2025年12月2日火曜日

エルキュール・ポワロの世界 <ジグソーパズル>(The World of Hercule Poirot )- その16A

英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作「ブラックコーヒー」の
ペーパーバック版の表紙 
-
科学者のサー・クロード・エイモリー(Sir Claud Amory)が研究していた
新しい原子爆発の方程式が盗まれたことに端を発して、
彼が毒殺される事件が発生する。
そのため、当
ペーパーバック版表紙には、
原子モデルが描かれている。

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。

前回に引き続き、各作品に出てくる登場人物、建物や手掛かり等が、その対象となる。


ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形
<筆者撮影>


(30)ブラックコーヒー(black coffee)



ジグソーパズルの下段中央にある長椅子の右端に座る男性が、ブラックコーヒーを飲んでいる。


(31) 原子爆発の方程式(chemical formula)



ジグソーパズルの中段の一番左手にあるテーブルの上に、原子爆発の方程式が書かれた紙が、上から2番目に置かれている。


これらから連想されるのは、アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)が1930年に発表した戯曲「ブラックコーヒー(Black Coffee)」である。


エルキュール・ポワロは、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立っている。
<筆者撮影>


「ブラックコーヒー」の場合、エルキュール・ポワロ(Hercule Poirot → 2025年10月11日付ブログで紹介済)が探偵役を務め、アーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings → 2025年10月12日付ブログで紹介済)とスコットランドヤードのジャップ警部(Inspector Japp → 2025年10月24日付ブログで紹介済)も登場する。


アーサー・ヘイスティングス大尉は、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立つ
エルキュール・ポワロの左斜め後ろに居る。

<筆者撮影>


ジェイムズ・ハロルド・ジャップ警部は、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立つ
エルキュール・ポワロの右斜め後ろの位置に立っている。

<筆者撮影>


アガサ・クリスティーは、1929年に戯曲「ブラックコーヒー」を書き始め、1930年12月8日に、ロンドン北西部のスイスコテージ(Swiss Cottage)内に所在するエンバシー劇場(Embassy Theatre → 2025年3月2日 / 3月3日付ブログで紹介済)において初演された。


1930年12月8日にアガサ・クリスティー作の戯曲「ブラックコーヒー」が初演されたエンバシー劇場は、
1956年に売却され、同劇場は改装された後、
現在、Royal Central School of Speech and Drama が使用している。
<筆者撮影> 


エンバシー劇場において、1930年12月8日から同年12月20日にかけて上演された後、翌年の1931年4月9日から同年5月1日までの間、ロンドン市内のセントマーティンズ劇場(St. Martin’s Theatre → 2014年8月10日 / 2015年10月4日付ブログで紹介済)において再演された。


アガサ・クリスティーによる戯曲「ねずみとり(Mousetrap)」のロングラン公演が
行われているセントマーティンズ劇場 -
画面上は、63周年(2015年時点)であるが、
2025年11月25日に、74周年を達成済。
<筆者撮影>


アガサ・クリスティー作品の戯曲化としては、「アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd → 2022年11月7日 / 2023年9月25日 / 2023年10月2日付ブログで紹介済)」(1926年)を原作とした「アリバイ(Alibi)」(1928年)が最初であるが、アガサ・クリスティー自身が執筆した戯曲としては、「ブラックコーヒー」が初作品である。


英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作「アクロイド殺し」の
ペーパーバック版の表紙


戯曲「ブラックコーヒー」は、1931年に映画化された後、1997年に、クリスティー財団(Christie estate)の許可を得て、オーストラリアのジャーナリスト / 批評家 / 詩人 / 小説家であるチャールズ・トマス・オズボーン(Charles Thomas Osborne:1927年ー2017年)により小説化されている。


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