2023年1月20日金曜日

シャーロック・ホームズの世界<ジグソーパズル>(The World of Sherlock Holmes )- その11

英国の Laurence King Publishing Group Ltd. から出ている「シャーロック・ホームズの世界(The World of Sherlock Holmes)」と言うジグソーパズル内に散りばめられているシャーロック・ホームズシリーズに登場する人物や物語の舞台となる建物、また、作者であるサー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle:1859年-1930年)本人と彼に関連する人物等、50個にわたる手掛かりについて、引き続き、順番に紹介していきたい。

なお、今回から、シャーロック・ホームズが使用するアイテム(品物や道具類等)となる。


(44)キャラバッシュ型パイプ(curved pipe)


守備側のクリケット選手の後ろの芝生の上に、
キャラバッシュ型のパイプが置かれている。

ホームズと言うと、吸い口が大きく曲がったキャラバッシュ型パイプを咥えているイメージが強い。ただし、この型のパイプは、ホームズが活躍した19世紀には、まだ存在していなかった。そのため、挿絵画家であるシドニー・エドワード・パジェット(Sidney Edward Paget:1860年ー1908年)が「赤毛組合(The Red-Headed League → 2022年9月25日 / 10月9日 / 10月11日 / 10月16日付ブログで紹介済)」等で描いている通り、ホームズは、柄が真っ直ぐになったパイプを愛用していた筈である。


挿絵画家のシドニー・パジェットが描く
「柄が真っ直ぐになったパイプを咥えて、
椅子の上で身体を丸めて考え込むホームズ」。
(「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」
1891年8月号の「赤毛組合」より)


キャラバッシュ型パイプは、米国の舞台俳優 / 演出家であるウィリアム・ジレット(William Gillette:1853年ー1937年)が、舞台でホームズを演じる際、舞台上の効果(この型のパイプだと、咥えたままで、台詞を言い易い)から考案されたもので、その後、この型のパイプが、ホームズのトレードマークとなったのである。


(45)拳銃(pistol)


公園の噴水と柵の間の芝生の上に、
拳銃が置かれている。


ホームズは、「四つの署名(The Sign of the Four → 2017年8月12日付ブログで紹介済)」等で拳銃を携帯するものの、残念ながら、拳銃の型については、コナン・ドイルの原作上、言及されていない。


挿絵画家のハワード・ケッピー・エルコック
(Howard Keppie Elcock:1886年ー1952年)が描く
「床下から出て来た犯人に向かって
拳銃を向けるホームズ」。
(「ストランドマガジン(The Strand Magazine)」
1925年1月号の「三人のガリデブ(The Three Garridebs)」より)


ホームズの場合、ベイカーストリート221B(221B Baker Street → 2014年6月22日付ブログで紹介済)の自室において、椅子に座ったまま、射撃連休を行い、壁にヴィクトリア女王(Queen Victoria → 2017年12月10日 / 12月17日付ブログで紹介済)の頭文字に該る「V. R.」と弾丸で痕を残したこともある。


ヴィクトリア女王の生誕200周年を記念して、
2019年にロイヤルメール(Royal Mail)から発行された切手のうちの1枚


(46)鹿撃帽(deerstalker)


ロンドン市内を走る機関車の屋根の上に、
鹿撃帽が置かれている。


キャラバッシュ型パイプと合わせて、鹿撃帽も、ホームズのトレードマークとなっているが、コナン・ドイルの原作上、「ぴったりとした布帽子(close-fitting cloth cap)」とは記載されているものの、鹿撃帽のことに関しては、言及されていない。


挿絵画家のシドニー・パジェットが描く
「ワトスンと一緒に、列車でボスコム谷へ向かう途中の
鹿撃帽を冠ったホームズ」。
(「ストランドマガジン」1891年10月号の
「ボスコム谷の謎」より)

ホームズに鹿撃帽を冠らせたのは、挿絵画家のシドニー・パジェットによる発案で、鹿撃帽を冠ったホームズが初登場するのは、短編4作目の「ボスコム谷の謎(The Boscombe Valley Mystery)」で、その後、短編「名馬シルヴァーブレイズ(Silver Blaze)」の際も、ホームズは鹿撃帽を冠って、ジョン・H・ワトスンと一緒に、事件現場であるダートムーア(Dartmoor)へと向かっている。



挿絵画家のシドニー・パジェットが描く
「ワトスンと一緒に、列車でダートムーアへ向かう途中の
鹿撃帽を冠ったホームズ」。
(「ストランドマガジン」1892年10月号の
「名馬シルヴァーブレイズ」より)

0 件のコメント:

コメントを投稿