2025年11月3日月曜日

「そして誰もいなくなった」の世界 <ジグソーパズル>(The World of ‘And Then There Were None’ )- その11

ジグソーパズルの上段のやや左側に、
料理人で、妻のエセル・ロジャーズに対して、何かを言い含めている夫のトマス・ロジャーズが、
赤枠で囲まれている。
<筆者撮影>

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2025年に発行されている「「そして誰もいなくなった」の世界(The World of ‘And Then There Were None’)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているアガサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「そして誰もいなくなった(And Then There Were None)」(1939年)の登場人物や同作品に関連した47個にわたる手掛かりについて、引き続き、紹介したい。

英国の Orion Publishing Group Ltd. から2025年に出ている
ジグソーパズル「「そして誰もいなくなった」の世界」(1000ピース)

(10)(20)トマス・ロジャーズ(Thomas Rogers)

謎のオーウェン氏(Mr. Owen)に招待されて、兵隊島(Solidier Island → 2025年10月19日付ブログで紹介済)へのボート発着所であるデヴォン州(Devon)スティクルヘイヴン村(兵隊島へのボート発着所)に着いた

*高名な元判事のローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ(Lawrence John Wargrave → 2025年10月20日付ブログで紹介済)

*体育教師(games mistress)のヴェラ・エリザベス・クレイソーン(Vera Elizabeth Claythorne → 2025年10月21日付ブログで紹介済)

*元陸軍中尉(Lieutenant)のフィリップ・ロンバード(Philip Lombard → 2025年10月28日付ブログで紹介済)

*信仰心の厚い老婦人のエミリー・キャロライン・ブレント(Emily Caroline Brent → 2025年10月29日付ブログで紹介済)

*退役した老将軍(General)のジョン・ゴードン・マッカーサー(John Gordon Macarthur → 2025年10月30日付ブログで紹介済)

*遊び好きで、生意気な青年のアンソニー・ジェイムズ・マーストン(Anthony James Marston → 2025年11月1日付ブログで紹介済)

*元警部(Detective Inspector)のウィリアム・ヘンリー・ブロア(William Henry Blore → 2025年11月2日付ブログで紹介済)


の7人は、フレッド・ナラコット(Fred Narracott - 漁師)のボートに乗り、沖合いの兵隊島に上陸する。その7人を執事のトマス・ロジャーズが出迎えた。


なお、医師のエドワード・ジョージ・アームストロング(Edward George Armstrong → 2025年10月31日付ブログで紹介済)は、7人に遅れて、後から兵隊島に到着。


兵隊島は、
ジグソーパズル「「そして誰もいなくなった」の世界」の左下の角に置かれている。
<筆者撮影>


石段をのぼって、邸宅のテラスに出ると、一行はまた元気づいた。玄関のドアが開いていて、戸口でいかにも執事然とした男がで迎えていたのだ。執事のどっしり構えたうやうやしい物腰を見て、誰もが意を強くした。それに邸宅そのものも、目を見張るようだ。テラスからの眺めも、すばらしい…。

執事が軽く頭を下げて、前に進み出た。ひょろりと背が高くて、頭は白髪まじり。執事としては、立派なものだ。

「どうぞ、こちらにお入りくださいませ」


<中略>


「まことに申しわけございませんが、オーエンさまの - 到着が遅れまして - こちらには明日お見えになります。お客さまがたのご希望は何なりと、との - お指図がございました - お部屋にご案内いたしましょうか … お夕食は八時でございます …」 

(青木 久惠訳)


ジグソーパズルの上段のやや左側に、料理人で、妻のエセル・ロジャーズ(Ethel Rogers)に対して、何かを言い含めている夫のトマス・ロジャーズが、赤枠で囲まれている。また、兵隊島に建つ邸宅の右側に建つ小屋の前で、薪を斧で割っているトマス・ロジャーズの姿が見られる。


兵隊島に建つ邸宅の右側に建つ小屋の前で、
薪を斧で割っているトマス・ロジャーズの姿が見られる。
<筆者撮影>


1930年代後半の8月のこと、英国デヴォン州の沖合いに浮かぶ兵隊島に、ヴェラ・エリザベス・クレイソーンを含め、年齢も職業も異なる8人の男女が招かれる。彼らを島で迎えた執事と料理人の夫婦は、エリック・ノーマン・オーウェン氏(Mr. Ulick Norman Owen)とユナ・ナンシー・オーウェン夫人に自分達は雇われていると招待客に告げる。しかし、彼らの招待主で、この島の所有者であるオーウェン夫妻は、いつまで待っても、姿を現さないままだった。


招待客が自分達の招待主や招待状の話をし始めると、皆の説明が全く噛み合なかった。その結果、招待状が虚偽のものであることが、彼らには判ってきた。招待客の不安がつのる中、晩餐会が始まるが、その最中、招待客8人と使用人夫婦が過去に犯した罪を告発する謎の声が室内に響き渡る。

トマス・ロジャーズと妻のエセル・ロジャーズの二人は、1929年5月6日の嵐の夜、仕えていた老女であるジェニファー・ブレイディー(Jennifer Brady)が発作を起こした際、処方薬を適切に投与せず、医者を呼びに行っている間に、発作を悪化させて、死に至らせたと告発された。


招待客が兵隊島に到着した日の晩餐会において、
謎の声(オーウェン氏)による告発により、招待客8人と使用人夫婦が戦慄する場面 -

HarperCollins Publishers 社から出ている

アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」の
グラフィックノベル版(→ 2020年9月13日付ブログで紹介済)から抜粋。


そして、物語が進み、童謡「10人の子供の兵隊(Ten Little Soldiers → 2025年6月26日付ブログで紹介済)」に準えて、ウィリアム・ヘンリー・ブロアは、4番目の被害者となる。


Seven little soldier boys chopping up sticks; One chopped himself in halves and then there were Six.

(7人の子供の兵隊さんが、薪割りをした。一人が自分を真っ二つに割って、残りは6人になった。)


執事のトマス・ロジャーズは、
台所の火をおこすための薪を小さな斧で割っていた際、
何者かに後頭部を大きい斧で割られて
、4番目の犠牲者となる。
画面左側から、ローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ(元判事)、
エドワード・ジョージ・アームストロング(医師)、ヴェラ・エリザベス・クレイソーン(秘書)、
エミリー・キャロライン・ブレント(老婦人)、フィリップ・ロンバード(元陸軍中尉)、そして、
ウィリアム・ヘンリー・ブロア(元警部)の6人
が立っている。-

HarperCollins Publishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋。


*被害者:トマス・ロジャーズ

*告発された罪状:トマス・ロジャーズと妻のエセル・ロジャーズの二人は、1929年5月6日の嵐の夜、仕えていた老女であるジェニファー・ブレイディーが発作を起こした際、処方薬を適切に投与せず、医者を呼びに行っている間に、発作を悪化させて、死に至らせたことになっている。

*犯罪発生時期:1929年5月6日。

*死因:台所の火をおこすための薪を小さな斧で割っていた際、後頭部を大きい斧で割られて死亡


トマス・ロジャーズの死亡に伴い、
テーブルの上に置かれた兵隊の人形の数が7個から6個へと減っていた。-
HarperCollins Publishers 社から出ている
アガサ・クリスティー作「そして誰もいなくなった」のグラフィックノベル版から抜粋。


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