(Marina Gregg)に、以前、会ったことがある。」という話を聞かされた。


セントメアリーミード村に引っ越して来たマリーナ・グレッグと彼女の夫で、映画監督であるジェイスン・ラッド(Jason Rudd)は、セントジョン野戦病院協会支援のためのパーティーを開催する。

そのパーティーには、以下の人物が招待されていた。


(1)バントリー夫人

(2)ローラ・ブルースター(Lola Brewster - 米国の映画女優で、マリーナの元夫と結婚)

(3)アードウィック・フェン(Ardwyck Fenn - マリーナの友人で、以前、マリーナと交際していた過去がある)

(4)ヘザー・バドコック

(5)アーサー・バドコック(Arthur Badcock - ヘザーの夫)


パーティーの席上、バドコック夫人は、マリーナを捕まえると、長い昔話を始めた。

バドコック夫人によると、数年前にマリーナがバミューダ(Bermuda)を訪れた際、当時そこで働いていた自分と会ったことがある、とのことだった。その時、バドコック夫人は病気だったが、マリーナの大ファンだったため、病床を推して、マリーナに会いに行き、彼女からサインをもらったと言う。

バドコック夫人とマリーナの二人の会話を近くで聞いていたバントリー夫人は、バドコック夫人が話している間、マリーナが非常に奇妙な表情を浮かべていたことに気付いた。

そうこうしていると、バドコック夫人が突然倒れて、死亡してしまったのである。


スコットランドヤードのダーモット・クラドック主任警部(Chief Inspector Dermot Craddock)/ ウィリアム・ティドラー部長刑事(Sergeant William Tiddler)、そして、地元警察のフランク・コーニッシュ警部(Inspector Frank Cornish)が捜査を担当する。

検死解剖の結果、バドコック夫人の死因は、推奨量の6倍もの精神安定剤を摂取したことによるもので、その精神安定剤は、マリーナが持っていたダイキリ(daiquiri)のグラス内に混入されており、自分の飲み物をこぼしたバドコック夫人に対して、マリーナがそのグラスを手渡したのであった。

ということは、実際には、マリーナ・グレッグの命が狙われていて、バドコック夫人は、その巻き添えに会ったということなのか?


警察の捜査が進む中、更に、二人の人物が殺されることになる。 


(43)ダイキリ(daiquiri)


セントメアリーミード村に引っ越して来たマリーナ・グレッグと彼女の夫で、映画監督であるジェイスン・ラッドが開催したセントジョン野戦病院協会支援のためのパーティーの席上、マリーナ・グレッグと話をしていたヘザー・バドコックが突然倒れて、死亡してしまった。

検死解剖の結果、バドコック夫人の死因は、推奨量の6倍もの精神安定剤を摂取したことによるもので、その精神安定剤は、マリーナ・グレッグが持っていたダイキリのグラス内に混入されており、自分の飲み物をこぼしたバドコック夫人に対して、マリーナ・グレッグが自分のグラスを手渡したのであった。


(44)噴霧器(atomizer)



ヘザー・バドコックに続いて、マリーナ・グレッグと彼女の夫で、映画監督であるジェイスン・ラッドの秘書であるエラ・ジーリンスキー(Ella Zielinsky)が、花粉症治療用の噴霧器に入れられた毒により、死亡してしまう。


(45)映画撮影用カメラ(film camera)



マリーナ・グレッグは映画女優で、彼女の夫であるジェイスン・ラッドは映画監督なので、映画撮影用カメラが、ジズソーパズル内に描かれている


(46)インチ(屋号)のタクシー(Inch’s taxi)



数年前に夫のアーサー・バントリー大佐(Colonel Arthur Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)を亡くしたドリー・バントリーは、ゴシントンホールとホールに付属したかなりの広さの土地を売り払って、以前東側の門衛所だったところに、最新式の造り付けの台所、水道、電気や浴室等の近代的な設備を設置した上で、そこへ移り住んでいる。

物語の序盤、ミス・マープルは、ドリー・バントリーを訪問する際に、インチ(屋号)のタクシーを利用している。


物語上、「もうずっと昔のことだが、インチという男が貸馬車を二台持っていて、汽車が着くたびに降りてくる客を乗せていた。村の婦人たちも、”およばれ”でティー・パーティーに行ったり、時には娘を連れて、ダンス・パーティーなどにうかれに行ったりする場合にも、そこの馬車を雇ったものだった。そのうちに、元気そうなあから顔の七十過ぎの爺さんになったインチは、息子 - 村では、”インチ青年”で通っていたが、そのときには息子はもう四十五だった - に仕事をゆずった。もっとも、老婦人たちを乗せるときには、息子では若すぎて

頼りないとでも思うのか、自分が御者をつとめたりしてはいた。インチ青年は、時代に順応して馬車はやめ、自動車に変えた。だが、彼は機械の扱い方はそれほどうまくなかったので、そのうちにバードウェルという男が商売を譲りうけた。インチという屋号はそのままに残った。そのバードウェルもやがてロバーツという男に権利を譲ったが、電話帳には相変わらず<インチ・タクシー>と載っていたので、村の老婦人たちは、どこかへ行くときには、自分たちはヨナで、インチが鯨ででもあるように、”インチで”と昔のままの言葉を使っているのだった。」(橋本福夫訳)と言う説明が為されている。


物語の終盤、ミス・マープルは、犯人を指摘するために、ゴシントンホールへ向かう際にも、インチのタクシーを使用した。その際、ロバーツが運転手を務めている。


                                  

2024年9月14日土曜日

ミス・マープルの世界<ジグソーパズル>(The World of Miss Marple )- その16A

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2024年に発行されている「ミス・マープルの世界(The World of Miss Marple)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているミス・ジェイン・マープル(Miss Jane Marple)シリーズの登場人物や各作品に関連した68個の手掛かりについて、前回に引き続き、順番に紹介していきたい。


今回も、ミス・マープルが登場する作品に関連する手掛かりの紹介となる。


(43)ダイキリ(daiquiri)



ダイキリが入ったグラスが、ジズソーパズルの右下に立つチェリー・ベイカー(Cherry Baker → 2024年8月10日付ブログで紹介済)の左手の中にある。


(44)噴霧器(atomizer)



香水・薬等の噴霧器が、ジズソーパズルの左下において、妻のドリー・バントリー(Mrs. Dolly Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)と話をするアーサー・バントリー大佐(Colonel Arthur Bantry → 2024年8月14日付ブログで紹介済)の背後に設置された丸テーブルの上に置かれている。


(45)映画撮影用カメラ(film camera)



映画撮影用カメラが、ジズソーパズルの左上に立つスコットランドヤード(ロンドン警視庁)の元警視総監であるサー・ヘンリー・クリザリング(Sir Henry Clithering  → 2024年8月20日付ブログで紹介済)の後ろにあるテーブルの一番右端に置かれている。


(46)インチ(屋号)のタクシー(Inch’s taxi)



セントメアリーミド村(St. Mary Mead)において、インチ(屋号)が経営しているタクシーのミニチュアが、ジズソーパズルの左上に立つサー・ヘンリー・クリザリングの左側、樹木の根元の地面の上に置かれている。


これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1962年に発表したミス・マープルシリーズ作品の「鏡は横にひび割れて(Mirror Crack’d from Side to Side)」である。本作品は、アガサ・クリスティーが執筆した長編としては、第53作目に該り、ミス・マープルシリーズの長編のうち、第8作目に該っている。


ビル・ブラッグ氏Mr. Bill Braggが描く
ミス・マープルシリーズの長編第8作目である
「鏡は横にひび割れて」の一場面


ビル・ブラッグ氏によるイラストには、

野戦病院協会支援のパーティーの席上、

米国の映画女優であるマリーナ・グレッグと

同協会の幹事であるヘザー・バドコックが会話をしているシーンが描かれている。

Harper Collins Publishers 社から出版されている

「鏡は横にひび割れて」のペーパーバック版の表紙には、

ビル・ブラッグ氏によるイラストが、

バドコック夫人が飲んで死亡する原因となった

推奨量の6倍もの精神安定剤が混入されたダイキリのグラスの形に

切り取られているものが使用されている。