2024年11月5日火曜日

ロンドン ウェストキャリッジドライブ(West Carriage Drive)

手前にみえるのが、ハイドパーク内を南北に縦断しているウェストキャレッジドライブ。

英国イーストサセックス州(East Sussex)ルイス(Lewes)出身の作家であるジェイムズ・マシュー・ヘンリー・ラブグローヴ(James Matthew Henry Lovegrove:1965年ー)が2020年に発表した「シャーロック・ホームズとステイプルトンの獣」(Sherlock Holmes and the Beast of the Stapletons → 2024年xx日付ブログで紹介済)」は、サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)作「バスカヴィル家の犬(The Hound of the Baskervilles)」の続編となっており、1894年の秋から、物語が始まる。


英国の Titan Publishing Group Ltd から、Titan Books シリーズとして、
2021年に刊行されている
 ジェイムズ・ラヴグローヴ
作「シャーロック・ホームズとステイプルトンの獣」の
ペーパーバック版表紙

(Design by Julia Lloyd


1889年の秋(10月)、デヴォン州(Devon)南部に広がる荒野ダートムーア(Dartmoor)内に所在するメリピットハウス(Merripit House)に住む昆虫学者であるジャック・ステイプルトン(Jack Stapleton)が、ダートムーアに伝わる魔犬伝説を使い、バスカヴィル家の当主であるサー・チャールズ・バスカヴィル(Sir Charles Baskerville)を心臓麻痺へと追い込み、後を継いだサー・ヘンリー・バスカヴィル(Sir Henry Baskerville)の命も奪おうとした「バスカヴィル家の犬」事件が解決してから、既に5年が経過していた。

また、「空き家の冒険(The Empty House → 2022年5月27日 / 7月1日 / 7月10日 / 7月17日 / 7月24日 / 7月29日 / 8月3日 / 8月6日付ブログで紹介済)」を経て、シャーロック・ホームズが1894年4月にロンドンへと帰還してから、半年が経っていた。

更に、ホームズの相棒であるジョン・H・ワトスンは、妻のメアリー(Mary)を亡くして、独り身となっていた。


ヴィクトリアゲート(Victoria Gate)近くにあるハイドパーク内の案内板 -
案内板の左上にみえる赤い丸が現在位置を示している。


ワトスンは、午前中の診療を終えると、午後、ケンジントン地区(Kensington → 2023年12月12日 / 12月17日付ブログで紹介済)の自宅を出て、ハイドパーク(Hyde Park → 2015年3月4日付ブログで紹介済)経由、ホームズが住むベイカーストリート221B(221B Baker Street)へと出かける。

サーペンタイン湖(The Serpentine → 2015年3月15日付ブログで紹介済)を過ぎて、ワトスンがウェストキャリッジドライブ(West Carriage Drive)を歩いていると、突然、大きな黒い犬が彼に向かって駆けて来るのが見えた。「バスカヴィル家の犬」事件の魔犬のことが頭に過ぎったワトスンは、思わず、恐怖する。

結果的に、何事もなかったものの、ワトスンは、犬の飼い主である中年の男性との間で、揉め事になったが、自分達の周りに人集りができたため、ワトスンは、早々にその場を立ち去るのであった。


ハイドパーク内にあるサーペンタイン湖


ベイカーストリート221Bを訪れたワトスンを、ホームズが快く出迎えた。ホームズによると、「事件の相談者が来ている。」とのことだった。

事件の相談者は、米国人の黒人の青年で、ベンジャミン・グリア伍長(Corporal Benjamin Grier)と名乗った。彼は、「カナダ生まれの友人のことで、至急、相談したい。」と言う。そして、驚くことに、ベンジャミン・グリア伍長は、カナダ生まれの友人として、「サー・ヘンリー・バスカヴィル」の名前を出したのである。


ヴィクトリアゲートの柱


ウェストキャリッジドライブは、ハイドパークとケンジントンガーデンズ(Kensington Gardens)を東西に分ける通りである。


ヴィクトリアゲートの上にある像


ウェストキャリッジドライブの北側は、ハイドパーク / ケンジントンガーデンズの北側を東西に延びるベイズウォーターロード(Bayswater Road)に面するヴィクトリアゲート(Victoria Gate)から始まり、ハイドパークとケンジントンガーデンズを東西に分けるように、南下する。南下するウェストキャリッジドライブは、サーペンタイン湖の上を横切った後、サーペンタインギャラリー(Serpentine Gallery)の前を通過して、その南側は、ハイドパーク / ケンジントンガーデンズの南側を東西に延びるケンジントンロード(Kensington Road)に突き当たって、終わっている。


ハイドパーク内では、乗馬の練習が行われている


ウェストキャリッジドライブが東西に分けるハイドパーク / ケンジントンガーデンズ内では、乗馬の練習風景を頻繁に見受けられる。


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