2021年1月9日土曜日

マーク・A・ラサム作「シャーロック・ホームズ / 血の背信」(Sherlock Holmes : A Betrayal in Blood by Mark A. Latham) - その2

2017年3月に Titan Books から出版された
マーク・A・ラサム作「シャーロック・ホームズ / 血の背信」の
ペーバーバック版の裏表紙
(Cover Image by Dreamstime / funnylittlefish)

新聞によると、ドラキュラ伯爵事件に関して、裁判所はエイブラハム・ヴァン・ヘルシング教授(Professor Abraham Van Helsing)一行全員を無罪放免としており、ドラキュラ伯爵事件にかかる全ての記録が間もなく一般に公開される予定、とのことだった。ところが、シャーロック・ホームズの手元には、その全記録が既に存在していた。


ジョン・H・ワトスンが尋ねたところ、シャーロック・ホームズは、パル・マル通り(Pall Mall → 2016年4月30日付ブログで紹介済)にあるディオゲネスクラブ(Diogenes Club)に居る彼の兄であるマイクロフト・ホームズ(Mycroft Holmes)から昨日の真夜中前に届き、今朝にかけて二度目を通した、と答えた。マイクロフト・ホームズ、つまり、英国政府としては、ドラキュラ伯爵事件について、ヴァン・ヘルシング教授達が裁判所で語った通りではないと考えており、事件の真相をシャーロック・ホームズに究明して欲しいようである。


そこへ、ハドスン夫人(Mrs. Hudson)がスコットランドヤードのロジャー・ブラッドストリート警部(Inspector Roger Bradstreet)を案内してきた。

ブラッドストリート警部によると、彼の同僚であるフランク・コットフォード警部(Inspector Frank Cotford)がドラキュラ伯爵事件の捜査を担当していて、何かを探り出したようであるが、突然捜査から外され、閑職へと追いやられたしまい、現在、酒浸りの日々を送っている、とのこと。彼としては、シャーロック・ホームズにドラキュラ伯爵事件の真相を究明してもらい、同僚のコットフォード警部を現在の状況から救い出して欲しいと頼み込むのであった。

シャーロック・ホームズは、ブラッドストリート警部の依頼を受けて、彼とワトスンの三人で、イーストエンド(East End)に住むコットフォード警部のフラットへと向かう。そんな彼らを、謎のドイツ人二人組が付け狙っていた。


果たして、ドラキュラ伯爵事件の真相とは、一体、何なのだろうか?ヴァン・ヘルシング教授達の証言通り、ドラキュラ伯爵(Count Dracula)は、本当に吸血鬼だったのか?そうでないとしたら、ヴァン・ヘルシング教授達は、一体、何を背後に隠しているのか?そして、彼らが滅ぼしたルーシー・ウェステンラ(Lucy Westenra)、ドラキュラ伯爵が惨殺したと言われるレンフィールド(Renfield)、更に、彼らが最終的に倒したドラキュラ伯爵は、一体、何の為に殺害されたのか?マイクロフト・ホームズ、つまり、英国政府は、何故、ドラキュラ伯爵事件にかかるヴァン・ヘルシング教授達の証言が全て嘘だと見抜いているのか?また、シャーロック・ホームズ達を付け狙う謎のドイツ人二人組は、一体、何者なのか?


シャーロック・ホームズが、ドラキュラ伯爵事件の背後にある驚くべき真実を明らかにするのである。


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