2025年10月12日日曜日

エルキュール・ポワロの世界 <ジグソーパズル>(The World of Hercule Poirot )- その3

アーサー・ヘイスティングス大尉は、
ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の中央に立つ
エルキュール・ポワロの左斜め後ろに居る。

<筆者撮影>


英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に発行されている「エルキュール・ポワロの世界(The World of Hercule Poirot)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているエルキュール・ポワロシリーズの登場人物や各作品に関連した112個の手掛かりについて、引き続き、紹介したい。


(2)アーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings)


アーサー・ヘイスティングス大尉は、ジグソーパズル中央に立つエルキュール・ポワロの左斜め後ろに居て、両腕を胸の前で組み、壁にもたれかかっている。


ジグソーパズル「エルキュール・ポワロの世界」の完成形
<筆者撮影>


アーサー・ヘイスティングスは、エルキュール・ポワロ の友人で、ポワロシリーズにおいて、ジョン・H・ワトスン役を務める。彼が登場する物語では、ワトスンと同様に、彼が事件を記録しているため、彼の一人称で語られる。


英国の Orion Publishing Group Ltd. から2023年に出ている
「アガサ・クリスティーのトランプ」の1枚である
9 ♠️「アーサー・ヘイスティングス大尉」


アーサー・ヘイスティングスの初登場作品は、「スタイルズ荘の怪事件(The Mysterious Affair at Styles → 2023年12月3日 / 12月6日付ブログで紹介済)」(1920年)。


英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「スタイルズ荘の怪事件」のペーパーバック版の表紙


同作品によると、彼は、イートン校(Eaton)出身で、軍務に就くまでは、ロイズ・オブ・ロンドン(Lloyd’s of London → 2023年12月8日付ブログで紹介済)に勤務していた。その後、第一次世界大戦(1914年ー1918年)に出征したが、負傷のため、予備役に退いている。最終的な階級は、大尉(Captain)。


レドンホールストリート(Leadenhall Street → 2014年10月5日付ブログで紹介済)沿いに建つ
ロイズ保険組合の本社ビル「ロイズビル」
<筆写撮影>


アーサー・ヘイスティングスは、生真面目で、正義感が強いが、それ故に、必要以上に感情移入するため、推理に関しては、相当な迷走ぶりを度々見せるので、ポワロには呆れられている。一方で、事件の表層面に惑わされず、本人が気付かないまま、本質を見抜いて、事件の核心部分に迫る何気ない一言を発するため、彼の発言が、ポワロの事件解決に大いに役立ったことが、しばしばある。


また、英国紳士らしく、アーサー・ヘイスティングスは、女性に対しては、優しい態度を取り、特に鳶色の髪をした女性には、ロマンを抱いている。


英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「ゴルフ場殺人事件」のペーパーバック版の表紙


彼は、「ゴルフ場殺人事件(The Murder on the Links → 2022年11月14日付ブログで紹介済)」(1923年)において、アクロバット女優であるダルシー・デュヴィーン(Dulcie Duveen - 愛称:シンデレラ(Cinderella))と出会い、結婚。結婚後は、アルゼンチンへ移住して、そこで牧場の経営を始め、妻の助力もあり、成功を収める。それ以降は、アルゼンチンから英国に一時帰国した際に、ポワロの事件解決に立ち会うと言う形を取るため、ポワロシリーズの最終作を含めて、長編6作に登場するだけである。


登場作品


<長編>

*「スタイルズ荘の怪事件」(1920年)

*「ゴルフ場殺人事件」(1923年)

*「ビッグ4(The Big Four)」(1927年)

*「エンドハウスの怪事件(Peril at End House → 2024年7月13日 / 7月21日付ブログで紹介済)」(1932年)


英国の HarperCollins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作「エンドハウスの怪事件」の
ペイパーバック版の表紙


*「エッジウェア卿の死(Lord Edgware Dies → 2025年3月29日付ブログで紹介済)」(1933年)


英国の HarperCollins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作「エッジウェア卿の死」の
ペーパーバック版の表紙


*「ABC 殺人事件(The ABC Murders)」(1935年)

*「もの言えぬ証人(Dumb Witness → 2025年6月29日 / 7月3日付ブログで紹介済)」(1937年)


英国の Harper Collins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「もの言えぬ証人」のペーパーバック版の表紙


*「カーテン(Curtain)」(1975年)


英国の HarperCollins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作「カーテン:ポワロ最後の事件」の
ペイパーバック版の表紙


<短編>

*「ポワロ登場(Poirot Investigates)」(1924年)

 ・「西洋の星盗難事件(The Adventure of The Western Star)」

 ・「マースドン荘の悲劇(The Tragedy at Marsdon Manor)」

 ・「安アパート事件(The Adventure of the Cheap Flat)」

 ・「狩人荘の怪事件(The Mystery of Hunter’s Lodge)」

 ・「百万ドル債券盗難事件(The Million Dollar Bond Robbery)」

 ・「エジプト墳墓の謎(The Adventure of the Egyptian Tomb)」

 ・「グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件(The Jewel Robbery at the Grand Metropolitan)」

 ・「首相誘拐事件(The Kidnapped Prime Minster)」

 ・「ダヴンハイム氏の失踪(The Disappearance of Mr. Davenheim)」

 ・「イタリア貴族殺害事件(The Adventure of the Italian Nobleman)」

 ・「謎の遺言書(The Case of the Missing Will)」

 ・「ヴェールをかけた女(The Veiled Lady)」- 米版(1925年)で追加

 ・「消えた廃坑(The Lost Mine)」- 米版(1925年)で追加

  ・「チョコレートの箱(The Chocolate Box)」- 米版(1925年)で追加

*「黄色いアイリス(The Regatta Mystery)」(1939年)

 ・「バグダッドの大櫃の謎(The Mystery of the Baghdad Chest)

*「愛の探偵たち(Three Blind Mice and Other Stories)」(1950年)

 ・「ジョニー・ウェイバリーの冒険(The Adventure of Johnnie Waverly)」

*「教会で死んだ男(The Underdog and Other Stories)」(1951年)

 ・「戦勝記念舞踏会事件(The Affair at the Victory Hall)」

 ・「潜水艦の設計図(The Submarine Plans)」

 ・「クラブのキング(The King of Clubs)」

 ・「マーケット・ベイジングの怪事件(The Market Basing Mystery)」

   ・「二重の手掛かり(The Double Clue)」

 ・「呪われた相続人(The Lemesurier Inheritance)」

 ・「コーンウォールの毒殺事件(The Cornish Mystery)」

 ・「プリマス行き急行列車(The Plymouth Express)」

 ・「料理人の失踪(The Adventure of the Clapham Cook)」

 ・「二重の罪(Duble Sin)」


<戯曲>

*「ブラックコーヒー(Black Coffee → 2025年2月27日 / 2月28日付ブログで紹介済)」(1934年) 


英国の HarperCollins Publishers 社から以前に出版されていた
アガサ・クリスティー作エルキュール・ポワロシリーズ
「ブラックコーヒー」のペーパーバック版表紙


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