2024年1月28日日曜日

シャーロック・ホームズのトランプ(Sherlock Holmes - Playing Cards)- その9

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. より、一昨年(2022年)に発行されたシャーロック・ホームズをテーマにしたトランプの各カードについて、前回に引き続き、紹介したい。


(29)8 ❤️「ビリー(Billy)」



ビリーは、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日 / 6月29日付ブログで紹介済)の給仕である。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1921年10月号「マザリンの宝石」に掲載された挿絵 -
ある夏の晩7時頃、ジョン・H・ワトスンがシャーロック・ホームズの元を訪れるところから、物語が始まる。
 給仕のビリーによると、ホームズは現在ある事件にかかりきりだと言う。
ホームズは、昨日、職探しの職人に、そして、今日は老婆に変装して出かけた、とのこと。
ビリーがワトスンにこっそり教えてくれたところでは、
「マザリンの宝石(Mazarin Stone)」という10万ポンドもする王冠のダイヤモンド盗難事件のためのようだ。また、窓辺には、(「空き家の冒険(The Empty House)」でも使われた)ホームズの蝋人形が置かれていた。その時、寝室のドアが開いて、ホームズが姿を見せたのであった。
ホームズ曰く、「自分には、危険が迫っている。」と言う。
画面左側から、ホームズの蝋人形、ビリー、そして、ワトスン。

登場作品

<長編>

*「恐怖の谷(The Valley of Fear  → 2023年5月12日 / 5月17日 / 5月21日 / 5月26日 / 5月29日 / 6月5日付ブログで紹介済))」- シャーロック・ホームズシリーズの長編小説4作のうち、4番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」の1914年9月号から1915年5月号にかけて掲載された。また、米国でも、「ニューヨーク トリビューン(The New-York Tribune)」の日曜版に連載された。

<短編>

*「マザリンの宝石(The Mazarin Stone)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、45番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1921年10月号に、また、米国では、「ハーツ インターナショナル(Heart's International)」の1921年11月号 に掲載された。

また、同作品は、1927年に発行されたホームズシリーズの第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿(The Case-Book of Sherlock Holmes)」に収録されている。

「ソア橋の謎(The Problem of Thor Bridge)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、46番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1922年2月号 / 3月号に、また、米国では、「ハーツ インターナショナル」の1922年2月号 / 3月号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第5短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」(1927年)に収録されている。


(30)8 ♠️マギンティー支部長(Bodymaster McGinty)



マギンティー支部長は、「恐怖の谷」の第2部「スカウラーズ(The Scowrers)」に登場する人物で、米国ペンシルヴァニア州ヴァーミッサ峡谷(Vermissa Valley)にある炭鉱街において、表現上は、労働者の秘密結社であるが、実質的には、マフィアの集団となっている「スカウラーズ(The Scowrers)」を牛耳っていた。


英国で出版された「ストランドマガジン」の
「恐怖の谷」に掲載された挿絵 -
米国ペンシルヴァニア州ヴァーミッサ峡谷にある炭鉱街において、
表現上は、労働者の秘密結社であるが、実質的には、マフィアの集団となっている
「スカウラーズ」を牛耳る
マギンティー支部長(画面中央の人物)は、
炭鉱街を「恐怖の谷」へと化せていた。


「恐怖の谷」は、ホームズシリーズの長編第4作目で、英国では、「ストランドマガジン」の1914年9月号から1915年5月号にかけて連載された後、単行本化。また、米国でも、「ニューヨーク トリビューン」の日曜版に連載された。


(31)8 ♦️「パーシー・フェルプス(Percy Phelps)」



パーシー・フェルプスは、「海軍条約文書(The Naval Treaty)」に登場する人物で、ジョン・H・ワトスンの古い学友で、現在、外務省の要職に就いており、事件の依頼人となる。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1893年10月号「海軍条約文書」に掲載された挿絵 -
ジョン・H・ワトスンと一緒に、
ウォーキング(Working)のブライアブレイ屋敷(Briarbrae)を訪れたシャーロック・ホームズは、
アニー・ハリスン(Annie Harrison)の同席の下、
外務省において責任ある職に就いているパーシー・フェルプスから、事件の詳細な説明を受ける。
画面左側から、ホームズ、ワトスン、アニー・ハリスン、そして、パーシー・フェルプス。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット
(Sidney Edward Paget:1860年 - 1908年)


「海軍条約文書」は、ホームズシリーズの短編小説56作のうち、23番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1893年10月号に、また、米国でも、「ハーパーズ ウィークリー(Harper’s Weekly)」の1893年10月14日号 / 10月21日号に掲載された。

また、同作品は、1893年に発行されたホームズシリーズの第2短編集「シャーロック・ホームズの回想(The Memoirs of Sherlock Holmes)」に収録されている。


(32)8 ♣️スタンリー・ホプキンス警部(Inspector Athelney Jones)



スタンリー・ホプキンス警部は、アセルニー・ジョーンズ警部(Inspector Athelney Jones → 2024年x月x日付ブログで紹介済)と同じく、スコットランドヤードの警察官である。


英国で出版された「ストランドマガジン」
1904年7月号「金縁の鼻眼鏡」に掲載された挿絵 -
1894年11月も終わりに近付いた激しい嵐の夜、
スタンリー・ホプキンス警部(Inspector Stanley Hopkins)が、
ベイカーストリート221Bのシャーロック・ホームズの元を訪れる。
ケント州(Kent)チャタム(Chatham)に所在する
コーラム教授(Professor Coram)の
ヨクスリーオールドプレイス屋敷(Yoxley Old Place)の書斎の床で、
教授の秘書であるウィロビー・スミス(Willoughby Smith)青年が
虫の息で発見された事件について、相談に来たのである。
画面手前左側の人物がホームズで、画面手前右側の人物がホプキンス警部。
そして、画面奥の人物が、ジョン・H・ワトスン。
挿絵:シドニー・エドワード・パジェット(1860年 - 1908年)


登場作品

<短編>

「ブラック・ピーター(Black Peter)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、30番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年3月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー(Collier’s Weekly)」の1904年2月27日号に掲載された。

また、同作品は、1905年に発行されたホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録されている。

*「金縁の鼻眼鏡(The Golden Pince-Nez)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、34番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年7月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年10月29日号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。

*「アビー屋敷(The Abbey Grange)」- ホームズシリーズの短編小説56作のうち、36番目に発表された作品で、英国では、「ストランドマガジン」の1904年9月号に、また、米国では、「コリアーズ ウィークリー」の1904年12月31日号に掲載された。

また、同作品は、ホームズシリーズの第3短編集である「シャーロック・ホームズの帰還」(1905年)に収録されている。


0 件のコメント:

コメントを投稿