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第4話「二十四羽の黒つぐみ」が収録された エルキュール・ポワロシリーズの DVD コレクション No. 1 の表紙 |
アガサ・メアリー・クラリッサ・クリスティー(Agatha Mary Clarissa Christie:1890年ー1976年)作「二十四羽の黒つぐみ(Four-and-Twenty Blackbirds)」(1940年)の TV ドラマ版が、英国の TV 会社 ITV 社による制作の下、「Agatha Christie’s Poirot」の第4話(第1シリーズ)として、1989年1月29日に放映されている。英国の俳優であるサー・デヴィッド・スーシェ(Sir David Suchet:1946年ー)が、名探偵エルキュール・ポワロを演じている。ちなみに、日本における最初の放映日は、1990年2月3日である。
英国 TV ドラマ版における主な登場人物(エルキュール・ポワロを除く)と出演者は、以下の通り。なお、順番は、エンディングの出演者順。
(1)アーサー・ヘイスティングス大尉(Captain Arthur Hastings):Hugh Fraser
(2)ジャップ主任警部(Chief Inspector Japp):Philip Jackson
(3)ミス・フェリシティー・レモン(Miss Felicity Lemon):Pauline Moran
(4)ジョージ・ロリマー(George Lorrimer - 劇場の支配人):Richard Howard
(5)ハリー・クラーク(Harry Clarke - ジョージ・ロリマーのアシスタント):Geoffrey Larder
(6)ボニントン(Bonnington - ポワロの友人で、歯医者)
(7)ダルシー・ラング(Dulcie Lang - 画家であるヘンリー・ガスコイン(Henry Gascoigne)のモデル):Holly De Jong
(8)ピーター・メイキンスン(Peter Makinson - 画家であるヘンリー・ガスコインのエージェント):Clifford Rose
(9)カッター(Cutter - 病理学者(pathologist)):Philip Locke
(10)ヒル夫人(Mrs. Hill - アンソニー・ガスコイン(Anthony Gascoigne)の家政婦):Hilary Mason
(11)モリー(Molly - Bishop’s Chop House のウェイトレス):Cheryl Hall
アガサ・クリスティーの原作に比べると、英国 TV ドラマ版における登場人物には、以下の違いが見受けられる。
(1)・(2)(3)
<原作>
アーサー・ヘイスティングス大尉、ジャップ主任警部とミス・フェリシティー・レモンは、登場しない。
<英国 TV ドラマ版>
アーサー・ヘイスティングス大尉、ジャップ主任警部とミス・フェリシティー・レモンは、レギュラーメンバーとして登場。
(4)
<原作>
ジョージ・ロリマーは、ウィンブルドン(Wimbledon)に住む医師と言う設定になっている。
<英国 TV ドラマ版>
ジョージ・ロリマーがどこに住んでいるのかは不明。また、彼は、ベスナルグリーン地区(Bethnal Green → 2024年9月19日付ブログで紹介済)にあるカールトン劇場(Carlton Theatre)の支配人と言う設定に変更されている。
(5)
<原作>
ハリー・クラークは、登場しない。
<英国 TV ドラマ版>
ハリー・クラークは、カールトン劇場の支配人であるジョージ・ロリマーのアシスタントを務めている。
(6)
<原作>
ヘンリー・ボニントン(Henry Bonnington)がフルネームで、ポワロの友人であるが、職業は不明。
<英国 TV ドラマ版>
ヘンリー・ガスコインが登場する関係上、物語上、ボニントンのファーストネームについては、言及されていない。また、ポワロが通う歯医者と言う設定になっている。
(7)
<原作>
ダルシー・ラングは、登場しない。
<英国 TV ドラマ版>
ダルシー・ラングは、画家であるヘンリー・ガスコインのモデルを務めている。
(8)
<原作>
ピーター・メイキンスンは、登場しない。
<英国 TV ドラマ版>
ピーター・メイキンスンは、画家であるヘンリー・ガスコインのエージェントを務めている。
(9)
<原作>
カッターは、登場しない。
<英国 TV ドラマ版>
カッターは、病理学者として、原作のマックアンドリュー医師(Dr. MacAndrew)の代わりを務めている。
(10)
<原作>
ヒル夫人は、アンソニー・ガスコインの家政婦で、アメリア(Amelia)と言うファーストネームが与えられている。
<英国 TV ドラマ版>
原作と同様に、ヒル夫人は、アンソニー・ガスコインの家政婦であるが、ファーストネームに関しては、言及されていない。
(11)
<原作>
モリーは、チェルシー地区(Chelsea)内のキングスロード(King’s Road → 2025年3月8日 / 3月10日付ブログで紹介済)沿いにあるレストラン「ギャラント エンデヴァー(Gallant Endeavour)」のウェイトレスと言う設定になっている。
<英国 TV ドラマ版>
モリーは、原作とは異なり、レストラン「ギャラント エンデヴァー」ではなく、「Bishop’s Chop House」 のウェイトレスと言う設定に変更されている。原作におけるレストラン名「ギャラント エンデヴァー」が、英国の視聴者には判りづらいと言う配慮なのではないだろうか?